« 西欧の論理と羅本の論理 | メイン | 過去は変えられる »

国旗と国歌への日本人の意識

「冬のソナタ」に代表されるように、韓国のTVドラマ、映画などの「韓流ブーム」は、日本の中年女性の心を揺り動かしている。 その韓流ブームのお陰で、韓国の庶民生活を、お茶の間で垣間見ることができる。

一方の韓国の方は、ずっと以前から日本文化が静かに浸透していて、今上映中の「ハウルの動く城」 は150万人の観客動員があったという。ゲームや漫画本など、韓国では、十代・二十代の青少年を中心に日本文化が浸透している。

韓国には、日本語を話せる韓国人は多い。しかし日本では、韓国語を話せる日本人は珍しい。韓国の大型書店には、日本の書籍コーナーがあり、 「世界の中心で愛をさけぶ」などの日本のベストセラー本が並んでいる。日本の書店は、女性誌コーナーの一角に、韓国俳優と「ヨン様」 コーナーがあるくらいで、韓国書籍のコーナーはまだない。

韓国へ単に観光に行くだけでなく、最も近い国である韓国の人達と交流し、韓国をもっと知り、理解を深めていく必要があるようです。

【心と体の健康情報 - 180】
~日本人のアイデンティティ~
「国旗と国歌への日本人の意識」

平成元年、日米の高校生を対象に「国旗・国歌に対する意識と態度調査」が行われた。

■あなたは学校の行事や何かの式典で、国旗が掲揚されたり、 国歌が吹奏されるとき、起立して威儀を正しますか?
  ・起立する     
日本 25.6%   米国 97.2%
  ・外国の国旗・国歌のときは
日本 17.3%   米国 93.4%
米国では、起立し威儀を正すのは当たり前の行動として受け止められている。

 

ハワイへ観光に行ったときのこと。その日は七月二日、独立記念日の前々日。
ショッピングモールの広場に人だかりがしていた。地元の高校のブラスバンドが、演奏を始めようとしているところだった。
最初に国歌が吹奏された。それまで、二階踊り場の手すりにひじをついて見下ろしていたアメリカ人が、 いずれも直立姿勢になり、右手を胸に当て、演奏に合わせて国歌を歌い始めた。

日本の建国記念日は2月11日。この日は祝日です。しかし、私たちが身近に触れる国民的行事など何もないし、 誰もお祝いしたりしない。誰も国旗を掲揚しないし、その日、国歌が吹奏されるのを聞くこともない。
で、ふと思った。自国の国歌が吹奏されたとき、自発的に起立して歌う日本人はいるだろうか? と…。

アメリカが独立戦争で、十三の植民地が団結してイギリスと戦い、勝利を収めた。
その時作られた星条旗の星の数は十三だった。そんなことを知っている私が、自国の建国記念日が、 どのような歴史的背景で2月11日に定められたのか知らない。説明できない。

台湾へ行ったときも、たまたまその日が「国慶節」だった。国を挙げてのお祝い。
街中爆竹が鳴り、町内の人達が思い思いに上り旗を立てて、お祭りに繰り出してくる。
今の日本、この日本を築きあげた先人達に、誰も感謝することをしない。国旗と国歌に日常接する機会が少なく、 諸外国に比べて、国旗と国歌に対する意識が希薄です。
で、国旗掲揚や国歌吹奏に際してのマナーや常識を知らないばっかりに、日本の青年が、 海外でとんでもないトラブルに遭っているという。

タイの映画館で、上映が始まる前に、スクリーンに国王陛下が映し出され、国歌が流される。居合わせた日本人二人。 自分たちには関係ないと、起立しなかった。
しょっ引かれて留置場に入れられてしまった。
ケニアでも、国旗降納の合図の笛の音が鳴っているのに起立せず、そのまま仕事をつづけていた日本の青年が、 ライフル銃を突きつけられて、連行された。

国旗が国家の象徴であることは知っている。しかし日本人には、日頃それを尊重しなければならないという意識がない。
世界各国には、それぞれ独自の文化や歴史、宗教がある。各国の国旗や国歌を尊重することは、 その国の国民に対して敬意を表すことになるのです。

故に、国旗や国歌をないがしろにすれば、その国の人々や歴史、伝統、文化をないがしろにすることになる。 相手国への怒りをあらわにするとき、国旗を焼いたり、足げにする光景を、外国からの報道テレビで見ることがある。
この、世界共通の大切なことを、私たちは教えられることがなかったのです。

モラロジー研究所 「ニューモラル No.425」より

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.noevir-hk.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/664

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

ひとつ前の投稿は「西欧の論理と羅本の論理」です。

次の投稿は「過去は変えられる」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36