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2005年03月 アーカイブ

2005年03月01日

人格を磨け

「こうなったのは、おまえのせいだ!」と相手を指さす。
そのときの手と指のかたちを見るといい。
親指は天を指して運命を呪い、中指と薬指、小指の三本の指は「責任はおまえ自身にある」と、自分の方を指している。
相手を指差しているのは、五本の指のうち、人差し指一本だげである。

物事がうまくいかなくて、人を責めたくなるとき、その責任はおおむね自分にあることが多い。

【心と体の健康情報 - 183】
~幸せな人生を歩むために~
「人格を磨け」

法律のスキ間を突いた、ライブドアの日本放送株取得事件。いくら違法ではないといっても、 時間外取引という闇討ちのような行為で、企業の支配権を奪うほどの大量買い付けは、フェアとはいえない。

一方の日本放送の経営陣。突然降って沸いた会社乗っ取りに、会社と自らの地位を守ろうと、 防衛手段に出るのは当然でしょう。が、株主不在のなりふり構わぬ手法は、非難されても仕方のないところです。
いずれにせよ、主張するところが公明正大、且つ社会的正義の強い方が、株主や大衆を味方に引き付け、 勝利を収めるのではないでしょうか?

以下致知3月号、京セラの稲盛和夫名誉会長「巻頭の言葉」からの抜粋です。

世間には高い能力を備えながら、心が伴わないために、道を誤る人が少なくありません。古来「才子、 才に倒れる」といわれるとおり、才覚にあふれた人は、ついそれを過信して、 あらぬ方向へと進みがちなものです。
そういう人は、たとえその才を活かし、一度は成功しても、才覚だけに頼ることで、 失敗への道を歩むことになる。

正しい方向に導くためには、羅針盤が必要となる。その指針となるものが「理念」 「思想」 であり、また「哲学」 なのです。その哲学が不足し、人格が未熟であれば、 いくら才に恵まれていても、せっかくの高い能力を正しい方向に活かしていくことができず、 道を誤ることになる。

この「人格」は、 人間が生まれながらに持っている「性格」 と、 人生を歩む過程で身につけていく「哲学」 の両方から成り立っている。つまり、 性格という先天的なものに、哲学という後天的なものをつけ加えていくことによって、私たちの人格は陶冶 (とうや)されていくのです。

では、どのような哲学が必要なのかといえば、それは 「人間として正しいかどうか」ということ。すなわち 「嘘をついてはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」「自分のことばかりを考えてはならない」など、 誰もが子どものころ、親や先生から教わったにもかかわらず、大人になるにつれ、忘れてしまったことです。

誰もが正しいと信じる、親から子へと受け継がれてきた、モラルや道徳がある。
それに反することをして、うまくいくことなど一つもないのです。

今回のライブトアの行為で思い起こされるのが、巨人軍のあの空白の一日。
リーグ規則に払拭しないたった一日の空白。規則の欠点を突いた江川卓獲得事件のことである。やり方がフェアーでなければ、 周りの支持は得られない。支持が得られない行為は、失敗と言わざるを得ない。

外資が今回の事件に注目していて、「日本のライバル企業をつぶす目的で、買収をしかけてくる(2/28読売)」 という。力の強いものが、有無を言わせず力づくで欲しいものを奪い取るといった、狩猟民族アメリカ的手法は、 「みんな仲良く」和を重んじる、農耕民族日本人の肌合いにはなじまない。

一面、堀江社長の行為は、閉塞的だったプロ野球界に新風を吹き込んだように、株主不在の旧態然とした日本式経営に、 大きな風穴を開けることになるかもしれない。
■二宮尊徳翁の言葉
  「経済のない道徳は寝言だが、道徳のない経済は犯罪である」

2005年03月04日

多元的価値観の日本人

■趣味の言葉遊び
今日の韓国語は「ちょんまる、かむさはむにだ」。
お世話になった人への感謝の言葉、”どうもありがとうございます”の意味。

「ちょんまる、かむさはむにだ」
「かむさ」は、漢字で”感謝”と書く。何となく意味が通じるでしょう。

「ちょんまる」は、”どうも””本当に”の意味。
「はむにだ」は、”ございます”の意味。で、「かむさはむにだ」は”感謝します”。
日本語では”ありがとうございます”になる。
通しで覚えるには、当て字で、
「ちょんまる(・ ○)感謝(噛むサ)はむにだ(ハム荷駄)」

「てだに、かむさはむにだ」
「てだに」は、” 大変”の意味。覚え方は”てーへんだに”、縮めて「てだに」。
日本語では”大変ありがとうございます”になる。
韓国人は、日本人から見ると、この「てだに」をたびたび使って、
少々オーバーぎみに、最上級のお礼の言葉として使います


【吉村外喜雄のなんだかんだ 第69号】  
~日本人のアイデンティティ~
「多元的価値観の日本人」

今回のライブドアのケース、日本では初めてのことです。とかく弱いものに味方したがる判官びいきの日本とは違って、 「誰よりも強くなければならない」という力関係で物事すべてドライに割切るアメリカ。
M&Aによる企業買収は、企業成長戦略の一つであり、アメリカでは日常茶飯事。
ターゲットにされそうな企業は、乗っ取りに備え、普段から様々な知恵を働かせ、防衛策を講じているという。

以下、衆議院議員 小野晋也「日本人の使命」からの抜粋です。

 

アメリカの論理というのは大変分かりやすい。映画を観ても単純明快。
「スーパーマン」や「007」でおなじみ、正義の味方がいて、悪の権化がいて、両方が戦って最後は正義が、 そして強いものが勝つ。

キッシンジャーが大統領補佐官だった時、「世の中の秩序は三つしかない」と言い切った。
一つ 「一つの強力な国が世界中の秩序をリードする」
今のアメリカをいう。一つの強いものだけが存在して世界をリードする。
ただ一つの神が全秩序を支配する姿である。

二つ 「一つの強力な国が一方にあり、更に別の強力な国がもう一方にあって、この両者が力をぶつけ合いながら、 パワーバランスを保つ」というもの。つまり二大勢力がバランスを保つという考え方。 1950~70年代のアメリカとソビエトの関係を言う。

三つ「カオス、 混沌しかない」

欧米の考え方は「一神教的価値観」。 つまり彼らの頭の中に、秩序を保つとは、この三つの内の二つしか存在しない。 まさに一神教が描く世界観そのものです。

アメリカのこういった世界観が、アフガニスタンやイラクへの軍事介入へと駆り立てる。 秩序ある平和な国家を築くための、一方的価値観の押し付けにしか見え
ないのです。
一神教が描いたアメリカの価値観から見れば、日本は「カオス、混沌」とした無秩序の国家ということになる。が、 決っしてそうではない。
日本人の考え方は 「多元的価値観」。 いろんな種類のものが一緒に混在しながら、 調和していく社会。
西洋と東洋と日本の文化がバランスよく混在し、神教、仏教、キリスト教などの様々な宗教が、ごく普通に、ごく自然に、 日本人の社会に溶け込んでいる。

日本人の価値観の根底にあるのは、「和」を大切にすること、「人を思いやる優しい心」。 異なる考え方の集団をうまくまとめるために、自らの考え方や主張を表に出しすぎないように気配りする。 ここが一神教的価値観の民族と大きく異なるところでしょう。
故に、欧米社会以上に調和の取れた社会を創りあげている。日本人の奥底に、そういった調和を生み出す考え方と能力が、 伝統的に備わっているのでしょう。

たとえば、基礎的研究開発の分野では、欧米諸国に劣る日本人が、応用研究開発の分野では抜群の能力を発揮する。 それは、日本人に備わっている多元的価値観が、強みとなって表れてくるからではないでしょうか。

2005年03月08日

企業不祥事

3/7 中日新聞「週刊誌を読む」が面白かったので、その一部を転載します。

堀江社長が出演する番組はいずれも高視聴率を記録し、彼はいまや新”視聴率王”と言われているという。 堀江社長の幾つかの著書も猛烈に売れているというし、ライブドアのホームページのアクセスは、 昨年の7倍の300万ページビューに激増しているという。
一方のフジサンケイグループも必死。産経新聞の緊急会議で「堀江社長のスキャンダルで書けるものはドンドン書いていこう」 という方針が確認された。
政治家などへのロビー活動も行っていて、森前首相などが一斉に堀江批判を始めたのは、その成果の現われ。
金にモノを言わせ、金に汚い自民党。その森前首相が「カネの力でなんとかなると思ったら大間違いだ!」と堀江批判。 ブラックユーモアですよね。

この間、一貫して堀江コールを送っているのは「週間プレイボーイ」。3月15日号で「ホリエモンを総理大臣に!」とブチあげた。 「民主党など、どの政党に任せても、日本が変わんないことに、そろそろみんな気づいてきたんじゃない?」
ホリエモンだったら、もしかしたら閉塞した日本をひっくり返してくれるかもしれない。

【心と体の健康情報 - 184】
~日本人のアイデンティティ~
「企業不祥事」

以下、3/2読売新聞・論点「企業不祥事」からの抜粋です。

雪印事件に端を発する企業の不祥事は、止まるところを知らない。 なぜこのような違法事件が頻発するのだろうか? 資本主義という社会の仕組みに問題があるのだろうか?  それよりも、日本人の社会慣習、物事の進め方に問題があるようです。

日本人の「和」を重んじる精神が、「ことなかれ主義」になり、「なあなあ」や「見て見ぬふり」 になり、「波風を立てない」ことが職場のため、会社のためとなる。
年功序列や終身雇用のもとで培われてきた、これらの日本的慣行が、 企業不祥事の根本原因になっているようです。

                           
家族を養っていけるのは会社のお陰。出入りの業者や社員である立場を考えると、筋や正義を貫き通すということは、 取引停止や、会社を辞める覚悟がなければ、とても実行できることではない。
ところが最近、こういった不祥事の多くは、”内部告発”という過去には見られなかったやり方によって、問題が公にさらされ、 企業責任を追求されるようになった。労使の雇用関係、帰属意識が弱まってきたことによる現象でしょうか。

いずれの事件も、やっていることは悪いと知りながら、ひたすら会社のため…。
「人に知られなければ何をしてもいい」といわんばっかり。罪悪感が極めて薄い。
人の道に反することをやっているにもかかわらず、飲酒運転をして捕まったような、「運が悪かった」 程度にしか受け止めようとしない。

だから、よその会社がマスコミで、会社の存亡に関わるほど叩かれていても、それを見ている他の経営者や管理職は、 「自らを戒め、改める」という気にはならない。「当社は、絶対バレない」とでも思っているのでしょう。

これは何も経済界だけの問題ではなく、政界では更に根が深い。国益よりも己の利益を優先する議員が後を絶たず、 汚い手法で政治の世界を渡り歩きながら、事がバレそうになると、「追求を巧みに逃れ、嘘をつき通す」。 そういった手練手管に長けた政治家が、政界を牛耳っている。

今の日本を動かしている50~60代の団塊の世代。戦後間もなく生まれた新しい教育制度の中で育った。 受験と出世競争を勝ち抜き、「宗教・倫理・道徳」 などとは無縁の世界で生きてきた。学力があり、 人よりも優れた能力の持ち主が、どんどん出世していった。
出世するには、実力が認められなければならない。どの企業でも、頭が良くて、行動力があり、人間関係づくりに長けた、 生き馬の目を抜くような人間が重宝された。
個人よりも会社の利益が優先され、そのためには「人の道」についてなど考えもしない。 あらゆる競争に打ち勝つことが自身の幸せにつながると信じ、生きてきた。
平気で嘘をつき、守るべきことを守ろうとしない。そんな人間が、世渡り上手に出世していった。そういった倫理や道徳、 モラルの欠落した人たちが、政界や財界のトップに上り詰め、悪いことをするのでしょう。

成人式や卒業式の風景を見ると、今の子ども達たち、大人の悪い面をそのまんま真似て、 社会のひんしゅくを買っているようにしか見えない。

2005年03月11日

天職にめぐりあう

■趣味の言葉遊び
言葉遊び。今日は酒を飲む席で、日本語の発音に近い韓国語を並べてみます。
”乾杯!”は「こんべ~!」。韓国人は酒豪が多い。韓国の酒場で 「こんべ~!」とグラスを持ちあげたら、イッキ飲みを意味する。

ビールは漢字で”麦酒”と書くが、「めくちゅ」と発音する。
生ビールは、”生麦酒”「せんめくちゅ」と読みます。
ワインは「わいん」、ウイスキーは「うぃすき」、ブランディーは「ぶれんで」、
焼酎は「そじゅ」、水割りは「みじゅわり」で通じます。

日本酒は、”正宗”という漢字を韓国読みにして、「ちょんじょん」と言います。
よく似た言いまわしで、「ちょんちょんに…」と韓国語で言うと、
”ゆっくりやりましょう”の意味になる。”ちょんちょんにやろうよ…”って、
日本語で言っても、何となく通じるじゃない…。

「あんじゅちゅせよ」
”つまみ”は韓国語で 「あんじゅ」と言います。「ちゅせよ」は”ちょうだい”
酒場で「あんじゅちゅせよ」と言えば、何か出てきます。
覚え方は、”あんじゅさん、おつまみちゅせよ(ちょうだい)”



【吉村外喜雄のなんだかんだ 第70号】
~幸せな人生を歩むために~
「天職にめぐりあう(2)」

(株)芝寿しの梶谷忠司会長。神戸で知る人ぞ知る、(株)甲南チケットの小林宏至社長、 何れも二十数回いろんな職業を体験した後、梶谷会長は四十五歳、小林氏は五十歳になって今の仕事にめぐり合い、 天職を手にした。

今やっている仕事が、たとえ徹夜の連続であってもいっこうに苦にならず、好きな仕事であれば、それは”天職”。

日創研のSA講師 坂東弘康氏は、講演の中で松下幸之助の創業時の逸話を、以下のように語っている。

松下幸之助は”経営の神様”と言われている。その経営の神様も、 創業時に売り出した二股ソケットが売れなくて弱気になり、他の職業に転業しようかと、 思い悩んだときがある。

幸之助は無類の甘党。今の商売をあきらめて、お汁粉屋でもやろうかと、本気で考えたという。 それを聞いた気丈な奥さん、「あんた、なに言うてるの…。そんな弱気でどないするの、しっかりしなさい」 と、思い止まらせたという。
もし、奥さんが「そうね、そうしましょうか…」と言っていたら、 お汁粉甘味のお店で全国展開していたかもしれない。


昨年、京都の研修で、(株)ダン 越智正直社長の成功体験を聴いた。
越智社長は中卒で、丁稚奉公上がりの経営者である。専門店「靴下屋」を全国にFC展開している。 講演の中で印象に残ったのは、
「お前(自分)の心の中の念い、その念が形になったものが”商品となりサービス”となって現れてくるんや。 その程度の念いやから、この程度の商品、この程度のサービスしか出けへんのや!」と、事あるごとに自問したという。

神渡良平著「下座に生きる」の中にも、越智社長のことがくわしく書かれている。
その一部を抜粋して紹介します。

「わしは靴下のこと以外は何も知らん!」と、靴下一筋にのめり込んで、 寝ても覚めてもただ一筋に靴下に命を捧げてきた越智社長。靴下のことなら何でも知っている、 靴下馬鹿のような人である。

資本もなければ学歴もない。何もなかったが、ただどこよりも素晴らしい靴下を作りたいという念いが、 今日のダンを作り上げるに至った。そして、他では真似の出来ないものを作っていった。

商売のしがけの頃はないない尽くし。弱気になってあきらめようとする自分を叱ったものだが、 「隣の花は赤そうだ」と迷ったり、「この仕事は本当に自分に向いているのだろうか?」 と腰砕けになることなく、一途にお客様が喜ぶ靴下の改良に賭けてきた。 いつしか正宗の名刀の光を放つ自分になっていた。

人がある職業を選ぶのは、めぐり合わせだ。めぐり合わせには、 天の深い配慮がある。それを拒否することなく、そこで花を咲かせようと頑張るとき、どんな菜切り包丁も、 正宗の名刀に変わっていくのではないだろうか。

2005年03月15日

才あって徳なき…

トム・クルーズ主演の「ラスト・サムライ」は、日本人の魂「武士道」を追求した映画。
この映画の構想を練ったエドワード・ズウィック監督は、「七人の侍」の影響を受け、新渡戸稲造の「武士道」をすり切れるほど読み、 侍の心を知ったという。

今から百数十年前、日本人の支配階級の象徴である武士。
自らを律し、正義をモットーとし、利欲に走らず、ひとたび約束した以上は、
命懸けで約束を守り、不正や名誉のためには、死(切腹)をもってあがなった。

この本を読んだ西欧人はいずれも、東洋の端にある小さな島国日本に、
これほど厳しく、気高い精神を持った民族が存在しているとは…。
そのことに驚嘆し、尊敬の念を持ったのです。

私たちの先祖が、志も高く、凛として正しく生きてきたことを思うと、今に生きる
私たちの姿はどうでしょうか。利欲を追い求め、不正を恥とも思わず、約束を
平気で破り、事が発覚すれば言い逃れする。同じ日本人に生まれながら、
あまりにも恥ずかしい。

【心と体の健康情報 - 185】
~幸せな人生を歩むために~
「才あって徳なき…」

日本放送の乗っ取り騒動に続いて、西部王国の崩壊がマスコミを騒がせている。 「社員は頭を使わなくていい。黙って指示に従っていればいい…」
堤義明氏のワンマンぶりが浮かび上がってくる。どんなに偉大で、世間的評価の高い人物でも、 弱点や欠点があることを教えている。
私のような下々の凡人も含め、今の50~60代の世代というのは…、中でも政財界のトップにいて、 日本をリードする人たちには「徳」のない人が多いようです。

3/11の朝、突然飛び込んできた国会議員の強制わいせつ事件には驚いた。
更に今朝の新聞。東京MKタクシーの青木社長(41/息子さん?)、酒に酔って駅員を殴り逮捕、会社に辞表提出。 埼玉県警の警部(51)、女性部下のお尻をさわって依願退職。酒の上での失敗を取り上げたニュースが二件も載っていた。

”酒で身を滅ぼす”情けないニュースが立て続け。いずれも、社会的責任のある指導的立場の人たちばかり。40、 50になって、酒の飲み方から教えていかなければならないとは、何ともなさけない。

3/6読売新聞「政思万考・才あって徳なき世界」は、今回のニュースにぴったり。以下、その一部を抜粋しました。

自民党の武部幹事長が駆け出しの頃、先輩議員から「おい武部、政策論議は上下なしだ。 しかし酒席には序列があることを忘れるな!」と教えられたという。
また小泉首相は、
「酒席は人生道場。人間を磨く場所。人は人によって磨かれる。人の話を聞き、酒を飲みながら、話しながら、磨かれる。 この両方が大事だ」と語っている。

直木賞作家の”山口瞳”氏は、1981年1月15日、サントリーが成人を祝って読売新聞に広告を出した中に、 以下の文章を載せている。

「君、人間は少しぐらい”品行”は悪くてもよいが、”品性”はよくなければならないよ」。僕は、 酒を飲むときのエチケットの要諦は、これに尽きると思っている。
酒を飲むのは”修行”であり、酒場は”品性”を向上させるための”道場”であり、”戦場”である。酒では失敗ばかり…、 だから僕は真剣に酒を飲む。
若者諸君! 酒だけを考えてみても、この人生大変なんだ…。

山口瞳氏は、1976年「中央公論」で、逮捕された田中角栄元首相のことを、
「才あって徳なき人物」と論じた。 そして、当時の政財界を風靡して…

「法に触れないかぎりの金儲けは決して悪いことではない。よしんばそれが法に触れるものであっても、 おとがめに遭わなければ悪いことにはならない。さらに、それが法律によって罰せられても、なんら恥ずるところはない。 なぜならば、それは事業を守るためなのだから…。家族を守るためなのだから…」

陽明学の創始者”王陽明”の研究では第一人者の”井上新甫”氏は、
「リーダーは”徳”を身につけよう。”事上磨錬”すなわち、人生いたるところ
修行の場だ」
と説いている。以下、その著書「王陽明と儒教」(致知出版社)の中の文章。

「才」なく「知」なくも、「徳」や「情」があれば、人生間違いはない。
”徳”が根幹、”才”は枝葉である。才より徳のまされるを「君子」といい、
才徳共に兼備していることを「聖人」といい、才徳兼亡を「愚人」という。

「才あって徳なき」人たちが力をもった今の時代。そろそろピリオドを打たなければならない。 政界や経済界を見ていると、有り余る才だけで人生をまっとうするのは難しい。
”才徳兼備の聖人”は望めないにしても、せめて”徳のまされる君子”に一歩でも近づければと思う。

今回のセクハラ事件のように、たった一瞬・一度の間違いで、人生を棒に振ってしまうのは何とも切ない。 このような取り返しのつかない失敗をしないために、「徳」を積んでいかなければならない。
とは言っても、人生「徳」を身につけていくのは易しいことではない。学校教育の場で、倫理・道徳を教えるのも大事でしょう。 しかし、子どものしつけは家庭の中で決まる。まだ物心つかない幼少のころに、やっていいことと、悪いことのケジメを、 しっかり付けさせなければならない。

2005年03月18日

金沢にも震度7の地震がくる?

ことば遊び。韓国語で数を数えてみましょう。
●韓国語で1~10は
いる(一)、い~(二)、さむ(三)、さ~(四)、お~(五)、ゆく(六)、ちる(七)、
ぱる(八)、く~(九)、しぶ(十)

●11~20は
しぶいる(11)、 しび(12)、 しぶさむ(13)、 しぶさ(14)、 しぼ(15)、
しむゆく(16)、 しぶちる(17)、 しっぱる(18)、 しぷく(19)、 いしぶ(20)

●それ以上は
100は「ぺく」、200は「い~ぺく」、300は「さむぺく」…
1000は「ちょん」、2000は「い~ちょん」…
万「まん」、 十万「しむまん」、 百万「ぺんまん」、 一千万「ちょんまん」、
一億「いろく」

●1~10を、日本語の当て字にして覚えるといい。
1=家に「居る」、2=二月「い~」ね、3=三月まだ「寒(さむ)」
4=「さ~」春だ、5=「王」、6=「行(ゆ)く」、7=「散る」、8=引っ「張る」
9=「九」、10=「しぷ」柿
「い~」と言うと、中国語では「1」。韓国では「2」になるので間違えないように。

【吉村外喜雄のなんだかんだ 第71号】  
「金沢にも震度7の地震がくる?」

この一月、阪神大震災から十年目を迎え、テレビでも特集が組まれた。
ところで、過去石川県に大きな地震災害をもたらしたのはいつごろでしょうか?
あまり定かではない。
「石川県は地震がない土地」と思っている人も多いのでは…。
金沢にマグニチュード7.2程度の直下型地震が起きる確率は、今後三十年の間に最大5% 。百年の間では20%になるという調査結果が、 全国の活断層の危険度を調査している、政府の調査委員会から報告されている。

金沢の北部森本から、金沢の中心部を通って、南部の富樫へ抜ける、全長26キロの断層で、 平成二年に調査をした全国の活断層17ケ所のうち、地震発生の恐れが、全国三番目に高いという。
新潟中越地方(地震発生十日前に、確率2%以下と発表された)より、金沢の方がはるかに危険度が高い数値。 いつ地震に見舞われてもおかしくないのです。

石川県の推定では、もし直下型地震が起きたら、断層東側(山手側)が2メートル隆起し (神戸より大きな段差のズレが発生するという)、金沢市を中心に、死者2,200人、 家屋全壊一万七千棟の被害が予測されるという。

私の兄のマンションは、神戸六甲口を少し上がった高台にあって、被害はなかった。1キロ下の住宅が密集した、 断層のある国道沿いの町並みは壊滅した。
断層は金沢の中心部を横断している。古い家屋が多く、屋根瓦が重い上、夏は
蒸し暑い土地柄、広い縁側のある家が多い。その上、冬場は雪が積る。
他の地域より、崩壊の危険度が非常に高いことが予測されるのです。

金沢市役所に、市民に住宅耐震化への関心を高めてもらための「住宅改修相談所」があることをご存知でしょうか? 昨年の四月から、金沢市は、耐震基準が強化された1981年(S56年)以前の木造住宅の、 耐震診断と改修工事の費用を助成する制度を新設している。中越地震の後、急に相談に来る市民が増えたという。

全国有数の豪雪地帯中越。雪の重みに耐える”雪国仕様”の住宅が多い。地震の際、耐震性を発揮したが、 それでも四千数百棟の住宅が全壊ないし半壊した。その倒壊家屋の多くが、1981年以前に建てられたものだという。

「中越だったから、あの程度で済んだ。もし、金沢だったらと思うと恐ろしい…」と、市の担当者がポツリと漏らす。 金沢は古都。木造家屋132,000棟のうち、1981年以前のものが92,400棟と、全戸数の七割も占めている。

なのに、市民の危機意識は薄い。1981年以前に建てられた住宅は、耐震構造上最も大切な”基礎”が弱い上、 かなめに金属が使われていない。だから、補強する費用もバカにならない。石川県に大きな地震が来ないという保証はない。
万一に備え、本気で自宅の安チェックをしておく必要があるようです。

中日新聞と読売新聞の記事より

2005年03月22日

困ったことが起きても悩まない

先週の土曜日、妻とオーケストラ・アンサンブル定期公演を鑑賞した。
お目当ては「ブラームスの交響曲第1番」。
ベートーベン以外の曲では、トボルザークの「新世界」と並んで好きな曲だ。

ブラームスがベートーベンの「第9運命」に出会ったのは22歳の時。
この不滅の第九に並び称される作品を作りたいと、それから21年間思索を繰り返し、43歳の時に完成した名曲なのです。 その調性はどことなく「運命」に似て、「タタタ・タン」と、波が寄せては返すような鮮明なリズムが曲の流れをリードする。映画 「オペラ座の怪人」のような重厚な旋律に乗って…。

もう一つのプログラム「ブルッフのブァイオリン協奏曲」は、ニューヨークから来たヴァイオリン奏者、アン・アキコ・ マイヤーズのダイナミックな演奏に魅了。
50人のオーケストラを従え、左指と右手の絃が奏でる旋律は、「すごい!」の一語につきる。すごく見ごたえがあった。
この金沢の地で、世界一流のバイオリン奏者の演奏を堪能できるとは、幸せ…。
鳴り止まぬ拍手。カーテンコールが七度も八度も続く…。感動の二時間だった。

【心と体の健康情報-186】
~幸せな人生を歩むために~
「困ったことが起きても悩まない」

10年連続全国高額納税者に名を連ねている、”斉藤一人”氏の講演から…。何事も、 ものは考えよう…、「なるほど…」と、納得できる考え方です。

日々暮らしていく中で、いろんな悩みを抱え込んでしまう。しかし、私には「困ったことが起きて” 悩む”」ということがない。「困ったことが起こらない」のです。
日々暮らしていれば、様々な問題が生じてくる。目の前に現われる問題は必ず解決できることなのです。 神様は、解決できない問題を出したりはしない。
だから、目の前の問題を一つ解決すると、”一段”階段を登ったことになる。

しばらくすると、また問題が出てくる。それをクリヤーすると、また一段階段を登ったことになる。 そうやって、クリヤーする問題の数だけ、登っていく階段の数だけ、世の中が見えてくるようになる。 それだけ多くの幸せを手にするようになる。
一般に人は、問題を”悩み”として受け止めてしまう。私には、 問題の階段を一歩一歩上がっていくだけのことと思っている。階段があるから、一歩上に上がる。 それを繰り返しているに過ぎないのです。だから「困った」と思うことがないし、 問題が悩みになることもない。

例えば「今月は赤字で、お金がない」。そんな時は、お金を使わないようにすればいい。 あるいは、お金を稼ぐようにすればいい。それで問題は解決する。
思うようにお金が稼げなければ、今までの倍働くのも方法だろう。そうやって行動を起し、目の前の問題を一つ、また一つと、 出来ることからクリヤーしていけば、悩みなど発生しないことになる。

181号「過去は変えられる」で、斉藤一人氏のモノの見方・考え方を紹介しましたが、自分で解決できなければ、 それは悩みになります。
やれば簡単に解決出来ることでも、やる前に「出来ない」と決め付けていないだろうか。決め付けてしまえば、何もしない。 何もしなければ、階段を登ることができない。問題は解決せず、悩みを抱え込んでしまうことになる。

2005年03月25日

地震保険ってどんなもの

先週日曜日の朝、福岡県沖でマグニチュー7の地震が発生した。九州北部の地震発生確率はわずか0,4%(金沢は5%)。 過去百年のデーターでも、全国で最も地震の少ない地域。「まったく想定外の地域で起きた」と、専門家も驚いている。
振り返れば、神戸震災も、新潟中越地震も、まったく無警戒の地域。日本列島、地震の活動期。どこで地震が起きてもおかしくない。

神戸と同規模の激震が100万都市を襲ったにもかかわらず、家屋の倒壊が少なく、死傷者も少なかったのは、 福岡県が硬い地盤に覆われていたことと、直下型を免れたからだという。
阪神大震災の犠牲者の八割は建物の倒壊が原因。もし同規模の地震が金沢を襲ったら、ただでは済まないだろう。金沢の北部は地盤が軟弱。 山手は地すべり地帯。
道路も狭く、耐震性に弱い古い木造家屋が七割以上。

2000年には鳥取、そして新潟、福岡…。次々地震に見舞われた。裏日本で残る空白地域は…? 災害は忘れた頃にやってくる。 普段からイザというときに備え、用心するに越したことはない。

【吉村外喜雄のなんだかんだ 第72号】  
「地震保険ってどんなもの?」

忘れた頃にやってくる災害。皆さん、地震保険に入っているでしょうか? 
全所帯比加入率は16%くらい。地震のない石川県は、10%にも満たないでしょう。
地震で怖いのは、神戸のような火災が起きて、次々と家が燃えてしまう被害。
地震が原因で起きた火災については、通常掛けている火災保険は下りません。
別途、地震保険に入っていないと補償されないのです。
しかも、地震保険は、通常の火災保険に加入している人しか入れないのです。

加入できる額は、建物五千万円、家財一千万円まで。更に、別途普通に掛けている火災保険の30~50% の範囲内と決められています。つまり、建物に二千万円の火災保険を掛けていたら、 地震保険には1千万円までしか加入できないのです。
地震保険の保険料は、過去五百年のデーターをもとに、一等地から四等地まで四段階に分かれています。
一等地…北海道、福島、島根、岡山、広島、山口、香川、福岡、佐賀、鹿児島、
       沖縄
二等地…東北各県、茨城、栃木、群馬、新潟、 富山、石川、山梨、鳥取、長崎、
       四国三県、九州各県
三等地…埼玉、千葉、長野、福井、滋賀、岐阜、愛知、三重、奈良、京都、大阪
       和歌山、兵庫
四等地…東京、神奈川、静岡

保険料は、四等地が1番高く、一等地が1番安くなります。四等地の木造家屋に一千万円の補償を付けた場合、 年間保険料は35,500円。一等地の岡山ならば、同じ条件で、三分の一の12,000円で済みます。

福岡や新潟のように、一等地だから、二等地だからと安心していたら大間違い。
日本で地震の心配がない土地などどこにもないのです。石川県は過去、比較的地震が少ないということで、 割安に査定されているだけです。

尚、昭和56年6月以降に建てられたものであれば、更に10%安くなります。
そして、耐震強化の基準を満たしていれば、10~30%割引されます。
地震保険の加入者が少ないのは、保険料率が高いことと、肝心の地震がいつ来るかわからないからでしょう。だからと、 やめた途端に地震が来たら、これは悔しいでは済まされません。安心を買うために入り続けるしかないのです。

ほうじん10月号「暮らしのレーダー」より

2005年03月29日

過去は変えられる(3)

三月上旬、プロジェクトX「ツッパリ生徒と泣き虫先生」の再放送を見た。当時京都で最も荒れていた学校。その伏見工ラグビー部を、 高校日本一の名門校にまで育て上げていく、熱血先生のドラマ。

初戦、名門花園高校に”112対0”で負けたときに流した屈辱の涙。その悔しさをバネに猛練習。一年後再度の花園戦。必死に戦い、 終盤同点から奇跡のトライ、雪辱を果たした。その時流した感動の涙は、出場選手一生の宝になった。

それが引き金となって、その後二度の全国制覇をなし遂げ、全国に名が知れるようになった。
ツッパリ生徒に、体当たりでぶつかっていく山口良治先生の魂の声が、見ている私たちの心までゆさぶる。知らず知らず、 感動の涙がこみ上げてくる。

【心と体の健康情報 - 187】
~幸せな人生を歩むために~
「過去は変えられる(3)」

私の会社は、雇用関係で結ばれた社員はわずかしかいない。代理店契約を取り交わし、 フルコミッションで働く人たちで構成されている。そういった人たちを動機づけて成功へと導くのが、 会社のスタッフの仕事です。

動機づけは面談から始まる。将来なりたい姿を明確にさせ、自らその目標にチャレンジし、 成果を手にしたときの姿を想像させる。努力が実って、目標が達成された時、その時湧き出る「喜びの涙」 がいかに素晴らしいかを…。

「悲しみの涙」を経験しないものはない。しかし、「喜びの涙」を人前で流したことのある人は意外と少ない。 いまだかって成し得たことのない目標に必死にチャレンジし、成果を掴み取ったとき、心の底から湧き出る”喜びと感動の涙”。
人生、これほど幸福で素晴らしいものはない。

私が所属する経営者の集まりで、「幸せプランニング3KM」という名の研修が、先月から始まった。
「3K」とは、個人のK、家庭のK、会社のKの三つを総称した言葉です。研修の目的は「個人の成功」「家庭の幸福」 「職場での貢献」、それぞれにスポットを当て、将来自分がなりたい姿・ 夢を明確な目標にして、日々その実現に向け最善をつくすという、大変意味のある研修です。

「3KM」を知ったのは、二十年くらい前。土屋ホームの創業社長”土屋公三”氏が、 自社の社員教育で絶大な効果のあった、この人材育成手法を、中小企業の成長発展に寄与すべく、コンサルタント会社を設立。 石川県へ啓蒙講演に来られたのがきっかけです。

まず夢を念い描きます。そして、その夢を実現するための目標を明確にします。
一年後、三年後、十年後、そして晩年までの自らのあるべき姿を書き出し、人生を設計します。「いつまでに、何を、 どうするのか」。そして、その目標を達成するため、きちんと計画を立て、その実現に向け、 日々努力していこうというものです。

以下、日創研SA講師”坂東弘康”氏の講演、「松下幸之助に学ぶ成功への情熱」からの抜粋です。

ある時、松下幸之助は「経営にもいろんな規模があるんや~」と言われた。
私はそれを聞いて、直感的に松下電器のような大企業もあれば、従業員数名の零細企業もある。 そんな企業の大小のことを言うのかな~と思った。

「最小単位の一番小さな経営とは何かいな?」と、松下幸之助は尋ねる。「皆さん何やと思います?  これはね、”一個人の、自分の人生の経営” のことなんや…。ところで皆さん、 どないな夢描いてまっか?」

かけがえのない人生、やり直しのきかない人生。この人生、 どんな夢を描いて生きてきただろうか? その夢を実現するため、努力しただろうか?
例えば「三年後の何月何日までに、具体的に何をどうしたいのか?」
きっちり紙に書いて、目標設定して行動しているだろうか? 「……」
そこで、それを明確な目標に書き出して実行する。それが「3KM」なのです。

目標のない人に計画などない。計画がなければ、今日一日無為無策、日々無駄に暮らすことになる…。 目の前の与えられたことを無難にやり過ごすだけの人生になってしまうだろう。果たしてそれで幸せな人生といえるだろうか…。

坂東氏は続けて…

経営者の皆さんは、会社を経営することばかり考えているようですが、その前に、 自分の人生の経営を考えなければなりません。自らの生き様が必ず会社経営に影響します。「家族の経営」 も大事です。「子育て経営」もおろそかに出来ません。

おうちの中で、お父さんやお母さんは、子供たちに夢を語って聞かせているでしょうか?  家庭内に問題を抱えていて、会社経営がうまくいくはずがありません。
「経営」と言うから難しく考えるのであって、夢を念い描いて、その夢を実現するため、 きちっと計画を立てて、そしてやり続ける。そのことを「経営」と言うのです。

「一個人の経営」も、「子育て経営」も、「会社経営」も、「国家経営」も同じことです。どれが上で、 どれが下というものではなく、みんな大事なのです。

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