« 学校の制服、相当異質な存在? | メイン | 会議のあり方 »

家族文化の崩壊

12/5読売新聞に、「父親像」に関する全国調査が載った。若い父親に対して
「しつけができない」「尊敬もされていない」など、"頼りない父親"のイメージが浮き
彫りになった。
理想的な父親像としては、「必要なときに、子供をきちんとしかれる」が、74%を
占めた。
戦後教育の柱は「子供の自主性を重んじる」であった。だが、家庭や学校で様々な
問題が噴出する中、「友達親子」では駄目で、父親に厳しさを求めようとする考え
方が多くなってきている。"地殻変動"が起きているのです。

調査では、今の子供たちがおかしくなっているのは、"父親に原因がある"との
見方が多数意見…。
一方、若い女性は、学校教育の影響で「男女に区別はない」と、家庭内で厳しくす
るのは夫婦どちらでもいいと思っている。優しいだけの夫であっても、それで良い
と思っている。

【心と体の健康情報 - 224】
~子育て心理学~
「家族文化の崩壊」

私達の親の世代に家庭内で厳然と守られてきた「家族文化」 。いま親となってい
る私達は、そういった過去培われてきた「家族文化」をきれいさっぱり忘れ去り、
放棄し、過去のものにしてしまっている。「家族文化」が消滅してしまったのです。
そのことが何を意味するのか、気づかないままに…。

子供の頃の我が家にも、家長(父親)を中心とした「家族文化」があった。
今の私の家庭にはないものです。
(1)家族の中での父親は、家族を養い家族を守り、家長として絶対的権威でもっ
   て子供たちに恐れられた。
   (当時の男性は、国に命を捧げる覚悟があり、近寄りがたい威厳があった)
  普段無口で何も言わない父親。が、ここぞという時の一言には、家族全員従わ
  ざるを得ない、き然としたものがあった。

(2)母は、子供たちが父親を敬い、父親を尊敬するよう振舞い、教育した。
  朝・昼・晩、決められた時間に、家族全員揃って食事をするのが我が家のしき
  たり。
  全員食卓についても、父親が箸をつけるまで、誰も箸を取ることは許されなかっ
  た。ご飯は父親からよそい、子供たちを先に食べさせることははしなかった。
  父親のごはん茶碗は一回り大きく、お頭の付いたお魚は、
  父親の前に置かれた。
(3)父親が子供を叱ったとき、母は子供を目の前でかばようなうことはなかった。
  後になって、子供に叱られたわけを言ってきかせ、お父さんに謝るよう諭すの
  が、母の役目だった。
  子供が母親に背いたとき、「お父さんに言いつけるからね」とか、「お父さん
  が許してくれたらね!」とか、家庭内における父親の存在は大きかった。
(4)嘘をついたり、言いつけを守らないと、夕ご飯を食べさせてもらえなかった。
(5)子供たちには何らかの家事の分担があり、責任を負わされた。
(6)「起きた時、寝る時の挨拶」「脱いだ衣類は必ず畳む」などは母親…。
  
戦後の食べるのがやっとの中、私自身、しつけらしい躾をされた記憶がない。
しかし、家族全員に対しては、あるいは、家族が揃った食事どきなどは、
「いただきます・ご馳走さまの挨拶励行」「贅沢を慎むこと」「一粒のご飯でも粗末
にしないこと」など、やかましく言われたものです。

厳しい父親と、優しい母。身を粉にして働く両親の後姿を見て育った。現在の私
の生き方、モノの見方考え方は、両親から受け継いだもの。今は昔と時代が違
う。今さら父親の権威を回復させたいと思っているわけではない。

我が子を育てていく上で、父親にしか出来ない大切な役割があることに、気づ
かなければならない。仕事にかまけて、我が子のしつけを母親まかせにしていて
は、子どもを一人前に育てることはできません。

読売新聞の調査で、子供の頃父親が「雷おやじ」だったという人は、全体で39
%。特に40代以上の男性では、半数を超えている。
また、「父親が雷おやじ」と答えた人の92%が、「父親を尊敬している」だった。

「家族文化」が復活して初めて、新たな「地域文化」が芽生え、昔のような住みよ
い社会が、よみがえってくるのではないでしょうか。
各家庭から出る排水がきれいになれば、地域社会という川の水が澄み、近隣愛
に満ちた、美しい社会が戻ってくるように思うのです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.noevir-hk.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/746

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

ひとつ前の投稿は「学校の制服、相当異質な存在?」です。

次の投稿は「会議のあり方」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36