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意味を問うことの大切さ(2)

大関に昇進した琴欧州、今後の活躍が楽しみである。
幕の内19場所という最短距離で大関に昇進した。番付を駆け上がるのに何よ
り重要なのは、「逆境にくじけず、それを自らの力に変える意思の強さ」だという。
琴欧州にはそれがあった。「横綱」を目指すというひたむきな心と、固い意志が、
成長を支えた。
師匠の琴桜も、戦後の貧しさの中から這い上がって横綱になった。日本人力士の
不甲斐なさが目立つが、今の豊かな日本の暮しの中で育った若者と、何とか貧し
さから脱出しようと、日本にやってきた琴欧州などの外国人力士とは、スタート地
点での精神的心構えが全く違うのです。           11/29 中日新聞

琴欧州は、レスリング欧州選手権で個人優勝した。ところが、体重制限オーバー
で、オリンピック出場資格を失った。その挫折が相撲の世界へと導き、日本に行
く決断をさせた。「万事塞翁が馬…」である。

【心と体の健康情報  - 225】
~子育て心理学~
「意味を問うことの大切さ/宗教的教育」

今の日本は、家庭でも学校でも、「宗教的な物語」が語られることがなくなった。
戦前の国家神道への反省から、戦後の日本は厳密な政経分離策を取り、結果と
して、公立校での「宗教教育」はタブー視されてきた。
先進国で政経分離をとるのは、フランス・米国など少数で、とりわけ日本のそれ
は、「無神論に偏った政経分離」となっている。

この十年の統計を見ても、少年のかかわった凶悪事件が、著しい増加を見せて
いる。そこで問題になるのが、そういった事件を引き起こす社会構造、社会の
病理を追求しようとする動き。そして、このような非社会的犯罪を犯す人間は、
精神医学的に「異常」と断定できない、ごく普通の人間に近いということです。

私達人間の心には、「善と悪」が共存している。素晴らしい可能性を秘めている
と同時に、親鸞が語ったように、時に"縁と環境"が整えば、残虐な犯罪を犯す
存在でもあるのです。
子供のころを振り返ってみると、悪へ傾斜しかかったとき、歯止めをかけるもの
があった。それは、もの心つくかつかない頃に語って聞かされた「宗教的物語」
であることは間違いない。                   読売新聞「論壇」より
                                      
私の祖母が子供の頃に語ってくれた、「仏様が見ている」「誰も見ていなくても、
お天道さまが見ている」「悪いことをすると、閻魔様に舌を抜かれる」「悪いこと
をした人間は地獄へ落ちて、針の山や血の海を歩かされる」といったことが、
その後の人生で、悪への傾斜を食い止める歯止めになっている。

思えば、かなりきわどい悪さをしながら、一歩踏みとどまれたのは、心の底で、
何かわからない「畏(おそ)れ」を感じていたからではないでしょうか…

犯罪を犯した少年には、「生命の重み」がわかっていないのでは…。
「善いことと悪いこと」のけじめがつけられないのでは…。
事件が起きるたびに言われる言葉。今の子供たち、悪への傾斜を食い止める、
心の歯止めになるものが、何もないのでしょう…。
学校で「命を大切にしましょう」、「悪いことをしてはいけません」と教えられても、
それだけでは単なるお題目にしか過ぎず、真の意味が理解されないでしょう…。

私の世代を、戦後教育の洗礼を受けて育った一次世代とするなら、私達に育て
られた子供たちは二次世代。そして今、その二次世代が親となり、子育てを始
めている。
戦後教育の影響から、親から子へと受け継がれる「家族文化」が薄れていく。
それが子育ての貧困を招き、社会の秩序、公徳心を軽ろんじる風潮が、世代を
追うごとに加速している。

乱れていく社会の秩序を取り戻すために、学校教育の場で、あるいは家庭に
おいて、昔、私たちがおばあちゃんから聞かされたような、"宗教的見地"から、
「善と悪」「人としての道」など、子供たちに「物語」 を通して、語って聞かさなけ
ればならない時が来ているようです。

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