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回転寿司から魚が消える

■東洋一の都市「上海」

来月の会社行事に、上海旅行が企画されている。4年前、初めて観光した時の印象が、 今も強烈に残っている。 当時まだ工事中だったリニアモーターカーが、空港から上海までの30キロを7分で結び、世界一、 アジア一を誇る施設が、 あちこちに建造されている。

歴史文化の都市上海の人口は1800万人。東洋一の大都会である。
古い街並みと、超近代的ビル群、古い文化と、新しい文化が混在した上海に、また新しい名所が誕生する。

森ビルが、日本企業の出資を仰ぎ、地上101階、高さ492メートルのオフイスビルを計画しているのです。

展望台の高さは世界一。最高級のホテルが入り、上海にビジネス・文化・エンターテイメントの一大拠点が誕生する。 天空に伸びるその姿は、上海の新しいシンボルになるでしょう。

【吉村外喜雄のなんだかんだ - 153】
~食と健康~
「回転寿司から魚が消える?」

北京市の中心街にある"元禄回転寿司"は、テニスコートが4面も入る中国最大の広さ。よく食べに行くという大学生、 「寿司は大好き、中華と違って油が少なくて健康にいい…」と言う。この回転寿司チェーンは、北京市に16店、全国に60店を数える。

中国のお魚料理といえば、ソウギョや鯉などの淡水魚が中心。国民の所得水準の高まりとともに、より価格の高い海水魚が、 食卓に乗るようになった。
台湾でもマグロの人気は高く、家庭で食するようになった。5年前まで、台湾で獲れたマグロの8割は、日本に輸出していた。 今は9割を台湾国内で消費する。

魚を食べる習慣のなかったヨーロッパ諸国でも、若者を中心に海水魚ブームに火がついた。BSE問題や、鳥インフルエンザの発生で、 魚志向が強まってきたのです。ロンドン市内の回転寿司は30店舗を数え、ニューヨークやモスクワでも、寿司は、 レストランの人気メニューになっている。

つい最近、ロシアのスパイだった、元連邦保安局中佐が、ロンドンで殺された。
その日、彼が歩いた足跡をたどると、寿司バーで人に会った時、放射性物質を被爆したと、捜査当局が発表。ロンドンの寿司バーが、 世界の注目を浴びることになった。
世界でとれるマグロの約4/1を日本人が食べている。ところが、世界的日本食・魚食ブームのあおりで、 日本国内の水産物価格は上昇の一途。
マグロは前年比47%高、カツオに至っては、72%も高くなっている。

ここへ来て、海外での魚介類の調達が思うようにいかなくなってきている。
日本の企業がマグロ、サケ、タラなどを買い付けようとしても、外国勢より低い価格しか提示できず、輸入できない「買い負け」のケースが、 急増しているのです。
数年前までは、日本企業の独断場だった買い付け。今は年末年始の必要量を確保するのも難しい。 日本が世界中の魚を思い通りに買えた時代は、終わりを告げようとしていて、マスコミは「将来食卓からマグロが消える」と、騒いでいる。

追い打ちをかけるように、"黒マグロ"の漁獲制限が段階的に実施されることになった。現在3万2千トンの漁獲量が、 2010年には20%減の、2万5千5百トンに減らされるのです。

11/28読売新聞

肉・野菜・果物・穀物・魚、ありとあらゆる食材を世界中から買い求め、日本人の胃袋を満たしてきた。そんなむさぼり尽くすような、 大量消費の食文化から、自然の恵みを大切に守り・育てる食文化へ、転換する時期が来ているのです。

庶民の魚、サバもイワシもシシャモも、高級魚の仲間入り…。食卓が寂しくなった。マグロの"トロ"も、間もなく、 庶民の手には届かなくなるだろう。
今の内に回転寿司で、お腹いっぱいトロをほお張ることにしよう…

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