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若く見える人、見えない人

■老夫婦、食事での会話。
夫 「あっ! ズボンの上にこぼしちゃった…」
妻 「駄目じゃない、ちゃんとハンカチを膝の上に乗せておかなきゃ!」
夫 「このハンカチ、年を取るにつれて上がって、首元に挟むことになるよなぁ~」
妻 「そうよ、最後は顔の上にのせておしまいヨ!…」
夫 「……」
脳梗塞を患うと、ご飯をぼろぼろこぼすようになる。ところが当の本人は、そのことに気づかない。
年をとると、いずれはなんらかの病を患い、床に伏せ、人様の世話になって死んでいかねばならない。 2025年には、3軒に一軒が、 65歳以上の夫婦二人、或いは一人住まいになるという。

まだ先のことと、考えたくはないが…実のところ、誰の世話になって、どのような場所で安心して死んでいけるのか? 妻?息子?娘?、 自宅で?施設で?病院で…?


【心と体の健康情報 - 274】
~幸せな人生を歩むために~
「若く見える人、見えない人」

二ヶ月前、中学卒業後初めて、50年ぶりの同窓会に出席した。初めてということで、幹事から紹介され、一人ひとりお酌して歩いた。 一番端の席に、足が悪いのでしょう、低い椅子に腰掛けて、一段高いところで食事をしている人がいた。
そこで私は大失態をした。年恰好から、"先生"が同席されていると勘違いして、ご挨拶に行ったのです。「吉村と申します。 卒業以来50年ぶり、先ほどから先生を拝顔し、先生のお名前が思い出せません」と言ったら、「バカ、私も同級生だよ…」

二週間後、記念写真が送られてきた。Yさんは若い頃から童顔、50代半ばにしか見えない…10歳は若い。後列のMさんは、 苦労したのでしょう? 
70半ばに見える。シワやシミが多く、尋ねたら、病気をしたという…。

50を過ぎると、白髪が目立ち、頭が禿げ上がってくる。若く見える人、老けて見える人、私たちの年齢になると、 前後20歳くらい齢が開いて見えてくる。
まだ若いつもりでも、写真は正直。
写真に写る己の姿は、何ともむさくるしく爺むさい…写真を直視することができない。

若く見える人は、大概仕事を持っている。そして、忙しそうに飛び回っている。
現役バリバリ、心にハリをもって働くことが、若々しさを演出するのでしょう。

私が三十歳の頃、「しいのみ学園」が話題になったことがある。映画にもなった。
遥か昔のことと思っていたら、昨年4月、30数年ぶりに、何と101歳になられた曻地三郎園長が、講演に現れたのです。 まるでタイムスリップ…。100歳を過ぎた今もなお、現役バリバリなのです。

二時間立ったままマイクなしで講演。しかも自らあみ出した"棒体操"を約十分間、私達を立たせての実技指導。101歳なのに、 棒を片足立ちで、組んだ両手の中をくぐらすのです。身体は柔らかく大変お元気。とても101歳の老人には見えません。

ご自身は医学博士ですが、他にもいくつか博士号を取得。語学も堪能で英語やドイツ語が得意。更に、ロシアで論文を発表するため、 ロシア語をマスター。
63歳から韓国語を勉強し、5年で自由に話せるようになり、95歳から中国語を覚え始め、話せるようになったという。

90歳を過ぎて韓国に"しいのみ学園"をつくり、95歳の時、民間の身障者施設が未成熟の中国に渡り、"しいのみ学園"を開園。 今後20箇所は増やしたいという。
講演2ヶ月後、アメリカ、ヨーロッパ、南アジアの大学に招かれて、世界一周講演旅行に旅立たれた。そして、 今年も引き続き講演旅行に出かけていった。
102歳になられた現役園長…曻地氏には、余生というものがないのでしょう…。
一世紀を生き抜いて、なお盛んなのです。

また、京都で論語を教えていただいている"伊與田 覺"先生は、今年91歳。
来年も引き続き教壇に立たれるという。毎回3時間近くの講義。ご高齢の老人には見えない、ハイレベルの格調高い講義をされます。

来年、団塊の世代が60歳の定年を迎え、働き場を失う。長年培った経験や能力、まだまだ生かせるのに、もういらないとお払い箱。 国や社会にとって、大きな損失でしょう…。

■曻地三郎(しょうちさぶろう)氏
小学校、女学校、師範学校の教員を経て、現在、福岡教育大学名誉教授。
S29年我が子が小児麻痺の身障者になったが、障害者を受け入れる学校がなく、独力で「しいのみ学園」を設立、 障害者の教育指導に当たる。
医学・文学・哲学・教育学博士。新万葉歌人。そのほか、韓国大邱大学教授・大学院長。中国長春大学名誉教授。著書130冊。

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