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輸入大国日本。食べるものがなくなる?

■「食料自給率」が低下する一方の日本

農家の高齢化・後継者不足から、農業の危機が叫ばれて十年以上になる。
日本の食料自給率が40%を切ったというのに、危機意識がまったくない。
仮に、外国からの食料輸入が途絶えたら、一億総飢餓に追い込まれるだろう。

ところが、イソップ物語の「蟻とキリギリス」のように、食糧難の時代が訪れるかもしれないのに、美食・飽食に慣れ、 食べ物を粗末にしていても、何とも思わない…。
このまま農家の高齢化が進むと、「人手に頼らざるを得ない山村僻地…十年後には耕作する者もなく、村は荒れ果ててしまう」と、 専門家は警告する。
今後更に農家の担い手が減って、食料自給率は低下していくだろう。

将来の食料危機に備え、「家庭菜園」を始めようかと思っている。
本当は、そんな大げさなことではなく、鍬を持って土をいじり、身体を動かし、足腰を鍛えて、運動不足を補おう…というのが目的。



【吉村外喜雄のなんだかんだ - 183】
「輸入大国の日本。食べるものがなくなる…?」

去年から今年にかけて、穀物や水産物を輸出する国は、あれこれ条件を付けて、自国へ利益誘導する動きが目立ってきた。そして、 日本に無理な条件を押しつけてくる。
万が一、穀物の輸入が滞るようだと、餓死者が出ている北朝鮮のように、憂慮すべき状態に陥る…。

以下、最近のニュース報道から…

■6月11日、EUでは、ヨーロッパウナギの稚魚の漁獲量を、2013年までに60%減少
 させると発表。稚魚は中国に輸出され、養殖されてかば焼きに加工され、日本に輸出
 される。
 世界の50%を消費する日本。
 いずれれカニのように、庶民の食卓から消えていくだろう…。

■トウモロコシの市場価格が1.5倍になったと、牛を飼育する酪農家が嘆いている。
 今、注目のバイオガソリン、エタノールの原料用にまわされるため…。
 トウモロコシが原料のキューピーマヨネーズも、この6月、17年ぶりに値上した。

■日本に"割り箸"を輸出する中国。
 森林資源保護を理由に、突然輸出制限を通告してきた。
 日本が一年に消費する割り箸はおよそ250億膳。97%が中国からの輸入…。

■昨年11月、"黒マグロ"を段階的に漁獲制限することが決まった。
 現在3万2千 トンの漁獲量、2010年には20%減の、2万5千5百トンに減らされる。
 世界の日本食・魚食ブームのあおりで、日本国内の水産物価格は上昇の一途。
 マグロは前年比47%高、カツオに至っては、72%も値上がりした。

■ロシア政府はこの七月から、日本向けの針葉樹丸太の輸出関税を、現行の6.5%から
 20%に引き上げ、来年4月に25%、09年1月には80%にすると発表。
 実質的輸出禁止措置を取ろうとしている。

 背景には、中国・インドの木材需要の急増、環境保護のため、東南アジアでの天然木の
 伐採制限などがある。
 丸太の市場価格は急上昇。県産材に切り替えるハウスメーカーや、代替品で生産能力を
 維持しようとする建材メーカーなど、各社対応に追われている。
 コスト上昇分を製品価格に転嫁せざるを得ず、木造住宅の坪単価への影響は避けられ
 ない。

6/3 北国新聞

 「限りある資源の保全」を大義名分に、輸出国は原料を素材のまま輸出することを止め、
 製品に加工して付加価値を高め、外貨を獲得しようとする。

■5月末、"生きた蟹の輸出を禁止"すると、突然ロシア政府が日本へ通告してきたのも
 そう…。
 十年ほど前カナダが、水揚げしたタラをそのまま、日本へ洋上で売り渡すことを禁止した
 措置と同じ。
 "たらこ"に高い付加価値があるからです。

現在、世界で広範囲に漁獲量制限が実施されている。クジラ、ニシン、サケ、エビなどの水産資源が、 危険な水準に落ち込んだというのが、その理由。
巨大な人口を抱える、中国やインドの生活水準が向上していくのに伴い、世界の穀物の需給バランスに"黄色"信号が灯り始めている。

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