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江戸小噺・弘法大師さま

"なんだかんだ"とメルマガを配信して丸5年、今日は区切りの500回!
引き続き10年、1000回(1000本安打達成を目指す心境)を目指します。

■ことば遊び「言葉の語源」
 言葉の語源の意味を知るのは楽しいものです。

 

まずは、「くだらない」 の語源。
お酒は昔から灘。上方が本場とされてきた。
江戸へは、東海道を下って運ばれてくる。
そこで、上方の酒を「下り酒」と呼んだ。

それに対して関東の酒は、原料の米、水質ともに悪いせいか、
上方へ下ることがなかった。
そこから「くだらない」が生まれた。
「価値がない」「つまらない」の意味の言葉を「くだらない」と言うようになった。
 
面白いのは、「ごまかす」 の語源です。
語源には諸説があるようですが、「胡麻菓子(ごまかし)」説が面白い。
見かけはゴマがついて、いかにも美味しそうだが、実は焼いてふくらませただけの、
まずい菓子のことを「胡麻菓子」と言ったことから、「だます」ことを「ごまかす」と言う
ようになった。


 


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 190】
~ことば遊び~ 「江戸小噺・弘法大師さま」

暑さも彼岸までとはよく申したもので、9月に入り、朝晩少しずつ、しのぎやすくなってまいりました。
今日はお彼岸にちなんで、坊さんの小話を一つ。
お坊さんの代表といえば、なんたって弘法大師様でございましょう。
この方は単に偉いお坊さんというだけでなく、文学にも博物学にも、天文学にも医学にも、経営学にも通じていたという。
今で言えば正にスーパーエリートだったのでこざいます。

それだけに弘法大師伝説は、日本全国いたるところに残っております。
弘法様が独鈷(とっこ)で地面を突いたら、たちまち温泉が湧き出したとか、門付けをしていた大師様に、喜捨(きしゃ) を惜しんで小石を芋と偽ったら、畑の芋まですべて石ころになっちゃったとか。

♪汚い身なりの坊さんが、門口に立って読経を始めましてな…。
その家(や)の子どもが出てきて、「乞食坊主!あっちへ行け!」とののしる。
母親慌てて、
「これ、何ということをお言いだい!こんなナリをなさってはいるが、もしかしたら弘法大師様かもしれないよ」
坊さん、俄かに修(おさ)まって、
「むむむ…、隠そう隠そうと思いしに、ついに露見をいたせしか…」
と見得を切れば、奥から出てきた親父、
「つがもねぇ、こいつはそこの橋の下に住む、本物の乞食坊主よ」
坊さん頭を掻いて、
「ほい、また露見したわい」

さてこちらは、本物の弘法大師様が、無礼を働いた男を懲らしめるために、馬にしてしまったというお話でございます。
そのまま立ち去ろうとする大師様の衣の袖を掴んで、男の女房が必死に詫びを入れましたですよ…。
「お大師様、どうぞお許し下さいまし!この後は、見知らぬ他人にも必ず親切に致させます故、お情けでございます! 何卒元の人間の姿にお戻し下さいまし!」

 

馬にされちゃった亭主も、目に涙を浮かべ、たてがみを上下に振って、詫びている様子…。
さすがに気の毒に思ったのか、一つうなずいた大師様。
手にした錫杖(しゃくじょう)で馬の頭を指しますと、たちまち元の男の首に戻りました。
続いて肩、胸、腹、両手と戻した大師様が、錫杖を今まさに股間に向けようとしたその瞬間、女房思わず、「あっ!そこだけはそのままに…」

提供「風亭弥次郎」

■弘法大師(774~835)

真言宗の開祖"空海"の別名。弘法大師という名は、醍醐天皇がつけた。
18歳の時、京都の大学で儒学を学ぶ。20歳で出家。
31歳の時、遣唐使の一員として入唐。その時、空海伝説が生まれる。

一行はものすごい暴風雨に遭って、目的地の揚子江とは遠く離れた福建省に漂着。
言葉が通じず困っていたところ、空海が一筆書いた。
検問の役人は、その書と文章に感動して、通行許可証を下ろしたという。

空海は、清龍寺の恵果和尚の下で真言密教の奥義を受け、2年後に帰国。
帰国後、京都高野山金剛峰寺に入り、ここで真言宗の開祖となり、東寺を開く。
中国留学時書を習い、日本に持ち帰った。
書道家として能筆で、三筆の一人に数えられ、多くの書家に影響を与えた。

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