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歌は世につれ人生とともに

■「人生は塗りばしのようなもんや…」

NHK朝のテレビ小説「ちりとてちん」。
福井県若狭の塗りばし職人の娘が、落語家を目指して巻き起こす、笑いあり、涙ありの物語。
以下は、今は亡きお爺ちゃんが、孫娘"喜代美"に託した思い…

「若狭塗りばしは、卵の殻や、貝殻や、松葉やら…
そういうもんで色を付けて、上から何度も何度も漆を塗り重ねて、研ぎだす。
そうしたら、みごとな模様の 塗りばしになる」

「人生は塗りばしのようなもんや…一生懸命生きてさえおったら、悩んだことも、落ち込んだことも、きれいな模様になって出てくる。
だからお前は、なりたいもんになれ…」



【吉村外喜雄のなんだかんだ - 204】
「歌は世につれ人生とともに」

第一生命のサラリーマン川柳に、「こりゃ誰だ この歌なんだ 大みそか」というのがある。
紅白歌合戦を見ながら、「世の中、わけの分らない歌ばっかりになっちまったよなァ~」と、つぶやくお父さんが多いのではないでしょうか… 。
平成になって19年、老若男女が愛唱する、国民的演歌が見当らない。
一つだけ、昨年のNHK紅白歌合戦で歌われた、「千の風になって」が、そうだろう。
演歌は人生の愛唱歌である。戦後六十数年、豊かで平和な世の中になり、みんなが心から愛唱し、口ずさむ… そんな演歌を作曲する人がいなくなった。

そんな中、文部科学省の検定に合格して、来春から使用される、高校と中学の教科書の音楽の教材に、 初めて演歌が登場することになった。
北島三郎の「まつり」と、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」です。
そこで、私たちが口づさみ、親しんできた…その時代を表す、心にしみる歌…
国民的愛唱歌を世に送り出してきた、作曲家を並べてみました。

古賀政男 1903~1990】
 日本人すべてに親しまれ、愛唱された"古賀メロディー"
 「酒は涙か溜息か」「丘を越えて」「影を慕いて」「二人は若い」「東京ラブソディ」
 「男の純情」「うちの女房にゃ髭がある」「人生の並木道」「人生劇場」「新妻鏡」
 「誰か故郷を想わざる」「湯の町エレジー」「無法末の一生」「柔」「悲しい酒」
 「ゲイシャワルツ」「りんどう峠」など…あまり多くて選びきれません。

服部良一 1907~1993】
 終戦直後の何もない苦しい世の中に、元気と希望を与えてくれた…
 「東京ブギウギ」「銀座カンカン娘」「青い山脈」「蘇州夜曲」「湖畔の宿」
 「山寺の和尚さん」「別れのブルース」

猪俣公章 1938~1993】
 日大芸術学部に在学中から、バンドマンとして活躍。
 古賀正夫に師事して作曲を学ぶ。
 森進一のデビュー作、大ヒットした「女のためいき」で、桧舞台に踊り出る。
 「女のブルース」「君こそ我が命」「港町ブルース」「空港」「千曲川」「祝い酒」
 「おふくろさん」「冬の旅」「大坂ラプソディー」など…

吉田 正 1921~1998】
 ソ連シベリアに抑留され、昭和23年夏、舞鶴港復員。厳しい抑留体験から、
 「生きていることは素晴らしい。私の歌づくりは、ここに始まり、ここに終わる…」と、
 その後の作曲人生で、国民に愛唱された歌曲は数限りない。

 「異国の丘」でデビュー。
 「誰よりも君を愛す」と「いつでも夢を」がレコード大賞に。
 「同期の桜」「街のサンドイッチマン」「花の三渡笠」「弁天小僧」「赤と黒のブルース」
 「有楽町で逢いましょう」「おまえに」「東京ナイト・クラブ」

市川昭介 1933~2006】
 「さよなら海峡」「皆の衆」「連絡船恋歌」「恋吹雪」「伊豆の雨」「大坂しぐれ」
 「渡り鳥仁義」「夫婦坂」「さざんかの宿」「細雪」「浮草くらし」「東京めぐり愛」
 「ふたりの大坂」…何れも、居酒屋でよく歌われた…。

船村 徹 1932~ 】
 「王将」「柿木坂の家」「兄弟船」「東京だよおっ母さん」「別れの一本杉」
 「なみだ船」「矢切の渡し」「哀愁波止場」「みだれ髪」「女の港」「おんなの出船」
 「風雪ながれ旅」

遠藤 実 1932~ 】
 乞食同然の少年期を過ごし、17歳の時、貧乏から脱出したいと、上京。
 プロ歌手を夢見て、流しの演歌師に…。
 幼少の頃に見たお月さんを懐かしみ、「お月さん今晩わ」でデビュー。
 貧しくて行けなかった高校生活を思い、「高校三年生」を作曲。
 世に送り出した楽曲は、五千曲に及ぶ。

 「星影のワルツ」「せんせい」「くちなしの花」「北国の春」「すきま風」「新宿そだち」
 「ついて来るかい」「他人船」「水割り」「夢追い酒」「昭和流れうた」「みちづれ」など、
 私の青春期の思い出を彩る歌ばかり…

その他、昭和50年代、60年代と…口ずさみ愛唱した演歌の数々…。
[平尾昌晃] 「うそ」「グッドバイ・マイ・ラブ」「瀬戸の花嫁」「二人でお酒を」
[中村八大] 「黒い花びら」「おさななじみ」
[曽根幸明] 「圭子の夢は夜ひらく」は、少年院の中で作ったという伝説がある
[山本直純]  寅さんの「男はつらいよ」
[小椋 桂]  「シクラメンのかほり」「夢芝居」「流氷の街」「愛燦燦」「夢追い人」
[森繁久弥] 「知床旅情」
[谷村新司] 「群青」「サライ」「昴」「いい日旅立ち」

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