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孔子の教え(17)

ゴルフにはもう一つ、"己の心"との戦いがある

数日前の全米オープン。タイガーウッズがプレーオフを征して、メジャー通算14度目の優勝を果した。15日、 そして16日の最終ラウンド…何度もやってくるピンチをしのぎ、神がかりとも思えるウッズの底力に、釘付けになった。

今日こそ良いスコアを出したい…ゴルフをしていて、いつも裏切られている私。
プレーの後、「あのOBがなかったら…」「後1センチ…カップインしていたのに」スコアカードを見て、悔しがる。
ゴルフプレーには、良いスコアを出すことの他にもう一つ、自分自身との戦いがある…
「マナー」と「ルール」を守ることです。サッカーのように、イエローカードで反則を宣告されることはありません。

ボールがデュポットに入った…数センチ、ちょっとずらせば…心の中で悪魔がささやく。誰も見ていないと思っても、 誰かが見ているものです。
築き上げた人格…これっぽっちのことで信頼を失い、器の小さな人間に見られてしまう…。<ゴルフ格言>
いかなる局面に遭遇しようとも、己が有利になる方に振舞ってはならない。
 試練こそゴルフの本質と知れ。マナーはゴルフに限らず、人の基本道なり



【心と体の健康情報 - 577】
~古典から学ぶ~
孔子の教え(17)「論語・大事に際して人の真価がわかる」

「子曰く 歳寒くして しかる後に松柏のしぼむに 後(おく) るるを知る」
                                     (子かん第九)

「孔子が言われました。寒い季節になってはじめて、松や柏だけが
 枯れしぼまずに、残っていることがわかる」

「人は、大きな危難に遭遇してはじめて、その真価がわかる」という意味です。
小人と言われるつまらぬ人も、君子と言われる立派な人も、平和な世の中では、違いなど分かりません。だが、ひとたび事が起きると、 小人は、利害をはかって巧みに動こうとするが、君子は、道を外れることがない…。

アメリカの片田舎に、フィリップという男の子がいました。素直で気立てのよい子でした。家は大変貧乏で、 隣の家から借りたお金が返せません。
そこで、大切にしていためんどり6羽を、返済の代わりに引き取ってもらいました。
その日からフィリップは、大好きな卵が食べられなくなりました。

その翌日のことです。隣に譲っためんどりが、古巣に戻ってきて、卵を4コ生み戻っていきました。それを見たフイリップは大喜び。 夜、ゆで卵にしてもらおうと、そっと、台所に運び込みました。
しかし、フィリップはもう8歳。「この卵は隣の鶏が生んだのだから、隣に返さなくては…」と、卵を隣に返しに行きました。

隣のおじさんは、「おお、それは、それは有難う。して、お父さんの言いつけかね」
「いいえ、お父さんもお母さんも仕事に行っていていません。
 でも、帰ってきたらきっと、この卵を返して来いと言うに決まっています。
 だから、その前に僕が届けにきました」
「そうかね、よく持ってきてくれた。感心な子だ」と、フィリップの頭をなでて、誉めた。
夕方おじさんは、その卵とめんどり2羽を抱いて、フイリップの家を訪ね、正直なフイリップへのごほうびとして、差出しました。

普段、みんないい人に見えても、何か事があった時、勇者か臆病者か、善人か悪人か…明らかになってくる。大金を拾ったとき、 人はこっそりそのまま、自分のものにしたいという誘惑にかられる。心のしっかりした人は、その誘惑に負けることなく、 警察に届けるでしょう。
どんな困難、悲しみ、迷いに出会っても、判断を誤らないためには、日頃の心がけが大事になってきます。 その心の支えになるのが"論語"です。

(論語の友145号)

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