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親孝行

■この不景気…中村天風師なら何と言うか?

天風先生がいま生きておられたら、目をカッと見開いて、こうおっしゃるでしょう…
「売れない…お客が来ない…だからどうだというのか!どうしろというのか!
不景気なときに、不景気だと言ったら、景気はよくなるか!?」

人の世のために役立つ「事業」をするというのなら、まず人の世のために役立つ「自己の確立」が第一である。
人の「幸福」を願うなら、まず自分が幸福でなければならない。
自分が幸福であるかないかは、人生に対する自分の思想が「積極的」か、「消極的」か…人生をどう生き、どう考えるか…でわかる。

清水榮一著「心の力」より

※中村天風(明9~昭43) 華族に生まれながら、軍事探偵として満州へ…。
死の病を治したいと、欧米・インドを放浪。その間、コロンビア大学医学博士、日本人初のヨガ直伝者となる。帰国後、銀行の頭取、 製粉会社重役となるも、大正8年一切を投げ打ち、大道説法者に…。皇族・政財界の重鎮をして"生涯の師"と言わしめ、 天風門人となる者後を絶たず…。


【心と体の健康情報 - 654】
~幸せな人生を歩むために~ 「親孝行」

先月のお彼岸…お墓参りに行き、先祖の墓石をピカピカに磨いてきた。
そして先週末…兄弟集まって、母の17回忌、父の33回忌の法要を行った。
墓参りをして気になるのは、参り手のない放置された墓があること…。
先祖の墓を守り継ぐ者が途絶えたのでしょうか…少子化の影響でしょうか…。

親族が亡くなった後の法要は、初七日に始まり、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌と、近親者を招いて供養する。 一般的に、三十三回忌をもって供養の最終年忌とし、五十回忌の供養は、おめでたい祝い事になる。(浄土真宗)

日本人は、長い歴史「親孝行」を"人の道"と考え、大切に受継いできた。
そして、世界一長寿国と言われる国を作ってきた。江戸時代から明治・大正・昭和と、親孝行の大切さを子ども達に教え、 "孝"が如何に大切かを今に伝えてきたのです。
それが戦後の民主教育の中で、失われてしまった。私たちは、誰からも親孝行の大切さを教わらなかった…当然、子ども達にも、 親孝行の大切さを教えていない。
今は「親孝行をせよ!」という言葉が、どこからも聴かれない社会になったのです。

日本人の平均寿命は80歳を越えています。
猿やライオンなど、動物の世界では、年老いて餌が捕れなくなると、群れから離れ、
死んでいった。ライオンやシマウマの社会に、親孝行はない…走れなくなったライオンは飢えて死に、走れなくなったシマウマは、 他の動物の餌食になった。

ところが人間は、年老いて1人で生きていけなくなっても、20年や30年は生きられる。
それは人間の社会だけが、自然界の生存の法則にはない""という行為をするからです。
1人で食べていけなくなった年寄りを、周りの人たちが助ける…。
"孝"によって、体力・気力の低下した年寄りでも、長く生きることが出来るのです。
この"孝"…「仁」や「義」のように、本能として、生まれながらに備わっているものではない…教育によって育まれるものです。

「論語の友」

ここで問題なのは、今の社会、老いた老人を世話し、支えているのは、家族ではないということです。育ててもらった恩もどこえやら、 実の親を、当たり前のように養護老人ホームに入れ、人任せにしてしまう…。

年寄りを、家庭で介護できる環境にないのが大方の理由だが、厄介払いでもするように、一切を他人まかせにして、 見舞いに行こうともしない…そんな家族がいるのも事実です…介護放棄である。「親孝行」の意識が希薄になっているのでしょう。

私は三男ですが、父親の会社を継いだことから、結婚後両親と同居。
父が…そして母が…老いて病に臥し、旅立っていく時、妻には苦労をかけたが、付きっきりで看病した。
何れは老いて人様のやっかいになり、死んでいく。その時、誰に死に水を取ってもらうつもりか?…我が子の顔が浮かんでくるだろうか?… 「いずれ養護施設にでも入るから、心配しなくていい…」と、当たり前のように子ども達に言うが、本心だろうか?
本当にそれでいいのだろうか? 病院で寝たきりの年寄りが、「孫の顔が見たい…家に帰りたい…家で死にたい」と訴える…。
年寄りが「長生きして良かった」と、本心から思える社会にするには、家族みんなが"考"を考える社会にしていかなければ、老後の幸せは、 おぼつかないでしょう…。

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