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孔子の教え(22)「論語から学ぶゴルフ道」

■ゴルフの始まりは…

青木 功「おれのゴルフ」

スコットランドの羊飼いが、暇に飽かせて杖で小石を打ち、ウサギの穴に入れて遊んだのが、ゴルフ発祥の有力な説と言われている。

「この石を、あの穴へ先に入れた方が勝ち…負けた方がおごることにしよう」なんて言ってやっていたのだろう… 回数を重ねるうちに、 負けないためにあれこれ工夫をするようになった。
「よく転がる石」を探してきたり、「硬い杖」を使ってみたり…道具をあれこれ工夫したことだろう…今もそうだから…。

もし、その時代に生まれていても、その遊びにのめり込んでいたと思うよ…。
始まりが何であれ、これほど道具(クラブやボール)に執着し、改良し、進化してきたスポーツは、他にないだろう。
コースは自然を生かして、自然を楽しむ。雨や風も自然。それに逆らっていては、ゴルフにならないのである。


【心と体の健康情報 - 660】
古典から学ぶ~ 孔子の教え(22)
「論語から学ぶゴルフ道」

私がよく行くゴルフ練習場…トイレをするとき、顔のまん前に張ってある言葉…「他のスポーツと違って、 ゴルフは審判の立会いなしに行われる。
又、ゴルフは、プレィヤー1人ひとりが、他のプレィヤーに対しても心配りをし、ゴルフの規則を守ってプレーするという、 その"誠実さ"に頼っている…(略)」

「子曰く 徳は弧ならず 必ず隣あり」(里仁第四)
「先師が言われた。徳のある者は決して孤立することなく、必ず思わぬところに、これを知る者が現れるものだ」

どんなにゴルフが上手くても、品性・品格に欠けた人物には、真の仲間は出来ない。ゴルフの上手さに魅せられて人が集まるだろうが、 人間としての魅力が薄いと、直ぐに離れていってしまう…。

これからパッティングしようとする同伴者がいるのに、目もくれず自分のラインの観察に余念のない、自分本位な人… ゴルフの精神をご存じない人とお見受ける。
緊急の時、自分だけ助かろうと、必死にもがくタイプでしょうか…。
(これ、どうやら私のことを言っているようです…反省)

また、ティマークぎりぎりにボールを置く御人…グリーン上でもボールぎりぎり、 1ミリでもカップに寄せてマークをして有利に企ろうとする…性格に余裕がなく、品性は"さもしい"の一語に尽きる。

こうしたスコア至上主義者は、他人の目を盗んで、素早くライの改善をやるだろう…そのセコい性格から…生涯、 真の友人が出来ないタイプといえよう…。1ホール終わるまでに、人柄のすべてが露呈される…それがゴルフなのです。

夏坂健著「ゴルフを以って人を観ん」から

「子 怪・力・乱・ 神 を語らず」(述而第七)
「先師は、弟子たちには、妖怪変化とか、腕力ざたとか、乱倫なこととか、神秘なこととかは、話されなかった」

ゴルフをプレーしていて、一か八かに賭ける「怪」、実力以上に力む「力」、秩序を乱す「乱」、邪神の心「神」がある… 何れも禁物である。
林の狭い木立の中から、一か八かグリーンを狙って、キンコンカン…そんな無謀なゴルフは、早晩サヨナラしなければならない… 3回に2回は失敗していることを忘れて、たまたま運良くクリーンヒットになったことが忘れられない…

スコアアップしたいと、何か特別なことをしようとするから、良くないことが起こるのです。たとえ曲げても、 その後は又フェアウェイのセンターに落とし、グリーン中央を狙えばいい…
"繰り返し出来ることをやり通す"
それが出来る人が上手な人で、それが出来ない人は下手な人です。

「子曰く 知者は惑わず 仁者は憂えず 勇者は恐れず」(子かん第九)

「先師が言われた。物事の道理をわきまえた知の人は、どんな問題に直面しても、判断を失しておろおろすることはありません。 人の道に外れない仁の人は、私欲を捨てて天理のまま生きようとするので、心に悩みがない。強い信念と決断力を持った勇の人は、 どんな状況に立っても、びくびく恐れることがない」

自然の大地を舞台にしてボールを追うゴルフ。思わぬハプニングに見舞われることを承知でプレーしなければならない。 不運を嘆いていては、良いプレーにはならない。どんな不利な状況に見舞われようと、それを「在りのまま」に受け入れることです。
「知・仁・勇」…これらをバランスよく備えた人こそ、真のゴルフファーなのです。

杉山通敬著「中部銀次郎・ゴルフの流儀」より

 

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