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2009年11月 アーカイブ

2009年11月05日

夜回り先生「世界は広い」

■「自己コントロール力」
 
人間の行動は、”本能と理性”によってコントロールされています。
ところが、把握しているはずの自分という人間が、往々にして制御不能に陥って
しまうことがあります。
頭では理解していても、 実際には思うように実行できないのです
 
たとえば、”明るく、前向きに生きよう”と思っていても、 気持ちが沈んだままの、どうしようもない時があります。
あるいは、反省したにもかかわらず、 同じような失敗を繰り返してしまうことがあります。
 
こうした場合、「意志が弱い」とか「優柔不断だ」などと、 自分の性格や弱い部分を責めてしまいがちです。
それは、日常生活の乱れや習慣に起因していることが、 少なくありません。
ダラダラとした暮らし方をしていると、心のスイッチも、 体のキレも鈍くなってしまいます。
起床時間の見直しや、部屋の清掃など、小さなことでも気付いたことから生活環境を整えて、 心身ともに張りのある状態を維持できるよう、生活習慣を改めていくことです。
                                   倫理研究所「職場の教養」
 
 
711 【心と体の健康情報】
~幸せな人生~ 「夜回り先生・世界は広い」
 
以下は、”夜回り先生”で知られる”水谷修”先生のコラムからの転載です。
 
この夏私は、素敵な二人の若者に出会いました。お盆の頃、 故郷の山形県南陽市へ、お墓参りに帰省した時のことです。
たわわに実ったブドウ畑に惹かれ、車を止めて眺めていると、 二人の若い男女が、息せき切って畑の奥から駆け下りてきました。
 
私の前に立って、「あっ、やっぱり本物だ…夜回り先生ですね」と、 声をかけてきました。
「ハイ」と答えると、握手攻めです。
私は、彼らと近くの土手に腰かけて、話をしました。
彼らは、本やテレビを通して、私のことを知っていました。
 
二人とも二十歳愛知県出身の幼なじみでした。小学校・ 中学・高校は同じで、彼は東京の大学に進学し、彼女は名古屋の専門学校に進学しました。
彼女は、小学六年の時に両親が離婚…生活は貧しく、 中学ではいじめを受けていました。
彼はいつも彼女の傍にいて、彼女の悩みを聞いて、 何もできない自分にらしていたという。
 
そんな彼が東京の大学へ進学し、地元を離れる時に彼女にプレゼントしたのが、私の本でした。その後二人は、 いつか私に会いたいと思うようになったそうです。
 
今年の春、彼女から「死にたい」と、彼の携帯に何度もメールがあったそうです。
彼は考えた末…勝負に出ました。二人は、学校を一年間休学して、 旅に出たのです。当然親たちは大反対…お金もありません。
 
「5月から、長野から新潟、福島を回って、山形に来ました。
訪れた土地のJAで、人手を必要とする農家を紹介してもらい、 一月あまり住み込みで働かせてもらいながら、旅を続けました」
「いっぱい、いい出逢いがありました。でも何より…彼女がこんなに元気に…」 と彼。二人は泣いていました…私も泣きました。
 
彼女が、小さな声で言いました…「先生、世界は広いですね。
でも、ずっと私は、小さな自分の世界に閉じこもって、 外の世界を見ようともせず、過去と今の自分に縛られ、 苦しんでいました。
でも、こうやって沢山の人と出逢い、体がクタクタになるまで太陽の下で働いていると…自分は生きている…なんて自分は小さなことで悩み、苦しんでいたか… だんだん分かってきたんです」
 
彼女の目は、力強く輝いてしました。私は「ありがとう」と、 一言ことばを返しました。
「悩める子どもたち…野に出よう、クタクタになるまで体を動かし、 汗をかこう…明日のために」

2009年11月09日

「将棋的発想、囲碁的発想」

米百俵の精神
 
中越地震の震源地長岡で、忘れてならない人物に”小林寅三郎”がいます。
平成13年5月、小泉首相の就任所信表明演説で「米百俵の精神」 を引き合いに出し、話題になったのは、ついこの間のことのようです。                                                                                  

頃は明治3年明治維新に際し、新政府側につかず、独自の立場を貫いた長岡藩は、 戊辰戦争で官軍に町を焼かれ、 石高も七万四千石から、二万四千石に削減され、窮状にあえいでいた。                                                                                                         

それを見かねた支藩の三根山藩が、見舞いに届けたのが” 米百俵”
長岡藩の大参事(旧家老)の小林寅三郎は、米を藩士に分けず、百俵を元手に学校を作ることを主張した。 窮状にあえぐ藩士らは猛反発し、 米を寄こせと詰め寄った。                                                   
大激論の末、小林はこう説き伏せた。
「百表の米を分けたところとて、何日ひもじい思いをしのげるだろうか?                                                                      食べてしまえばそれまでで、 いつまでたっても本当に食えるようにはならない。                                                                    この米で学校を建て、 人材を養成するのが迂遠だが、一番の近道だろう。                                                                         今、 百俵の米が、その時には千俵にも万俵にもなるだろう…」と。

後に長岡中学から、山元五十六や小野塚喜平次・東大総長らの逸材を多数輩出した。                                                                                                                                   目先に囚われているようでは、 いつまでたっても世の中は変わらないだろう。                                                                   5年後、 10年後を見据えた政治を行うことが大事なのです。

 
712 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「将棋的発想、囲碁的発想」
 
今年の男子プロゴルフ界…18歳の石川遼と、23歳の新人・ 池田勇太が賞金王を競っている。囲碁の世界では、井山裕太プロがこの10月、 20歳4か月で名人を獲得… 7大タイトルの最年少記録を33年ぶりに塗り替えた。
 
ここ数年、プロスポーツの世界では、男女を問わず20歳前後の若者が、きら星の如くトップの座に躍り出て、脚光を浴びるケースが目立っている。
 
日本の囲碁界は、ここ7~8年ベテラン・中堅の活躍に依存する状態が続き、 最近の国際大会…韓国や中国との対抗試合では、初戦で敗退することが多く、 囲碁愛好者の1人として、はがい思いをしてきた。
 
将棋界では、羽生善治・永世名人や、渡辺明・永世竜王ら、 20歳以下のタイトル獲得者を、相次いで輩出しているだけに、 若手新人の台頭が待たれていたのです。
 
囲碁界に、若者が輩出しなかった理由の一つに、以下のような説がある。
将棋は、相手の王を詰めるという、目標への「一点集中、一点突破力」が求められるが、それが若者に向いている。
 
一方囲碁は、最終的に陣地の多い方が勝つので、 常に盤面全体に目配りをするバラン」が求められ、年配者に向いている…という説です。
もちろん、将棋も囲碁も強くなるためには、 両方の能力が必要なのは言うまでもありません。
さて、この考え方を鳩山政権に当てはめると、マニフェストが 「将棋的発想」 に偏り過ぎているような印象は拭えません。
 
「子ども手当ての創設」「高速道路完全無料化」「ダム建設凍結」など、 国民の受け狙った、 目先の政策実現に対しては、強い意志は感じられるが、日本の将来に目を向けた経済政策や、 国際競争力を高める、研究開発などへの予算配分が見えないのです。
             
過去最大の95兆円に達した2010年度予算… マニフェストを意識した目先の政策に重点配分すだけでは、財政再建も経済成長も望めないでしょう。
国民は、平成維新?をなしとげた新政権が、日本の将来のためにどんなビジョンを掲げ、 国を導こうとしているのか?  期待に胸ふくらませているのです。
 
鳩山政権は”盤面”つまり、経済全体を見渡して、最適な政策の組み合わせを探る、 囲碁的発想”を活用してもらいたいものです。
                      11/2読売新聞「キャッチボール」より

2009年11月12日

和風の暮らしは骨折りしにくい

■骨を丈夫にする献立
・玄米ご飯                 …マグネシウム
・ワカメと豆腐のみそ汁          …カルシウム、マグネシウム、 ビタミンK
・焼きイワシ                …カルシウム、マグネシウム、ビタミンD
・ヒジキの煮物               …カルシウム、マグネシウム、 ビタミンK
・ほうれん草のおひたしシラスあえ…カルシウム、マグネシウム、ビタミンD・K
・カブとキャベツのぬか漬け    …カルシウム、マグネシウム、ビタミンK
 
 
713 【心と体の健康情報】 
~食と健康~
「和風の暮らしは骨折しにくい」
 
高齢になると骨密度が落ちて、骨がもろくなってくる。
加えて筋力が低下して、ちょっとしたつまづきで、 手首や腕の骨を折ることが少なくありません
 
骨を丈夫にするには、食事の内容に気配りがいります。
骨によい食品として、まず頭に浮かぶのが…牛乳。
乳製品を摂る量が、日本人りはるかに多い欧米人と、そうでない日本の高齢者…欧米人よりきゃしゃで、 骨の量が少ないのに、”大たい骨頸部” を骨折れする頻度が欧米人の半分以下にとどまっている…何故なのか? 
 
国立長寿医療研究所が、高齢者を対象にした調査によれば、
その答えは、「和風の暮らしぶりにある」という。
”畳住まい”の、伝統的な日本の生活様式で暮らしてきたは、洋室に住み、 洋風の生活を送っている人より、骨折れが少ないのです。
 
布団の上げ下げや、ぞうきんがけなど、 事あるごとに座った姿勢から立ち上生活… そうした暮らしぶりが筋力を鍛えていく。加えて和食中心の食生活が、 骨を防いでいるのです。
 
和食には、カルシウムが豊富な食材が多い…干しエビやヒジキ、 小松菜など含まれるカルシウムの量は、 牛乳やヨーグルトに引けをとらない。
干しエビとヒジキには、 カルシウムの半分を摂取するのが理想とされるマグネウムが多く含まれる。
サケやサンマ、干しシイタケには”ビタミンD”が多く、カルシウムの吸収を助ける。 納豆やほうれん草、春菊などは、骨の形成を促す”ビタミンK”が豊富に含まれる。
 
閉経後の女性には、大豆製品がお勧め。大豆には、女性ホルモンと似た働きをする” イソプラボン”が含まれていて、加齢による骨量の低下をくい止めてくれる。
女性ホルモンの減少が、骨粗しょう症に密接に関わっているのです。
 
大豆食品を代表する”納豆”…納豆を常食する地域の女性は、 大腿骨頸部骨折が少ないという調査結果が出ている。
骨折予防に欠かせないのが、筋肉を作るための”たんぱく質”
 
いくら骨に良いからといって、偏った食べ方ではダメ。 肉や野菜などを敬遠せずに、好き嫌いせずに、何でもおいしくいただくことです。
                               読売新聞「くらし・学び/健康」

2009年11月17日

韓国を知らない日本人

■「韓国から見た日本と日本人」  
 
韓国と日本は地理的にも近く、文化・歴史いずれも昔から深い関係にあります。
その結果、今の韓国の文化・政治は、日本の影響を強く受けており、侵略されたという反面、 日本によって近代化が進んだことも否めません。
 
韓国人は学校で、日本は自らの利益のために戦争を起こした国として教えられ、日本には良いイメージを持っていません。 日本の教科書には、過去に韓国を統治していた程度の記載しかなく、過去の歴史を子ども達に教えていない。
 
それが韓国では問題になっています。一方、日本製品の品質は良く、最近は日本に旅行したり、留学する韓国人が増えて、 日本人に対するイメージが良くなってきています。しかし、日本に対する過去の悪いイメージから、日本が好きになれず、 日本人が好きになれないのです。
 
日本は原爆投下に、ことさら被害意識を持っていますが、韓国の被害については「過去のこと」とするのは矛盾しています。日本は、 過去の過ちをキチンと謝罪して、今後同じ過ちを犯さないよう子ども達を教育することが、一番必要ではないかと思います。
                           金沢大学大学院米山奨学生/キム・ソップ
 
714 【吉村外喜雄のなんだかんだ】 
~歴史から学ぶ~「韓国を知らない日本人」
 
15日、韓国の観光地釜山の射撃場で火災が発生し、 日本人観光客7人が死亡し、4名が病院に運ばれるという、 痛ましいニュースがお茶の間に飛び込んできた。
 
福岡からは飛行機で一時間たらず、 2万円くらいで海外観光が楽しめるため、韓国は、 気軽に遊びに出かけるスポットとして日本人で溢れている。
 
又、今春日本でベストセラーになった、村上春樹の「1Q84(1・2)」… 韓国で発売されると同時に50万部を突破。ランキング一位になっている。
 
プロ野球界では、ロッテが、昨年の本塁打王、今春のWBC韓国代表の主砲、 金泰均(キム・テギュン)を獲得して、 話題になっている。
 
日本に最も近い国…韓国。両国間には、竹島の領有権、教育・ 従軍慰安婦問題など、歴史認識をめぐって摩擦が絶えず、 両国の国民感情は良好とはいえません。
 
日本人のほとんどは、隣国・韓国や北朝鮮のことを知らない… 全く知らないと言っていい…韓国を知らずして、 韓国とその民族を理解することはできないでしょう。
 
韓国の学生で「徳川家康」を知らない者はいない。
が、家康の200年前に”李朝”が創建し、 以後徳川幕府瓦解後も、500年に及ぶ李朝の礎を築いた”李成桂”(イソング) を知る日本人は皆無でしょう。
 
韓国の学校では、韓国の目線で日本の歴史を教えている…
それが、反日感情をあおる原因の一つになっている。 なのに日本人は、韓国の歴史・民族、国民感情など 韓国のことを何も知らない…知ろうとしないのです。
 
過去何世紀も、韓国の住民は”倭寇” の略奪行為に悩まされてきた。
15世紀末、李朝14代の時代には、秀吉軍の侵略を受け、20世紀に入ると、 1945年に日本が太平洋戦争で敗れるまで、35年間、 日本に併合されていたのです。
 
言語・宗教・ 教育すべて、日本人として同和することを強要され、 民族の自立はめられませんでしそうした過去の歴史に私たち日本人は、関心を示そうとしないのです。
 
戦後、日本文化に汚染されることを恐れた韓国は、映画・音楽・漫画など、 日本の大衆文化の、国内流入を規制してきた。
2005年になってようやく韓国は、アニメなどごく一部を除いて、日本の大衆文化を受け入れ、解放したのです。
 

2009年11月19日

孔子の教え(27)「自らの言行に責任を持て」

■「儒教」と「儒学」、「仏教」と 「朱子学」
 
孔子の教えを拡大発展させて教えにしたものを、「儒教」といいます。
これと似た言葉に「儒学」がある。
「儒教」は、頭から信じる教えとして「孔子の教え」をベースに据えたものです。
「儒学」は、批判・検証すべき学問として「孔子の教え」を据えている。
儒教は”宗教”の色が濃く、儒学は”学問”の要素が強いようです。
 
しかし、孔子の教えには”信心”、つまり「信ずる者は救われる」といった、宗教的側面が感じられません。それが後に中国に「仏教」 が伝来し、宗教の興隆を招くことになった…と学者は指摘する。
仏教は、儒教では解けなかった”人生の難問”をみごとに解明してくれます。
仏教は、南北朝から唐代にかけて大きく興隆していきます。
 
これに対抗して、儒教をよりパワーアップして、仏教に負けない教えにしたのが「朱子学」です。儒教の教えに仏教や老荘思想を加味し、 宗教というより、哲学や科学の色合いが濃いものになっています。
結論として、孔子の教えや儒教は宗教とは言い切れないのです。
 
                                  守屋淳「論語に帰ろう」 より                
 
 
715 【心と体の健康情報】
~古典から学ぶ~  
孔子の教え(27)「自らの言行に責任を持て」
 
子曰く 古者(いにしえ)(ことば)を 之れ出(いだ)さざるは 身のおよばざるを恥ずればなり」                       (里仁第四)
「先師が言われた。昔の人々が、軽々しく口に出さなかったのは、実行がなかなか伴わないことを恥じたからである」
 
人の上に立つ者は、自分の言葉に責任を持たなければなりません。自分の言行責任を持つなら、 出来もしないことをむやみに口しないことです。
 
かって、弁論の雄と称された政治家が、思いがけなく総理大臣に指名された。
その時、論語・顔淵篇の一句である「無信不立」 と書かれた総理の文章をて、 「総理も論語を読まれている」と、頼もしく思ったことがありました。
しばらく後、安岡正篤先生にこのことを話しますと…先生は笑って、「知る者は言ず」と一言おっしゃいました。                                          伊与田 覚著「論語のはなし」より
 
さて、鳩山政権になって最大の問題は、 日本経済の本格回復に向けた成長戦略曖昧のまま、選挙公約のマニフェスト…国民に約束したバラマキ型の政策を、 しゃにむに強行しようとしている点です。
 
公約を守ろうと躍起になる余り、 景気を悪化させることにでもなれば、本末転倒です。来年度当初予算の概算要求には、 子ども手当て2.3兆円、高速道路無料化、公立高校無償化などの大型政策が盛り込まれ、これにガソリン税暫定税率廃止2.5兆円が加わると、95兆円をゆうに超える金額になるのです。
 
日頃仲よくしている経営者に聞くと、どの業種も、 今回のような受注の落ち込みは、過去例がなく、先行きが全く不透明で、 一様に顔色はさえない。
 
鳩山政権は、「コンクリートから人へ」の方針で、公共事業を削り、 福祉など国民への直接給付に政策の重点を移している。
確かに、箱もの行政や公共事業頼みの地域振興は、 見直す時にきているだろう。
 
しかし、不況で疲弊した中小零細企業への配慮を欠けば、 致命的打撃をこうむるになる。そうなれば、 雇用環境は更に悪化し、いくらマニフェストに従って、手当を国民にらまいても、貯蓄に回されたりして、 景気の回復にはつながらないだろう
 
TVに、政府の行政刷新委員会の「仕分け人」が映し出される。
藤田まことの「必殺仕置き人」 がダブって見える。財源を、新たな政策に回すたの削減なら、効果は相殺されるだけだ…。
 
日本の将来を担う研究開発を助成し、産業を育成し、 国民にはエコカの補助を再度予算化した方がいい…マニフェストに固執して、 経済効果の薄施策に、額の予算を浪費してはならないと思う。
                         11/17 読売新聞社説

2009年11月23日

昭和天皇

■教育は家庭から始まる
 
21日夜9時、民放TV「探そうニッポン人の忘れ物~ハッピーバスデー~」を見た。150万部ベストセラーのドラマ化だが、 我が家でも話題になった。
 
サザエさんの漫画や、朝のNHK連続テレビ小説を見ていると、家族揃って食卓を囲み、にぎやかに食事をしている… そこにはお婆ちゃんもいる。
私の子どもの頃は、普通に見られた家族の光景です。今の時代、こんな家庭は珍しいだろう。
 
家族を大切にする…人との触れ合いを大切にする…今は失われた、日本古来の価値観です。
教育の目的には、「良い人間を育てること」「より良い地域社会の一員になること」があります。苦しんでいる人や、 貧しい人に手を差し延べる人間になることです。
 
今の日本の教育は、良い会社に入っていい給料を貰うため、必要に駆られて、良い高校に入り、良い大学を目指す… 勉強したいからではなく、みんな行くから高校や大学に行く…近年の学力の低下は、教育の本質を忘れたところに問題があります。
 
良い人間を育てる躾け教育は、学校ではなく家庭で行われるべきなのに、それも忘れてしまっている。        カトリック大司教/ヨゼフ・ピタウ「教育と信仰」
                           
716 【吉村外喜雄のなんだかんだ】 
~歴史から学ぶ~ 「昭和天皇」
 
昭和天皇は生涯、国民から敬愛の念で尊ばれました。それは、 その謙虚なお姿高貴さにありました。 一言で言えば「至高の徳性」にあります。
昭和天皇は明治34年、大正天皇のご長男として誕生されました。
生まれて僅か三ヶ月の頃、親元を離され、一民間人の” 川村伯爵”の許に預けられ、約2年間、 将来帝王となるべきしつけ教育を受けられました。
 
川村伯爵は薩摩出身の軍人です。しつけは厳しかったという。
その教育方針は、
一.健康な御体に育て、持てる天性を曲げぬこと
ニ.ものに恐れず、人を尊ぶ性格を養うこと
三.困難に耐え、 我がままを言わぬ習慣をつけること
 
その後、学習院の初等科に入られましたが、当時の院長は乃木希典。 乃木大将は、道徳を身にまとった見本のような人。 そのもとで厳しく鍛えられたことが、後の昭和天皇のお人柄を育まれたのです。
 
事例を、幾つか紹介します。
当時の東宮御所から学習院までは、わりと近かったのですが、 将来天皇になられる方ですから、 馬車で送り迎えしていました。それを見た乃木院長、 「雨の日でも晴れた日でも、 必ず歩いて通って下さい」 と、馬車に乗るのを止められたのです。
 
冬になると、当時のことですから、みんなすぐ火鉢にあたろうとしました。 それを見た乃木院長、 「寒いからと火鉢にかじりついていてはいけません。運動場をかけっこされたら、暖かくなります」と言われたという。
 
後になって昭和天皇自ら、「贅沢はいけない。質素にしなければならない」と、 乃木院長に厳しくしつけられたことを、懐かしく語っておられました。
 
学習院小学校卒業後は、東宮御所内の学問所で、 中高一貫教育を受けられました。その七年間の教育の柱は「倫理」と「歴史」。正しい倫理観と、正しい歴史観身につけることが、国の行く末を誤らなくする、 重要な教育課題だったのです。
 
この期間の教育はまことに厳しく、凄いものだったという。
明治天皇と大正天皇が、将来の天皇をお育てするため、 いかに心を用いていたかを物語る話です。
                                          「論語の友」より
 

2009年11月27日

日本人の”品性”のもとは論語

■日本人の”品性”のもとは論語
 
「私は 世界をいろいろ航海してきたが、欧州においてさえ、 日本人のように落ち着いた華麗さと、威厳を持った国民に出会ったことがない」
この、耳がこそばゆくなるような褒め言葉を、自伝に書いたのは誰あろう、
1854年に日本と和親条約を結んだ、ペリー提督でした。
 
当時、日本の政府高官や武士は、おしなべて清貧で、威厳と品性を身につけていた。
その背景に、藩校や寺子屋で「論語」を学ぶ、世界一高い識学率があったのです。
学習院の初等科の院長として、後の昭和天皇をご教育された”乃木希典”は、その象徴といえます。
大河ドラマ「坂の上の雲」が始まる。乃木希典、そして志に燃える明治の若者の群像から、ペリー提督が見た、 明治の日本人の心を感じ取るこどができるだろう…
 
 
717 【心と体の健康情報】 
~古典から学ぶ~  孔子の教え(28)
「日本人の”品性”のもとは論語」
 
君子は義にさとり 小人は利にさとる」(里仁第四)
と論語にあるように、「人の上に立つ者は、利益を追い求めるべきではない」という教えが、 江戸から明治にかけての日本人のモラルとして、定着していた。
 
当時の日本人は、「論語」に描かれる理想の人物像…”徳” を具えた人間像を求めて論語を学んだのです。これが、上記ぺリーが絶賛する日本人の姿になった。
 
当時、お隣の韓国は「賄賂を求め私腹を肥やす」、そんな「韓国病」 に汚染されていた。日本の支配層・ 士階級も、様の権力を手にしながら、 贅沢を慎み、清貧なを旨として、 自らを律してきた…これは、 目すべきことです。                               
 
「偉い人は、報酬が多い少ないを口にすべきではない」との風潮は、 現代の日本人も生いる。それは、日本のトップの社長さんの給与の安さにあります。
 
ゼネラルモータースが経営危機に陥ったが、 CEO最高経営責任者の年俸があまりにも高く…そんな企業に国民の税金をつぎ込むことに、 批判の声が挙がったことは、新しい…。
会社を破綻させた経営者に数十億円、一般社員の数百倍の年俸や、 退職金がわれるアメリカ 日本の社長さんの給与は、せいぜい数千万円…。
 
「仁を問う。曰わく 仁者は難きを先にして 獲ることを後にす 仁というべし」 (雍也第六)  
「仁について尋ねた。先師が答えられた。仁者は、 労苦を先にして、利得を後にする。これが”仁”というものだ」
 
孔子はこうも言っている…
子曰く 利によりて行えば うらみ多し」 (里仁第四) 
「先師が言われた。自分の利益のみを思うて行えば、やがて互いに憎しみあうようになることが多い」
 
以前勤めていた会社に、大卒の頭の切れる若手社員がいた。
ある時、上司が「君、何でもっと真面目に、一所懸命仕事をしないのか?」とた。
社員「給料が安いから…自分が納得する、能力に見合う給料が貰えたら、 頑張りす」
それを聞いた上司、あきれかえってモノが言えないという顔をした…現代っ子で、 ドライなその社員、可哀想に人事異動で、 中国地方の某支店に飛ばされてしまた。
 
「報酬は、仕事の能力を見て上司が決めるもの」 「仕事をする前に報酬を問えばしゅくを買う」… 私たちの年代の報酬に対する考え方は、大方そのようなものです。
「武士は食わねど高楊枝」、そんなタテマエのやせ我慢風潮が日本人ある諸外国から見た日本人は、 異質に見えるのです。

2009年11月30日

サラリーマン川柳

■言葉遊び「笑点」の句題
 
三遊亭円楽師匠が亡くなられた。そこで「笑点」の句題からいくつか…
[わんわん冠句]…句の頭に「ん」を付ける
           「クンクンと  中国産を  嗅いでみる」
 
[着せ替え句]…有名な句の一部を残して、言葉遊びをする
          松尾芭蕉「古池や 蛙飛び込む 水の音」
         ⇒「バンカーを やっと抜けたら 水の音」
           「豆腐屋は もう起きている 水の音」
           「自動車が 来たと振り向く 水の音」(これ、私の作品)  
 
[笠づけ]…頭の5文字をあらかじめ決めて、五七五の句を競い合う
       (例)「あれこれと…」
        ⇒「あれこれと 気付く女房が 鼻につき」
   
[前句づけ]…下の句「七七」をあらかじめ決めて、「五七五」の上の句を考える
       (例)「切りたくもあり 切りたくもなし」
         ⇒「罪人を 捕らえてみれば 我が子なり」
 
[同字サンド]…に同じ漢字が入る
         ⇒「涼みして 祝う七」 (夕)
          「年の恋は もう遠い過」 (去)
          「学者でも 下手な恋」 (文)
 
 
718 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~ことば遊び~ 「サラリーマン川柳」
 
第一生命の「サラ川」の応募が、この4日に締め切られる。
今回の応募作品か100首を選定…来年2月中旬に発表される。 当選した100選の中からさらにスト10候補を、一般投票で3月中旬まで受付け、5中旬に発表される。
 
■昨年の応募総数は、22,245句。投票総数は94,314票と、
 その人気の高さうかがえる。第21回のベスト10は…
 1位  「空気読め! それより部下の 気持ち読め!」
 2位  「今帰る 妻から返信”まだいいよ”」
 3位  「減っていく…ボーナス・年金・髪・愛情」
 
 4位  「円満は 見ざる言わざる 逆らわず」
 5位  「ゴミ出し日 捨てに行かねば 捨てられる」
 6位  「好きですと アドレス間違え 母さんに」
 
 7位  「国民の 年金、損なの 関係ねえ」
 8位  「社長より 現場を良く知る アルバイト」
 9位  「赤字だぞ あんたが辞めれば すぐ黒字」
10位  「いつ買った? 返事はいつも 安かった」
 
■一昨年、第20回の応募総数は、23,179句。
 投票総数は79,631票
 1位  「脳年齢 年金すでに もらえます」
 2位  「このオレに 温かいのは 便座だけ」
 3位  「犬はいい 崖っぷちでも 助けられ」
 
 4位  「アレどこだ? アレをこれする あのアレだ!」
 5位  「ありがとう そのひと言が 潤滑油」
 6位  「忘れぬよう メモした紙を また捜す」
 
 7位  「イナバウアー 一発芸で 腰痛め」
 8位  「ご飯ある? ツクレバアルケド ならいいです…」
 9位  「脳トレを やるなら先に 脂肪トレ」
10位  「たまったなぁ お金じゃなくて 体脂肪」
 
■2006年、第19回の応募総数は、21,774句。
 投票総数は130.745票
 1位  「昼食は 妻がセレブで 俺セルフ」
 2位  「年金は いらない人が 制度決め」
 3位  「ウォームビズ ふところ常に クールビズ」
 
 4位  「二歳だろ トロ ウニ 選ぶな 卵食え」
 5位  「妻の口 マナーモードに 切りかえたい」
 6位  「片付けろ! 言ってた上司 片付いた」
 
 7位  「痩せるツボ 脂肪が邪魔し 探せない」
 8位  「ダイエット 食費以上に 金かけて」
 9位  「買っていい? 聞く時すでに 買ってある」
10位  「散髪代 俺は千円 犬 一万」

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