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禅僧・関 大徹 「体罰の是非」

■生活リズム向上で健康管理
 
家庭や学校でトラブルもないのに、疲れて学校に行けない子供たちが
増えている。
「子供の基本的生活習慣の確立と、生活リズム向上運動」を推進する、
文部科学省は、次のような実験を実施した。
 
登校拒否の子供たちを、「日中は強烈な人工太陽を浴びせ、夕方徐々に
暗くして、夜になると真っ暗にする」という環境の中に置きました。
すると、身体に昼と夜のリズムがつき、三週間ほどで元気を取り戻し、
学校に通えるようになった。
 
東北大学・川島隆太教授は、「人間の脳は、午前中に一番よく働きます。
夜型の人間でも、午前中がピークです。早起きをしている子のほうが、
脳が活発に働いている。故に早寝早起きは非常に重要」と述べている。

昔から「早起きは三文の徳」と言う。日が昇るともに一日が始まる…
太陽に合わせた生活リズムの中で、適切な運動、バランスの取れた食事、
十分な休養・睡眠を取るようにすると、健康な心身か養われるのです。
 
 
 
829 【心と体の健康情報】
~禅僧・関  大徹~ 「体罰の是非」
 
近年、子供を虐待する件数が右肩上がりに増え、社会問題にっている。
以下、人生の書、禅僧・関 大徹の「食えなんだら食うな」から・・
 
40年も前の、大徹が富山・光厳寺を預かっていた頃の話です。
夏だったと思う…子供たちが遊んでいる砂場に、 頭上から雀の子が降ってきた。
 
たぶん、木の枝に巣をつくっていたのが、 なにかのはずみで落ちたのであろう。
数人いた子供たちは、最初驚いた様子で、 まだ飛び立つこともできぬ雀を見守ていたが…そのうちの一人が、こわごわ手を出して、雀の子を拾い上げた。
 
ちょうど四・五間離れた場所に大徹はいた…「事件」を目撃して、 事件そのものよりも、子供たちがそれにどういう反応を示すかに、関心を抱いた。
ここは、お寺の幼稚園である。普段から、小さな命をいたわるように教育してきた。 その教育の成果を試すよい機会だった。
 
ところがどうだろう。拾い上げた子は、その小さな手で、 小さな生き物をひねりつぶそうとしたのである。
大徹は、とっさに飛んでいき、その子の首根っこをつまえた。かなりきつくつまみ上げたようである。子供は悲鳴を上げ、 手の雀した。
大徹はしかし許さなかった。子供は身をもがいて苦しんだ。
「どうだ、痛いか」…『痛い』。 大徹は、やっと手をゆるめた。
「雀は、もっと痛かったかもしれん。 おまえが痛いように、雀も痛いのだ…わかったか!」
 
その後大徹は、その事件をすっかり忘れていた。
それを思い出させてくれたのは、当の本人だった。
四十年以上もたって、五十歳ちかい立派な紳士になって、吉峰寺へ訪ねてきた。
そして彼は言った…「五十年の人生で、あれほど恐かったことはありません」
 
なんでも人間…もっとも頭脳の発達する時期は、四・五歳の頃だという。 保育園、幼稚園の年齢である。仏教では 「識」という。 この時期に、人間としての根源を鍛えておかねばならない。
 
この時期、まっすぐすくすく伸ばしてやるために、成長を阻害する無駄な枝をはらてやらなければならない。
しかし、体罰を間違えて加えたら、子供は真っ直ぐ成長せず、いじけて小さくまとまってしまうであろう。
 
大徹がもしその時、子供の手から雀をとりあげて、 優しくたしなめていたとしたなら、おそらく本人は、そのことを忘れてしまい、思い出すこともなかったでしょう。 そして、 小さな生き物の痛みに気づくこともなく、大人になったでしょう。
 
大事なのは、体罰は断じて”報復”ではないということである。
子供が悪さをして、大人を困らせたからといって、 カッと逆上して、思わず手を出すのは、これは報復である。
体力的に劣る幼児に、 大人と同じような応酬をするなどといったことは、本来あってはならないことである。
 
ここのところを混同するから、幼児教育における体罰の是非論が、 マスコミの話になるのです。
そして、当節の学校のように、何でもかんでも暴力はいけないという、安易な答えで済まされてしまうのです。

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