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2013年02月 アーカイブ

2013年02月04日

広がるテロの脅威

テロ事件・国別発生件数 1位~15位


海外へ観光するときの参考になります。
<1位~3位>

・アフガニスタン 2872件   ・イラク 2265件   ・パキスタン 1436件

<4位~8位>

・インド 673件   ・ソマリア 614件   ・コロンビア 424件
・タイ 305件(意外、インドネシアではなかった)   ・ロシア 238件

<9位~15位>

・イスラエル、ナイジェリア、ギリシャ 189件   ・フイリピン158件

・イエメン 99件   ・トルコ 91件   ・コンゴ 52件


私は、マレーシア・ボルネオ島、ヨーロッパ人保養地マブールの
コテージに、スキューバーダイビングで4日間宿泊したことがあります。

その1年後、フイリピン・イスラム過激派ゲリラが、マブールを急襲!

西欧人を約30人拉致して、身代金を要求・・世界を震撼させた。

半年後・・ゲリラ組織に囚われたままの、げっそり痩せた人質の映像が
マスコミに送られてきて、日本でもTVで放映された。


1042 【吉村外喜雄のなんだかんだ 】

「広がるテロの脅威」


今回のアルジェリア人質事件で、国際テロの脅威が改めて浮き彫りになった。

価値観が異なるイスラム過激派や、台頭する中国などとのあつれきが増す中、国際秩序を支える軸が大きく揺らいでいる。

背景にあるのは、秩序をつかさどる調停役がいなくなったことです。


冷戦時代は、米国とソ連の力関係で物事が決まった。
冷戦後は、米国がレフェリーを務めた。米国は、イラクやアフガニスタンの覇権を守るために、巨額を費やした。


現在、米国の最優先課題は、経済・社会など国内基盤の立て直しにあり、世界のレフェリーを担う用意も、意志も、能力もなくなっている。

今やEUに力はなく、中国など新興国も責任を負うのを拒む・・
世界の秩序安定のために、コストのかさむ役割を演じる旧来のシステムは、もう存在しないのです・・米国の代わりを務める国はいないのです。


そうした中、民主化運動「アラブの春」によって、イスラム原理主義の台頭を抑えてきた旧独裁政権が崩壊・・皮肉にも「テロリストの春の時代」を招くことになり、アルジェリア人質事件が起きたのです。


内戦で弱まった、広大なサハラ砂漠空白地帯マリに、「アラブの春」で消滅した政権・・エジプト、リビア、チュニジアから、テロリストが流れ着き、安住の地を得た。

マリのテロリストは、アルカイダ直系と、盗賊や麻薬マフィアの遊牧民の部族が交る・・マリは、アフガニスタンに近い性格を帯びた危険地帯になろうとしている。

「アラブの春」に始まったアフリカの情勢は、フランス革命前夜の1772年当時と似た、「10年単位の戦いの始まりの時にある」と、英国のキャメロン首相が宣言している。

                                                           日経新聞「極なき世界・広がるテロの世界」

2013年02月07日

歴史から学ぶ 「建国記念の日」

世界の建国記念日


・大韓民国     紀元前2333年 檀君が古朝鮮王国を建国した日

・中華民国                1911年 辛亥革命発生日

・北 朝 鮮  1948年  朝鮮民主主義人民共和国が宣布された日
・中華人民共和国     1949年  毛沢東が天安門で建国宣言した日


・タ   イ             1932年 王政から立憲政治に移行した日
・シンガポール  1965年  マレーシアから分離独立した日


・フランス  1789年  フランス革命が始まった日

・イタリア  1946年  国民投票で王制から共和制に移行した日

・オーストリア  1955年  永世中立国を宣言した日
・ド イ ツ          1990年  東・西ドイツが統一した日


世界の多くの国は、19世紀から20世紀にかけて、それまでの支配者
から独立した日を建国の日にしている。 対して日本と韓国は、はるか昔
神話の時代を建国日にしている。


1043 【吉村外喜雄のなんだかんだ 】

~歴史から学ぶ~ 「建国記念の日」


2月11日は「建国記念の日」・・「建国をしのび国を愛する心を養う」ことを目的に作られた国民の祝日です。

「建国記念日」ではなく、あえて「建国記念の日」と、間に””を入れたのは、日本がいつ建国したのか?を追及せず、ただ単に建国を祝うための祝日です。

「建国記念日」は、明治5年、日本書紀による神武天皇即位の日、紀元前 660年1月1日を「日本の歴史が始まる紀元」と定め、「紀元節」としたのが始まりです。旧暦を新暦に改めると、2月11日になります。


その後天皇は、日本建国の神の子孫である”現人神”として奉られるようになり、
建国の日の2月11日は天皇神格化を象徴する日として、軍部に利用されてきた。

昭和23年、天皇の再神格化を恐れ、政経分離を意図するGHQによって、紀元節は廃止された。その後、紀元節復活の声が高まり、国民へのアンケートでも、80パーセントが支持した・・が、GHQは許さなかった。


昭和32年以降、野党の反対に合いながら、9回の国会議案提出・廃案を繰り返し、
昭和41年国民の祝日になった。


野党が反対したのは、日本人の愛国心をあおり、天皇家を中心とした

大日本帝国の復活を警戒したのと、歴史上、神武天皇が実在の人物かどうかは定かでなく、”神話”としての位置づけで建国の日にするのは、科学的根拠が希薄・・「更に慎重に検討すべき」というのが理由でした。


また、昭和23年2月11日は、極東国際軍事裁判で、東条英機をはじめとする
A級戦犯に死刑が求刑された日です・・意図的この日を設定したのではとの推測から、反対された。

世界の多くの国は、国民の犠牲のうえにようやく独立を勝ち取った、

意味深い日として、国を挙げてお祝いをする。

今の日本で、建国の日を祝う人は少ない・・歴史の違いから、国を思う

心に大きな隔たりが生ずるのは仕方がないが、戦後GHQが意図したような、 愛国心の薄い日本人のままでいいのだろうか?

建国の日を忘れても平気でいられる日本人は、つくづく平和な民族だと思う。

2013年02月11日

「国旗・国歌を考える」

国旗・国歌を考える


アメリカを旅して印象に残るのは、国歌斉唱の時・・私の周りの米国人、
誰に言われるでなく皆起立し、胸に手を当てて国家を歌い、 忠誠を
誓う。ところが、我が愛すべき日本は、つい最近まで国旗掲揚を拒み、

君が代を斉唱しない学校が大多数という、嘆かわしい状態だった。


天皇や日の丸が、太平洋戦争悲劇の象徴だからと、戦後六十年 経た
今も、 背を向けたままの人がいる現実・・世界の国々が、自国の国歌・
国旗に 忠誠を誓うというのに・・。このままでは、自分の国を蔑み、
誇りの持てない若者が増えていく一方。

当時の、軍国政治と教育の在りかた問題があるのであって、天皇や

日の丸が悪いのではない。
例えば、犬に噛まれて犬嫌いになり、 犬を飼うのを法律で禁じようと
しているのに、似ているのでは・・。



1044 「吉村外喜雄のなんだかんだ」

~歴史から学ぶ~ 「国旗・国歌を考える」

「♪市民らよ 武器を取れ 隊列を組め 進め進め

敵の汚れた血で 我らの畑を満たすまで」


このおどろおどろしい文句・・北海道の某中学校三年の道徳の授業は、国家と国名を当てることから始まった。生徒は「戦争の歌」で一致した。「正解は・・フランス国歌」と先生が明かすと、教室に驚きが広がった。

続いて示されたのは三つの国歌・・18~20世紀、独立運動や戦争などで国民を鼓舞したほか、勝利を記念して歌われた。
「♪我らが血肉で 築こう新たな長城を・・」 中 国
「♪我らに 死の覚悟あり・・」                   イタリア

「♪砲弾が 赤く光を放ち・・」                   米 国


最後に登場したのが「君が代」・・生徒たちは、当然のように戦争に
まつわる歌と予想したが、10世紀の古今和歌集の祝い歌が原型で、
11世紀にほぼ現在の歌詞になったことを知ると・・目を丸くした。


世界の国歌は、異民族や支配者から勝利を勝ち取って成立した、国の成り立ちと深く関わっている。対して「君が代」は、和歌という独自に根ざした文化から生まれてきた・・日本の歴史の奥深さに気づいてほしい・・先生の願いです。
建国以来一度も異国に侵略され、殺され、辱めを受けたことのない
日本・・日本人に生まれたことの意味を深く考えるために、国歌・国旗の成り立ちを考えるのは、大変大切なことです。


授業では、歌詞の解説にも力を注いだ・・平安時代の「君」は、大切な人・高貴な人を指し、「君が代」は、そうした人の長寿への願いを込めた歌・・そのように話すと、生徒たちの表情がパッと明るくなった。

子どもたちに教える前に、大人が、国家の成り立ちや国旗・国歌を、正しく理解する必用があるようです。

                                                                      1/30読売新聞「愛国心」から

2013年02月14日

病気になる人、ならない人

健康への「こだわり」


健康でありたいと願い、健康に良いとされることに、何でも真面目に
取り組む人・・そんな健康へのこだわりが、病気の予防には何の
役にも立たないばかりか、人間本来備わっている自然治癒力まで、

弱めてしまうことを知らねばならない。


胸がチクチクしたら・・「もしかしたら肺ガンでは」と不安になり、

病院で診察を受けるまで安心できない人・・病気になる人の多くは、

真面目で誠実で、頑張った生き方をしてきた人なのです。


病気になりたくなかったら、趣味など、楽しく好きなことをやっていれ

ばいい。心に余裕が生まれ、肉体も健康になります。
言い変えれば、いい加減な人ほど病気になりにくいのです。
真面目な人ほど「治そう、助かろう」ともがくから、 治るものも治ら
なくなるのです。
末期ガンと診断されたら、それまでの生き方や、生活習慣を改める
ことに目を向け、ガンを治すことは二の次にして、日々楽しいこと、

やりたいことに熱中する・・すると不思議なことに、ガンが消えていく
のです。

                 医学博士・土橋重隆著「病気になる人、ならない人」



1045 【心と体の健康】

「病気になる人、ならない人」


ガン患者の10人に7人が、サプリメントやアロマテラピーなどを、病気の改善に効果があると信じ、利用している。

病人の大多数が、病院の医療だけでは満足できず、こうした代替療法にすがろうとするのです。

しかし、そこには大きな落とし穴があります・・医師の診療とは異なり、
患者自らの意志で選択した治療法のため、その治療法に、患者が
絶対的信頼とこだわりを持ってしまうことです。

この強い「こだわり」が、病気の改善や予防の役に立たないことが、医学的に実証されたのです。


かって、フインランドの保健局が、40~45歳の男女千二百人を対象に、15年にわたって健康管理(定期検診・栄養バランス・運動・たばこ・お酒・砂糖・塩分摂取)の効果を調査したことがある。

対象者を、徹底した健康管理を指示したAグループと、一切制約のないBグループに分けて、調査が開始された。


15年後、両グループを比較した・・徹底した健康管理を支持されたグループの方が、ガン、心臓血管系の病気、高血圧、各種の死亡、自殺の割合が”高い”という結果が出たのです・・
何故こんな結果になったのか? 「健康に良いとされること、悪いとされること・・そのいずれかで病気を検討した」ことが、そもそもの間違いだった・・との結論に至ったのです。


カリフォルニア大学で、市民七千人を対象に、7年間に及ぶ調査の結果、以下の七つの健康管理をすれば、健康度が高まり、死亡率が下がると報告された。

(1)7~8時間の睡眠時間   (2)過労を避けて十分な休養をとる
(3)バコを吸わない          (4)
過度の飲酒をしない
(5)低塩分、低脂肪のバランスのよい食事をする

(6)適度な運動を続ける
(7)朝食をとり、間食をしない規則正しい食生活


この健康習慣は、医師が生活指導を行う際にしばしば用いられ、誰もが納得する健康法のように思われてきた。

ところが、7つの健康習慣のうち「睡眠」については、疲労回復に必要な睡眠時間には個人差があり、4~6時間睡眠者が、8時間睡眠者より死亡率が低い・・との結果が出たのです(慈恵医科大学・健康医療センター)

睡眠時間の短い人が、健康のためと長く眠ろうとすると、かえって睡眠の質が低下するのです。

更に、この7つの健康習慣を全部真面目に守ったら、逆に血圧が高くなり、生活習慣病の改善にはつながらなかった・・との研究結果も発表されている。

                                          医学博士・土橋重隆著「病気になる人、ならない人」

2013年02月18日

歴史から学ぶ 「人質事件への日本政府の対応」

日本人が犠牲になった、主なテロ・襲撃事件


・2001年   9月   ニューヨーク同時多発テロ

・     02年10月   インドネシア・バリ島爆破テロ
・     03年11月   イラク・日本大使館の車襲撃事件
・     04年  5月   イラク・日本人ジャーナリストの車襲撃事件
・     04年10月   イラク武装組織が日本人拉致
・     05年10月   インドネシア・バリ島同時爆弾テロ

・     08年  8月   アフガニスタン・日本人拉致
・     08年11月   インド・ムンバイ連続テロ
・     13年  1月   アルジェリア・武装勢力人質事件


イスラム過激派のテロは、「アラブの春」で政権が瓦解して以降、
中東・東南アジアよりも、北アフリカで多発するようになった。

私がチュニジアとエジプトに行ったのは、市民革命直前の
2009年と2010年・・当時、両国の首都には、失脚する前の
大統領の写真があちこち、ビルの壁面いっぱいに張られていた・・
治安は良く、市民の暮らしは平和だった。


1046 「吉村外喜雄のなんだかんだ」

~歴史から学ぶ~ 「人質事件への日本政府の対応」


今回のアルジェリア人質事件は、危機管理を重視する安部政権に強い衝撃を与えたが、海外での邦人人質事件は、これまでも歴代の政権を 揺るがせてきたのです。


・1970年3月 「よど号ハイジャック事件」 当時の首相/佐藤栄作

赤軍派が羽田発福岡行き日航機をハイジャック・・北朝鮮行きを要求。

金浦空港で山村運輸政務次官が、乗客の身代わりになって平嬢へ・・

・1977年9月 「ダッカ事件」                    当時の首相/福田赴夫

  日本赤軍メンバーが日航機をハイジャック。

「人の生命は地球より重い」・・福田首相のこの発言が議論を呼んだ。

人命最優先の政府は、犯人側に身代金600万ドル(約16億円)を
渡しただけでなく、「超法規措置」として服役囚数人を釈放・・

世界から「銃口に屈した」「法治国家の敗北」などと非難され、法務大臣が辞任する事態となった。

この決断をした背景には、1972年5月イスラエル・テルアビブ空港で、赤軍派による無差別小銃乱射事件がある・・24人が死亡し、76人の
重軽症者を出したことが影響している。


・1996年12月 「ペルー日本大使公邸人質事件
                                                        当時の首相 / 橋本竜太郎

  左翼ゲリラが日本大使公邸に押し入り、服役囚らの釈放を要求。

  その日公邸では、天皇誕生祝賀レセプションが催され、ペルー政府  
  の要人、各国大使、日系企業の駐在員ら600人が人質になった。

その後、密かに地下道を掘り、人質とも連絡を取って、事件発生から
127日後の4月22日、ペルー特殊部隊が公邸に突入。
ペルーの政府要人1名と突入隊員2名が死亡し、ペルーの外務大臣や青木大使ら、複数の重軽傷者を出した・・テロリスト14名は全員死亡。

日系人フジモリ大統領の巧采配に、世界から大きな賞賛が送られた。


・1999年8月 「キルギス邦人人質事件」  当時の首相/小渕恵三

  イスラム武装勢力が、鉱山技師など4人を拉致、山岳地帯で拘束。
  キルギス政府を通じて交渉・・2ケ月後に、身代金を支払い、全員釈
  放される。

・2004年4月・10月 「イラク邦人人質事件
                                                          当時の首相/小泉純一郎

  自衛隊のイラク撤退を求める武装組織が、4月と10月に相次いで
  6人
拉致。日本政府は要求を拒否したが、4月の5人は聖職者団体
  の仲介で全員釈放。
10月の1名は、交渉むなしく殺害された。


何れの事件も日本から遠く離れ、政府は情報集めに苦慮した・・
突入時、現地政府からの事前通告はなく、人質の救出に直接関与することができなかった。

海外で危険な状態に陥った日本人の救出に、自衛隊を迅速に派遣できるよう、事件発生のたびに「法改正」の議論が盛り上がるが、しばらくすると立ち消えに・・その繰り返しで、今も解決策のないまま、無策の状態が続いている。

                                                                                     1/27日経新聞

2013年02月21日

知っておきたい、西洋医学の限界

なぜ病気になるのか?


1981年西日本で最初の「食道清脈瘤内視鏡療法」を手掛け、

2千例に及ぶ施行実績を誇る名外科医が、「今の現代医療では、
多くの病気は治せない・・なぜ病気を治せないのか?」

そんな疑問を抱えて、外科医としての権威、地位・名誉を捨て、
フリードクターになった。


再出発のテーマは「人はなぜ病気になるのか?

「病気になる原因がわかれば、その治療法も見えてくるはず」と
考えたのです。

現代医療では、病気になった現象だけを診て、治療が行われる。

病気になった原因を探らず、あくまでも現象に対する治療をする

のみです。

ガンを含む「慢性病」の多くは、大本の原因を見ずに治療が行

われる・・結果として治らない患者さんが、「治りたい」一心で
病院通いをしている・・主治医を信頼して。


                     医学博士・土橋重隆著「病気になる人、ならない人」



1047 【心と体の健康】                                                     「知っておきたい、西洋医学の限界」


健康診断で先生から、「高血圧・内臓肥満・糖尿病・高脂血症を併せ持つメタボリック・シンドロームです・・一つひとつの病態は軽度ですが、
複合すると、脳や心臓に重大な合併
症を起こす恐れがあります・・
きちんとした治療をするように」と促された。

「大変だ、先生の指示に従って病気を治さなければ・・」と誰もが思う。


ところが、現代医学では高血圧も糖尿病も高脂血症も、治すことができません。
内臓肥満は、運動と食事で改善することができるが、西洋医学の薬物療法では、治療は難しいのです。


動脈硬化が進んで、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病と診断されても、西洋医学では治せない病気なのです。

その他、ウイルス性肝炎も、認知症も、慢性リウマチも、免疫疾患症も、現在の西洋医学では、完全に治す方法も技術もありません。


では、西洋医学で治せる病気はなんでしょう?
幹部を切り取る外科治療は、優れた医療技術です。 メスを使わない、
内視鏡手術や腹腔鏡下手術も、ほぼ完全に治すことができます。
それにもう一つ、細菌性感染症は抗生物質の進歩によって、治せる病気になりました。


西洋医学100年の歴史を経て、ほぼ完全に治療できるのは、抗生物質による感染症治療と、一部の外科治療のみで、ほとんどの病気は治すことが出来ないのです。
それなのに患者は「医師に診てもらえば治る」と思っている。


ところが医師の医療行為は、完治させることが絶対的最終目的ではないのです。医師は「治そう」と、出来る限りの努力をしますが、現実には病気は治りません。

患者を診察した医師は、治せないことを知りながら患者と向き合っているのです・・患者と医師の治療への思いに、大きなズレがあり、誤解があるのです。

                                       医学博士・土橋重隆著「病気になる人、ならない人」

2013年02月25日

「艶笑落語・松茸(1)」

江戸小噺「いやな予感」


藪医者先生が、子どもの患者を死なせてしまった。
子どもの親が、「お上に訴える!」と騒ぎ出したので、
平謝りに謝って・・代わりに自分の子どもを差し出して、
なんとかその場は収まった。


数か月して・・またまた、ある家の奉公人を死なせて
しまったので、その償いに、今まで自分の身の回りの
世話をしていた、たった一人の奉公人を譲り渡して、
許してもらった。


それから数か月して、近所の小僧が飛んできて・・

「おかみさんが難産で、ひどく苦しがっていますので、
一刻も早く見に来て下さい」
と言うので、藪医者先生、いやな予感に襲われながら、

出がけに、自分の女房に向かって・・


「あの家の亭主・・どうやら・・お前に気があるらしい」


                                 山住昭文「江戸のこばなし」



1048 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

~ことば遊び~ 「艶笑落語・松茸(1)」


あと数日で三月・・日を追うごとに夜の明けるのが早くなり、 春がすぐそこに来ているのが感じられます・・。
今日から三回に分けて艶笑落語「松茸」です。

「山のあなあな・・」で知られる三遊亭圓歌が、このちょっと卑猥な落語「松茸」を、満面笑顔で語るとき・・圓歌ならではの可笑しさが、こみあげてくるのです。


♪昨年の秋、松茸は不作だったが・・私もアレは好きですネ・・
えェ・・
焼いてよし、おツユにしてよし、ナマでよし・・
まあ・・ナマじゃ、あんまり食べませんけどねェ・・ なかでも、ハモしゃぶしながら、ポン酢につけて・・たまんないねェ・・ 唾が出てきやがったぜ。


うちの女房なんかア・・ナマのやつをよく食べるんですが・・

なにも、こんなところで笑うこたアないヨ! そういうあんただって・・
けっこう食べたり・・食べさせたり・・なンぞしているくせに・・


「え~松茸ェ、マッタケェ~」 松茸屋が、松茸を売り歩いている・・

女『ちょいと、ちょいと、松茸屋さん・・ちょいとォ~』

松「ヘイ、毎度ありがとう存じます・・ え~、どのへんがよろしゅう
    ござんしょう」
女『そうねェ・・あア、これがいいわ・・随分と立派じゃない の・・
   
おいしそうねェ・・これ、いくら?』

松「ヘイ、十五銭です・・」

女『まアねェ・・値段は手頃だけど・・あたし、ひとりだからねェ・・
    こんな大きなの食べきれないわ・・
    もう少し、ちっちゃいのにしようかしら・・こっちのは、いくら?」

松「ヘイ、十五銭です・・」
女『エ! 大きいのと・・おンなじなの?』

松「ヘイ、同じでござんす」

女『おかしいじゃァないの・・大きいのと小さいのと、同じ値段なんて・・』


松「ヘイ、あのう・・松茸ァ全部・・つっこみでございァす。

    大きくても小さくても、味に変わりはございませんし、
    小さい方が身が締まって、よろしいようで・・」

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