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2013年10月 アーカイブ

2013年10月01日

人口減少社会へ突入

北陸三県・総人口の見通し(千人)

                      石川県       富山県        福井県

・2005          1.174     1.112         822

( H17)         全国35位     38位          43位


・2020          1.093          975         763

  (H32)       ※東京オリンピック開催


・2035               960          880         676

  (H47)       ※30年後


人口の減少は、下り坂のエスカレーターのようなもの。                                      何もしなければ、国力は衰え、経営環境は狭まり、                                            業績は低下していくだろう。



1107 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
「人口減少社会へ突入」


未婚化・晩婚化が進み、日本の人口は減少下降の方向ら向かっていく。

総務省による、2013年3月末時点での日本の人口は、1億2.639万人で4年連続減少している。出生数が死亡者数を下回る「自然減」は
6年連続で、出生率の減少に歯止めがかからない。

前年比では6万6千人減り、石川県は4.100人減少した。


日本の総人口は、2005年の1億2..777万人から、長期人口減少過程に入り、2030年(平成42)の1億1.522万人を経て、2046年(平成58)には1億人を割って9.938万人になり、ほぼ50年後の2055年には、8.993万人に減少することが予測される。


ここで注目しなければならないのが、人口構造の変化・・

[0~14歳の年少人口]

2007年(平成19)の1.724万人から、 2009年(平成21)に1.600万人台へと減少し、2039年(平成51)に1.000万人を割って、2055年には何と、752万人になってしまう。

総人口に占める割合は、2007年の13.5%から低下を続け、2025年(平成37)に10.0%となり、2055年には8.4%になってしまう。


[15~64歳の生産年齢人口]

国の経済を支える生産年齢人口・・2007年(平成19)の8.301万人から減少し続け、2055年には半分の4.595万人になる。

総人口に占める割合は、2007年の65.0%から低下し続け、2021年(平成33)には60%を下回り、2055年には51.1%と14%も減少する。

このように、労働力人口の大幅減少が続くと、経済成長はマイナスに作用し、年金・介護・医療の下支えが出来ず、国力は萎え、財政は破たんしてしまう。

今、消費税10%の是非で世論が湧いているが、30年後に国民が負担しなければならない額は、そんな生易しい金額ではない。


[65歳以上の老年人口]

2007年(平成19)の2..745万人から、団塊世代が老年に達し始める2012年(平成24)には、3. 000万人の大台へ。

2042年(平成54)に3.863万人のピークを迎える。

その後は減少に転じ、2055年には3.646万人になる。


総人口に占める割合は、2007年の21.5%から上昇を続けて、

2055年にはなんと40.5%に達する。

老年人口は、2042年をピークに減少し始めるが、年少人口と生産年齢

人口の減少が続くため、老年人口の上昇に歯止めがかからないのです。

2013年10月04日

悩みや苦しみにどう向き合うかで、 人生の価値は決まる

ブィクトール・フランクル(1905~1997)


オーストリアの精神科医・心理学者。

1942年、家族と共にユダヤ人強制収容所に収容され、

父母は収容所で死亡。

1944年、アウシュビッツに送られたが、1945年米軍に
よって解放される。

著作は多数あるが、強制収容所での体験をもとに著わした
「夜と霧」は、日本語他17ケ国語に翻訳され、60年経た
現在も読み継がれている。


発行部数は、英語版だけでも900万部に及び、読売新聞の
「読者の選ぶ21世紀に伝えるあの一冊」で、翻訳ドキュメント
部門3位に選ばれる。

 

                   ヴィクトール・フランクル

 

 

1108 【心と体の健康 】 ~幸せな人生~

「悩みや苦しみにどう向き合うかで、人生の価値は決まる」


変えられない運命に対してどのような態度を取るかで、
  人生の価値は決まる
」                      ブゥイクトール・フランクル

ユダヤ人の精神療法家フランクルが、ナチスの強制収容所で目にしたのは、『人間は極限状況にある時・・天使になる人と、悪魔になる人に分かれていく』という真実!


目の前で死にゆく人がいたら、その人のパンを奪い取ってでも生きようとする人がいる一方で、自身も大変な飢餓状態にあるにもかかわらず、
目の前に苦しんでいる人がいれば、自分のパンを差出して助けようとする人もいる。


ナチスの強制収容所での実体験から・・
人間はどんな絶望的状況にあっても、生きる希望を見出しうる
ことを悟ったのです。

犬やネコなど様々な動物には快・不快はあるけれども、快・不快を超えた「精神的苦悩」というものは存在しない。


精神的苦悩に悩まされるのは人間だけであって、悩み・苦しむのは人間だけの特有の行為なのです。
私たちは、こうした悩みや苦しみから逃れようとして、悶々としがちです。
そうした人たちに、フランクはやさしく言葉をかける。

苦悩はそれ自体が一つの業績である」と・・

つまり「人間が何かに悩み苦しむことは、それによって何かを成し遂げたのと同じくらい、大きな意味がある」と言うのです。


人間は『悩み苦しむことによって、一回りも二回りも大きく成長していく』

「仕事に失敗した」「尊敬する人から失格の烙印を押された」「恋人から突然別れを告げられた」
辛い出来事がいくつも重なると、人生に絶望し、天を仰いで・・
「ああ、私の人生にどんな意味があるというのか・・」

けれども、どれほど人生に絶望しても、人生のほうが私たちに絶望することは決してありません。


そういう苦しい状況を目の前に、私たちはどう生き抜こうというのか・・
どのように乗り切っていくのか・・それを見せてほしいと。

そんな問いを、人生は私たちに投げかけ続けるのです。

人生に失敗し、深く絶望した人間こそ、そこから懸命に生きようとする心が芽生え、求めはじめるのです。

                                              理念と経営六月号「随想・フランクルの言葉」

2013年10月07日

憲法96条改正の是非

大戦後68年間に憲法改正した回数


日 本   0      ・米 国     6      ・カ ナ ダ    12

・ロシア  1       ・ドイツ  59      ・フランス   27

イタリア  16


国会では、十年も前から憲法96条の見直しを議論 してきた。
05年の衆院憲法調査報告書では・・
「要件を緩和し、時宜にかなった憲法を作るべきで、 国民の声
を反映した憲法にしていくべきだ」


参院憲法調査報告書では・・
「国民の過半数が改正に賛成の意を表していても、 議会に
おいて発議出来ない状況は、国民主権に 反することになる」

  
                                                                    読売新聞



1109 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

「憲法96条改正の是非」


憲法は国家権力を縛り、国民を守るためにある。
それを変えやすくすることの是非が今問われている。

昨年末、衆院選で政権に返り咲いた自民党は、改憲の発議要件を衆参両院の「3分の2」以上の賛成から、「過半数」に改める96条改憲を打ち出した。

改憲の難易度は世界有数で、「世界最古の憲法」と言われる日本国憲法・・1946年の公布以来一度も改正されていない。

同時代に制定された他国の憲法は、すべて改正を経験している・・

日本は、96条が定める改正要件が厳しすぎるのが問題視されている。

主要8か国の憲法改正手続きを比較してみると、ドイツ、フランス、イタリアの3国は、過半数(50%超)から3分の2(約67%)の範囲の国会の議決だけで足りる。


ドイツは日本と同じ第二次大戦の敗戦国だが、戦後すでに59回の改正を行っている。この中には、再軍備や、他国からの緊急事態に関する条項の整備など、重大な改正も含まれている。

日本では、時代の変化に対応した憲法改正を目指し、まずは国会の発議要件「96条を見直すべき」との声が強まっている。

憲法改正には「国民投票」も要件に加えられていて、実現すれば国民の意見が聞きやすくなる。


現在日本以外で、憲法改正時、国民投票を必ず行っている国は、
デンマーク、アイルランド、オーストラリア、スイス、韓国の5か国だけ。

しかも、韓国を除く4か国は、国民投票に先立つ国会の議決は
”過半数”でよいとしており、日本より改正のハードルは低い。


韓国の拳法改正手続きは日本とほぼ同じだが、韓国は一院制で、
二院制の日本よりも国会の議決が容易です。

実際、韓国は戦後9回の憲法改正を行っている。
                                                                                        読売新聞

2013年10月10日

憲法96条改正の是非-2

富山大空襲


昭和20年8月2日午前0時、富山市にB-29が174 機 来襲・・
2時間の爆撃で死者2737人、焼失家屋 25000戸、市街地の
99,5%が焼失した。

終戦時4才だった私は、戦時中の出来事を沢山記憶している。
香林坊の自宅の隣で、村田銃を持った兵隊が数名駐屯していた。
自宅店の床下に防空壕を掘っているのを覗き込み、 向いの野本
さんの家が、空襲に備えて強制取り壊し ・・ その空き地で遊んだり。

夜は、電球の笠を風呂敷で覆い、窓ガラスは全て目張り してあった。
19年の暮れ近く父を香林坊に残して、家族は母の実家へ疎開 ・・
農家の納屋の二階に仮住まいした。

20年8月1日夜半、疎開先の上空を数十機のB29が 轟音を
轟かせて、富山方向の闇の中へ消えていった。
焼夷弾が落とされ、鈍い地響きとともに、幾つもの赤い炎の玉が
医王山を浮かび上がらせた・・
四才の私は、実家の玄関先でかたずを呑んで空襲を見ていたの
です。


1110 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「憲法96条改正の是非-2」


時代に合った憲法に変えていくべきと思う・・しかし、日頃憲法を話題に することはほとんどない。

新憲法の意味と重要性を、学校できちんと学んだ記憶がないし、 知識がないこともあって、身近には感じられず、憲法という重たいテーマに
尻込みしてしまうのです。


新憲法は、日本が二度と戦争しないようにと、 九条で「戦力の不保持と戦争放棄」をうたっている。
「二度と戦争をしない」の文字・・不安におびえた戦時中を思い出し、 ずっと「いい憲法だな・・」と思ってきた。


ところで、私たちが知っておかなければならないことに、 「なぜ日本が
大国アメリカに、無謀な戦争を挑んだのか」ということがある。

多くの若者が戦場に散り、全国の都市が焼き払われ、二つの原爆で
途方もない生命が奪われた忌まわしい戦争・・

戦後の憲法は、戦争で死んでいった人たちの血のにじむ思いから、生まれてきたものであることを・・決して、過去の事として軽んじてはならないし、忘れてはならないのです。


ところがこの数年、竹島や尖閣の領有権問題で、隣国に国の主権が
脅かされるようになったが、現在の憲法・国内法では、隣国からの脅威に手も足も出ず、咄嗟に自衛隊を動かすことも出来ない・・法の壁があって・・「改憲しなければ」と思うようになった。


私たちの年代・・戦争を体験した者の多くは、時代に合わせて憲法は変えてもよいと、思ってはいるが、自衛隊を軍隊に改めたり、徴兵制度などの戦争につながる改憲には大反対である。


自民党が昨年まとめた改憲草案では、「秘密保持法の制定」など、国民の権利が今よりも制限されるような印象がある。知らないうちに、あれもこれも規制されていく社会は怖い。


戦火を生き延びた世代が消えていく中、安部政権が唱える改憲論に
不安を感じる人は多い。
政治を間違った方向に向かわせないためにも、私たちは「憲法」を正面から見据える必要があるのです。


                                                                    中日新聞「われらの憲法」より

2013年10月15日

岩谷直治の健康長寿10カ条

江戸小噺「えんま大王」


大病を患ったえんま様が、地獄の医者に診てもらって
も、一向に病状が回復しないので、この上は、娑婆の
名医の手を借りるより外に手はなかろうと、青鬼に命
じて、娑婆の名医を探させることにした。


ところが、どれが名医か分からぬので、その見分け方
を尋ねると、「とにかく、玄関口に幽霊が立っていない
のが・・名医の証拠」


さっそく下界に下りて、医者の家の門口を見て回るの
だが、どの門口にも、盛り殺された恨みの幽霊どもが
大勢つめかけていて、なかなか名医の家が見つから
ない。

これではならぬと、新道の方に回ってみると、幽霊の
一人も立っていない医者の家が見つかった。

青鬼、ホッと一息ついて中に入ってみると、この医者、
昨日開業したばかり・・。

                                  山住昭文「江戸のこばなし」



1111 【食と健康】

「岩谷直治の健康長寿10カ条」


米ビジネス界でネバーリタイアリー「引退しない人々」が話題になっている。  日本でこの言葉に当てはまる創業社長といえば、「プロパンの父」と言われる、岩谷産業創業者・岩谷直治の名前が浮かんでくる。


百二歳まで生涯現役を貫き、一代で巨大企業を築き上げた岩谷直治。

その健康長寿の経営学は、私たちの手本にすべき内容です。


[ 岩谷直治の健康長寿10カ条 ] ※○△は私です

(1) 毎朝五時起きの早寝早起き

⇒ 私も毎朝五時に起きて、朝の散歩、メルマガ作成、ゴルフの練習
        など、早起きは三文の徳を実践しています。

(2)
30~40分ヨガを主体とした体操

⇒ 毎日「気功」や「ヨガ」で体をほぐし、一日一万歩くようにしています

(3)
般若心経を大きな声で読経

△ ⇒ 気が向いたとき、般若心経を読経し、座禅を組んでいる

(4)
姿勢がいいことは健康の基本。背筋をまっすぐ伸ばす

⇒ 猫背の私・・毎朝肩甲骨の屈伸、背筋を立て、又割り五回を三回


(5)
健康法は粘り強く続ける。三日坊主を戒める

⇒ 暇があれば運動して、若さを保つ努力をしている


(6) 好き嫌いをせず、よく噛んで食べる
⇒ 好き嫌いなし。よく噛んで食べている


(7)
食べ過ぎは寿命を縮める

⇒ 食習慣を改め減量に成功したが、体重を維持するのが大変。
         昼食抜きの一日二食、腹八分の少食を目指してはいるが・・


(8) 毎日欠かさず、牛乳にゴマを混ぜて飲む
⇒ 肥満予防のため、朝食は洋食から和食へ 
         牛乳、ヨーグルトは毎日飲んでいる

         煎りゴマを食卓に置いて、玄米に振りかけている


(9)
年をとっても老け込むな

⇒ 精神年齢は40代のつもり・・座右の銘は「青春」

(10) 何事にも好奇心とチャレンジ精神を持つ
⇒ 思いついたら即実行・・率先垂範


                                        理念と経営「岩谷産業 創業者・岩谷直治」より

2013年10月18日

憲法96条改正の是非-3

海江田・民主また内憂


10月3日の読売新聞朝刊・・「海江田民主また内憂」
の見出しで、党内の「バラバラ」ぶりを印象づける記事が
載った。

10月1日、野田前首相はワシントンの講演で、
「集団的自衛権の行使容認」に前向きな考えを表明し、
「原子力発電所の再稼働」を、自らの政権の実績の
ひとつにあげた。

一方、菅元首相は「原発ゼロ」を訴えて活動している。

総理経験者二人の言動は正反対で、党はバラバラ。

集団自衛権は、政府の憲法解釈で「保有しているが
行使できない」状態にある。

安部内閣は、行使容認に向けた憲法解釈変更に意欲
を示しているが、民主党は変更を認めない方向で、
党内をまとめようとしている・・
そんな時の野田氏の発言・・代表経験者が足を引っ張り
合うのはやめてほしい・・執行部から、不満が漏れてくる。

                                                                                                                                                                          
1112 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「憲法96条改正の是非-3」

10月1日、ワシントンでの野田前首相の「集団的自衛権」に絡む講演内容・・「自国の防衛しかできない現状を続けることで、米国や他国との関係に支障をもたらす事態が生じている。日米同盟堅持、国際社会における平和構築努力への積極的な参加に必要と判断されれば、集団的自衛権を行使すべきです・・」


憲法改正の難易度は世界有数で、「世界最古の憲法」と言われる日本国憲法・・1946年の公布以来一度も改正されていない。
同時代に制定された他国の憲法は、すべて改正を経験している・・
日本は、96条の定める改正要件が厳しすぎるのです。


「自主憲法制定」を党是とする自民党は、05年憲法改正草案を発表。
96条発議の要件を「過半数の賛成」に改めるべきとした。

日本維新の会も、結党当初から見直しを訴え、基本政策「維新八策」に盛り込んでいる。
民主党は過去、02年党の憲法調査会報告書で「国会における発議を、過半数に改める」とし、重要な事項の改正以外は「3分の2以上の賛成があれば、国民投票を経ずとも、憲法改正を可能とする」と踏み込んでいる。
ところが、05年の「憲法提言」で削除してしまい、現在は反対の立場に立っている。

その時々賛成したり反対したり・・民主党内の憲法改正論はバラバラ。
05年、後に首相となる鳩山氏は自身の著書で「政体(天皇制と国民主権)、国際協調に関する条項以外の改正は、要件を緩和すべき」と主張している。

元民主党代表の小沢一郎氏は、1999年の自由党党首当時発表した日本国憲法改正試案で、96条について「これを変えない限り、いかなる改正論にも説得力はない」と見直しを訴え、他党に先駆けて「国民投票法」の制定を提案している。


ところが「生活の党」を率いて以降は、96条改正には反対の立場だ・・選挙に勝つことが最優先で、政治家としての理念が見えないのです。


                                                                                                   読売新聞

2013年10月21日

健康寿命

風邪とインフルエンザはまったく違う病気


風邪とインフルエンザを混同していませんか?

風邪とインフルエンザはまったく違う病気で、ウイルスも
違います。

風邪のウイルスは約40種類・・それによって人が死ぬこと
はありません。

風邪をひいたら、喉が腫れて赤くなったり、多少熱が出たり
しますが、薬を呑んで熱を下げれば、日常生活にそれほど
差し支えがありません。


インフルエンザウイルスによって引き起こされるインフル
エンザは、高熱が出て、気管支炎、肺炎、細菌性脳炎など
の合併症を引き起こす危険があり、体力のない高齢者や
乳幼児などが死亡することがあります。


死ぬ危険のあるインフルエンザには、ワクチンが開発された。

風邪は、引いても死ぬことがないので、ワクチンはありません。


                                      順天堂大学医学部教授・奥村康



1113 【食と健康】 「健康寿命」


男女にそれぞれ「健康寿命」という指標があります。

「健康寿命」とは、世界保健機関(WHO)が2000年に提唱した、
新しい健康指標です。

平均寿命から、重い病気や、介護を受ける期間を差し引いた寿命の
ことを言います。

一昨年6月、国は2010年の日本人の健康寿命を公表しました。

健康年齢・・男性の平均は70.4歳、女性は73.6歳・・平均寿命より男性は9.2年、女性は12.8年、重い病気と闘い、介護を受けて死んでいくのです・・

都道府県別で見ると、男子の一位は愛知の71.7歳。福井は8位、
石川9位で71.1歳、富山20位、最下位は青森の69.0歳。


女性の一位は静岡75.3歳。石川は9位で74.5歳、福井11位、
富山14位、最下位は滋賀の72.4歳です。

注目されるのは、お茶どころの静岡県・・男性も全国二位。
毎日緑茶を5~6杯呑む習慣が、健康長寿を生んでいるのです。


一方、永年全国一位を保ってきた沖縄県の男性・・
65歳以上の高齢者は変わらぬ長寿だが、若年層の死亡率が急増している。
1990年には5位、2000年には26位に急落している・・食生活の洋風化が原因だという。

先週、NHKクローズアップ現代で、この問題が取り上げられた。
ポテトチップや鳥の空揚げなど・・私の大好きな・・油を多く使った食品を摂ることが、寿命を縮める原因と、警鐘を鳴らしている。

マクドナルド、ケンタッキー、ミスタードーナツなどが近くになく、昔と変わらぬ食生活の田舎に暮らしている人に、高齢者が多いのです。
近い将来「日本人の平均寿命は下がる」と、NHKは警告しているのです。

平均寿命から健康寿命を引くと、男性で10年近く、女性は約13年病気と闘い、寝たきりになる計算。
介護する家族も大変です・・誰に看病してもらうのか・・誰が世話をするのか?
あなたは、連れ合いに先立たれたら・・どうしますか?
病院で看取る人もなく、一人淋しく死んでいく・・そんな晩年は御免です。

2013年10月24日

江戸の庶民は自由で伸びやか

みかん船伝説

紀伊国屋文左衛門は、紀州出身・元禄時代の商人。

二十代のある年、天候が悪く、江戸への航路は閉ざされて
いた。
紀州から船が来ないので、江戸ではミカンが高騰し、紀州
では上方商人に買い叩かれて、暴落。
その時節江戸で神事があり、ミカンを撒いて振る舞う風習
があった。

これに目をつけた文左衛門・・大金を借りてミカン船を仕立
て、嵐の中、船乗りたちを説得して江戸に向かった。

嵐をいとわずミカンを届けた文左衛門は、江戸っ子の人気
者に・・

一方大阪では、大洪水と伝染病で、難儀していた。
それを知った文左衛門・・船一杯”塩鮭”を積んで、上方へ
戻 り、又も大儲け。

その稼ぎを元手に江戸で材木問屋を起し、明暦の大火で
材木を買占めて百万両を手にし、豪商へと出世していった。



1114 「吉村外喜雄のなんだかんだ」

~歴史から学ぶ~ 「江戸の庶民は自由で伸びやか」


江戸時代、歌舞伎・浮世絵・落語・相撲、それに吉原など、多種多様の庶民文化が江戸で栄えたが・・何故なのでしょう?

当時、江戸の人口は百万人を超える、世界一の都市でした・・
その大都市江戸の文化を支えたのは、庶民でした。


この世界一の消費都市を、地方で農林漁業を営む生産者が支えていたのです。
米は百姓が作り、魚は漁師が獲ってきた。
江戸に住む人たちは、それを買って生活していた。


江戸時代は、平和で安定した世の中が長く続いた・・
武士も庶民も余暇を楽しみ、趣味にお金をつぎ込む余裕があった。
お金さえあれば、全てが事足りる江戸・・武士も町人も、稽古事や娯楽に時間を割く余裕があったのです。

巨大消費都市江戸は、何をしても商売が成り立った・・稼ぎが無くて困っていも、長屋の人たちに助けられた・・食べられない人はまれだったのです。
貯金がなくても暮らしていけるから、「江戸っ子だい!宵越しの銭は持たねェ」と啖呵が切れたのです。
あったらあっただけ使ってしまうから、消費は拡大する・・江戸の経済は活発になり、庶民文化の花が咲いたのです。


庶民の暮らし向きは質素で、贅沢はできなかったが、隣近所助け合いながら、抑圧されない「自由な生活」を楽しんでいたのです。
同時代・・隣国・朝鮮の庶民は抑圧と重税にあえいでいた・・
趣味・娯楽など、庶民のエネルギーから生れる文化は芽生えなかった。

『日本の下層階級は、世界のいずれの国よりも大きな個人的自由を享有している。そして彼等の権利は驚くばかり尊重されていると思う。
しかもその自由たるや、ヨーロッパの国々でも、余りその比を見ないほど、自由なのである』

この記述は、幕末に来日したオランダ軍人カッテンディーケが「長崎海軍伝習所の日々」に書いた一文です。


もう一人、英国の初代駐日公使オールコックも、次のように書いている。

『一般大衆の間には、我々が想像する以上の真の自由あるのかもしれない・・自由と民主的制度のあるヨーロッパの国々以上に、日本の町や田舎の労働者は、多くの自由を持ち、個人的に不法な仕打ちを受けることなく・・(略)』

身分制度に縛られた江戸時代にあって、武士は庶民の感情を傷つけないよう振る舞い、庶民の暮らしは、現代の私たちが想像する以上に自由だったのです。

                                                                                  9/23 中日新聞社説

2013年10月27日

憲法に守られる国民の自由と権利

江戸庶民は「自由と権利」を有していた


前号で、幕末に日本を訪れた外国人が、

「日本の民衆が幸福そうで、生活に満足している」 という
事例を紹介しました。

これは外国人から見て、江戸庶民が「自由と権利」を 有し
ていると観察したからです。


オランダの軍人カッテンディーケは、「日本政府は民衆に
対してあまり権力を持たず、行使していない」とも書いて
いる。

<権力を使わないから、自由>
江戸の庶民が、自由に見えたヒントはここにありそうです。
国家が権力を振りかざし、国民生活に介入することほど
怖いことはありません。

                                         9/22 中日新聞社説



1115 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

「憲法に守られる国民の自由と権利」


「自由よ伸びやかで」・・今の時代を生きる私たちにとって、”自由”の
響きは何とも伸びやかです。
憲法は、国民にいくつも自由と権利を保障しています。


現代の日本人は、過去の歴史から見て、はるかに確立された自由と権利を持っています・・日本国憲法で保障されているからです。

国民主権であり、国民一人ひとりの基本的人権が規定されているのです。

人権とは「人間が生まれながらに持っている権利」で、
「思想・良心の 自由」「表現の自由」など、憲法では国家はこれを侵してはらない約束事になっています。

「健康で文化的な生活を営む生存権」も、「教育を受ける権利」も、
「労働基本権」という社会権もあります。

経済的・社会的弱者を、国家が保障して守らせるのです。

だから私たちは、自由の空気を胸いっぱい吸うことができるのです。


しかし、ここにきて雲行きがおかしくなってきています。
自民党の憲法改正法案が、現実味を帯びてきたからです。

国民にとって、憲法第九条の改正は最大の問題です。
自由と権利を定めた十二条なども要注意です。


改正草案にはこう書かれています・・「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」


戦前、国民は「お国のため」という大義名分のもと、戦うことを強いられ、 公益に反する行為は「国辱」として弾圧された・・
あの悪夢がよみがえってくるような・・そんな匂いがするのです。


現憲法の同条文には”義務”の文言はありません。

国民に義務を押し付け、国家が「公益」や「公の秩序」に、国民を服従させようとの意図が、露骨に感じられるのです。


この草案では、国家に都合よく秩序の枠を決めることも可能です・・
なんと危険で窮屈なことでしょう。
国家が、私たちの権利に指を突っ込もうとしている・・
時代錯誤もいいところです。

                                                                                 9/22 中日新聞社説

2013年10月31日

今こそ憲法九条を考えるとき

「韓国軍、竹島で上陸訓練を行い、韓国メディアに公開」
「沖縄近海に中国軍機4機・・自衛隊機緊急発進」
日本政府は、その度に遺憾の意を相手国に伝え、抗議
するも、暖簾に腕押し・・                      10/26 中日


「日本政府が、領空侵犯した無人機を撃墜すると言明し
  ているが、中国機にこの措置が取られた場合は、一種
の戦争行為ととらえる」と述べた・・       10/27 読売

日本は国防軍を持たない故、隣国「中国や韓国、ロシア

にナメられるのだ」と、はがゆい思いをしている人が多い。
日本政府は、国内にナショナリズムの気運が高まるのを
恐れている。

総理が靖国参拝を中止し、隣国を刺激しないよう気配り

しているが、いったいいつまで、侵略国の汚名を払拭でき

ずに、隣国にへりくだり、謝り続けなければならないのか。


それでも尚、世界でただ一国、戦争放棄を明記した
第九条・平和憲法を守りぬくべきか・・



1116 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

「今こそ憲法九条を考えるとき」


戦後の混乱期、「堕落論」で一躍人気作家になった”坂口安呉”氏を知る人は少ない。

昭和21年”新潮”に掲載された「堕落論」・・国家のために死ぬのは当然・・と教え込まれていた当時の人々にとって、堕落こそ人間救済の道という、逆説的な省察は衝撃だったのです。


本質を見抜く洞察力に貫かれたこの随筆を機に、一躍人気作家になります。
安呉は反戦主義者ではなかったが、戦争を冷徹な目で見ていた。


「堕落論」の半年後、日本国憲法が公布された。「主権在民」「戦争放棄」「基本的人
権の尊重」を三大原則とする、新しい憲法です。


安呉の精神は、憲法論に遺憾なく発揮されます・・特に評価を与えたのが、国際紛争
を解決する手段となる”戦争”と、陸海空その他の”戦力を放棄”した九条でした。

「私は敗戦後の日本に、二つの優秀なことがあったと思う。
一つは「農地解放」で、
一つは「戦争放棄」という新憲法の一項目だ・・
ちっぽけな自衛権など、まったく無用の長物だ・・憲法で定められた戦争放棄を意識的
に活用するのが、他のいかなる方法よりも”利口”だ」
                                                     ~文芸春秋/安呉巷談~

「他国に負けじと軍備を整え、敵なる国と一戦を辞せず・・の考えに憑かれている国という国・・みんな滑稽なのさ・・彼らはみんな”キツネ憑き”なのさ」

「ともかく憲法によって、軍備も戦争も捨てたというのは・・日本だけということ・・そしてその憲法が人から与えられ、強いられたものであるという”メンツ”に拘泥さえしなければ、どの国よりも先に”キツネを落とす”機会に恵まれているのも、日本だけということは・・確かであろう」                                            ~文学界/もう軍備はいらない~

その当時、東西冷戦に突入し、核戦争の恐怖が覆っていた時代です。

軍備増強より、九条の精神を生かす方が現実的との指摘は、古びるところか、今なお新鮮さをもって、私たちに進むべき道を教えているのです。


自民党は今、安倍晋三首相の下、党是である憲法改正を目指しています。
自衛隊を「国防軍」に改組し、「集団自衛権を行使」できるようにする内容です。

首相は、世界の平和と安定に貢献する「積極的平和主義」を掲げている。しかし、ここで言う”平和”に・・実質はあるのか?  軍拡競争をあおったり、米国の誤った戦争に加担することが・・本当にないのか?


本質を見抜き、根源から問い直す・・”安呉の精神”が、今ほど必要とされる時代は
ありません。

                                                          10/21 中日新聞社説からの抜粋

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