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落語・二番煎じ

江戸小噺「跡継ぎ」


盗っ人が、せがれを呼んで・・
「お前も、もう十五にもなったのだから、

ぼつぼつ家業を継ぐ心づもりをせにゃなるま

い・・今夜大黒屋に押し入るから、見習いの

ためついて来い」

と、連れて行ったが、すぐに引き返して来た
ので、女房、あきれて・・

『どうしたんだい? こんな早く帰って来たり

して・・』と聞くと、盗っ人プリプリしながら・・


「あきれ返った腰抜けだ!先方に着いたとた

んにふるえ出し、何の役にも立ちやぁせん。

こんな意気地 のないやつは・・ どうせ・・
”畳の上”でしか死ねはせんわな」

************************************

畳の上での大往生など考えたこともない筋金
入りの盗っ人・・心意気はあっぱれだ。


                        山住昭文「江戸のこばなし」



1156 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

~ことば遊び~ 「落語・二番煎じ」


♪火事は江戸の華・・特に真冬は大火事が絶えないので、町内で自身番を置き、商家のだんな衆が交代で火の番として、夜回りをすることになった。

寒いので手を抜きたくても、定町廻り同心の目が光っているので、しかたがない。そこで月番のだんなの発案で、二組に分かれ、交代で一組は夜回り、一組は番小屋で・・酒を飲んで待機することにした。


最初の組が見回りに出た・・凍るような寒さ・・みな手を出したくない。

宗助は、提灯を股ぐらにはさんで歩くし、拍子木のだんなは、両手を裾へ入れたまま打つので、全く音がしない。


鳴子係りのだんなは、前掛けに紐をぶら下げて、歩くたびに膝で蹴る横着ぶりだし・・金持ちの辰っあんに至っては、握ると冷たいから、紐を持ってずるずる引きづっている。

誰かが「火の用心」と大声で叫ばなくてはならないが・・拍子木のだんなにやらせると、低音で「ひィのよォじん」と”謡”の調子になってしまうし・・鳴子のだんなだと「ちちちンつん・・ひのよおおじいん・・よッ」と”新内”


辰つぁんは辰つぁんで、若いころ勘当されて、吉原の火廻りをしたことを思い出し、「ひのよおおじん・・さっしゃりましょおお」と”廓”の金棒引き。


一苦労して戻ってくると、やっと火にありつける。

1人が月番に、酒を持ってきたからみなさんで・・と申し出た。

「ああたっ!ここをどこだと思ってるんです・・自身番ですよ・・
  役人に知れたら大変だ」

とはいうものの、酒だから悪いので、煎じ薬のつもりならかまわないだろうと・・土瓶の茶を捨てて”薬”を入れ・・酒盛りが始まる。


そうなると肴が欲しいが、おあつらえ向きに・・もう1人が、猪の肉を持ってきたという。
それも、土鍋を背中に背負ってくるソツのなさ。

一同、先程の寒さなどどこへやら・・飲めや歌えのドンチャン騒ぎ。

辰つぁんの都々逸がとっ拍子もない蛮声で・・たちまち同心の耳に届く。

「ここを開けろッ・・番の者はおらんか!」

慌てて土瓶と鍋を隠したが・・全員酔いも醒めて、ビクビク。

「土瓶のようなものを隠したな?」
『風邪よけに煎じ薬をひとつ・・』

役人、にやりと笑って
「さようか・・ならば・・わしにも煎じ薬を一杯のませろ」


仕方なく・・そうっと茶碗を差し出すと・・ぐいっと飲み、
「ああ、よしよし・・ これはよい煎じ薬だな・・
  ところで、さっき鍋のようなものを・・」

『へえ、口直しに・・』
「ならば、その口直しを出せ」

  もう一杯もう一杯と・・酒も猪もきれいに片づけられてしまう。


『ええ・・まことに申し訳ありやせんが、煎じ薬はもうございません』

「無いとあらばしかたがない・・拙者ひと回りまわってくる・・
  二番を煎じておけ」

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