« 寓話 「頑張る木こり」 | メイン | 死ぬ前に語られる後悔 »

学力テスト成績公表の是非

幸福の4条件

2011年ノーベル化学賞を受賞した化学者の

根岸英一氏が、大学四年の時に、生きる目的

とは何かを真剣に悩み考えた「幸福の条件」で

す。

健 康

どんな高い志があろうとも、健康を損ねてし

まえばそれまでだ。

家 庭

基軸は夫婦・・家族は円満でなければならない。 
妻や家族を幸せに出来ない者が、社会で人の
上に立ち、組織を束ねることなど出来るわけが

ない。
プロフェッション・職業
仕事を趣味に打ち込むことだ。
かつ、社会の役に立つ人間になる。
趣 味

趣味を持てば、人生はより豊かになっていく。



1262 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

「学力テスト成績公表の是非」


小6と中3対象の全国学力テストの学校別成績が、文部科学省の
方針転換で、この四月の一斉テストから公表してもよいことになった。


この決定の趣旨は「保護者や地域に対して説明責任が果せる」
「学力の改善につながる」というものです。
反対する側の意見は、「学校の過度な競争や序列化をあおる」
「弱者切り捨てにつながり、教育をゆがめかねない」などの懸念を
表明 している。

某学校で次のような実験をした・・
同じ問題を二つのグループに示して、違う指示を出した。

一方には「班のみなさんと話し合ってもいいですが、班ではなく
”個々の成績”を重視します。成績順に班の中の順番も決めます・・
他の子より頑張って良い点を取るように・・」


もう一方には「よく話し合って協力して、班の意見を取りまとめ、
”班”として少しでも良い成績を出すようにしなさい。
班の評価点数が、1人ひとりの点数にスライドします」


さて問題です・・どちらの班の得点の方がよかったでしょうか?
グループで話し合って下さい。

競争原理が働く前者のように思えるが・・逆なのです。
個々のノルマが問われる集団からは、共に協力して得られる
成果は生まれてこないのです。


過去日本人は、共に達成感が味わえる「協力・共同」の精神で、
物事に当たろうとしてきた・・それが日本人の強みでもあった。


同僚やグループ仲間の敗北なしに、自らの喜びが得られぬ西欧的
発想の「競争社会」よりも、共に達成感が味わえる日本人的発想の
「協力・共同」の方が、より大きな成果が望めるのです。


政府が学力テストをして、学校別の順位を公表する・・
新聞はそれを記事にして、学校間の競争をあおる。
学校はテスト対策に追われ、答案を改ざんするなど、不正まで行われるようになる・・
これは、教育現場に徹底した競争原理を持ち込んだ英国での話です。

「成績の悪い子は、テストの日は休んでほしい」
そんな思いが、先生の頭をかすめるようなら・・それこそ教育の敗北です。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.noevir-hk.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1908

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

ひとつ前の投稿は「寓話 「頑張る木こり」」です。

次の投稿は「死ぬ前に語られる後悔」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36