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禅宗/円相の教え

■「円 相」
禅寺に行くと、円相「〇」を描いた
掛け軸を見かけます。
これは何を意味しているのだろう・・

「この丸は 月か団子か桶の輪か
                   角の取れたる人の心」

禅における円相「〇」は、角の取れた
あるがままの心、人の心を表しています。

「円(まどか)なること太虚のごとく
              欠くることなく余ることなし」

「〇」は大空(太虚)のように、境目がなく
まん丸である。過不足なく、自由むげな悟り
の境地や、とらわれのない世界を表している。



1455 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「禅宗/円相の教え」

新しい年を迎えるとき、ふと生きてきた人生を振り返る
・・と同時に未来に思いをはせる。そのとき私たちは、
人生というものを”直線的”に見ている。

禅の教えに円相「〇」がある。
禅では、人生を円相に丸く考える・・
円には始まりも終わりもなく、無始無終・・どの一点を
おさえても終着点であると同時に、出発点になる。

この考えが、人生を意義のあるものに変えていく。
このことから二つのことが学べます。
その一つは・・
「どの一点をおさえても、今日まで生きてきた自分の人生
  の総決算の姿であり、同時にこれからの人生の出発点
  に立つ」という教え。

人生に降りかかる様々な困難を、どう受けて立ち、
乗り越えてきたか・・その生きざまが、今の自分の人格
になって表れる。何を思い何を語り、どう行動してきた
か・・その積み重ねの上に今の自分がある。

久々の同窓会に出席して・・学生の頃目立たなかった
友人が、ハッとするほど立派になっていたりする。
人生、物事をプラスに転じてきたか、マイナスに受け止
めてきたか・・その違いが今の自分に大きく影響する。

釈迦は、この世の中には四種類の人間がいると語って
いる。
1. 闇から闇へゆく人 3. 光から闇へゆく人
2. 闇から光へゆく人 4. 光から光へゆく人

人生の幸を”光”、不幸を”闇”に置きかえてみると
よくわかる。
人から見れば小さな不幸でも、そのことにいつまでも
こだわり、ひきずって、闇を5倍にも10倍にも膨らま
せてしまう人がいる。

一方、どう見ても闇にしか思えないようなことでも、
幸いと受け止め、自らの人生を高めるチャンスと受け
止めて、成長のかてにする人もいる。(次号に続く)

                            
愛知専門尼僧堂堂長 青山俊董老師

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