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2006年09月 アーカイブ

2006年09月01日

「ホールインワンの確率」

■衣装に見る、西洋と東洋の美意識の違い

(パキスタンの婚礼服)
京都美術館「えき」で、「世界の花嫁衣装展」を見た。 西洋のウエディングドレス風の 衣装が世界の主流。 全体の7割近くを占める。 次いで、一枚の大きな布地で 美しく包み込む装い。

母親が嫁ぐ娘のために刺繍を施し、 レースをあしらった手の込んだ 衣装は、世界共通。 娘の幸せを願う母の気持ちは いずこも同じです。

そんな中、和服だけが、どこの国にもない独自の衣装文化をかもし出し、際立って美しい。              

古代ギリシャの男性裸体像や、女性の裸体を描いた中世の名画のように、
「美しいものは見せればいい」というのが西洋の美意識。文化の違いが女性の着姿
に現れる。胸元を露出し、肢体のふくらみを美しく見せようとする、西洋のドレス。

反対に、中近東やアジアの美意識は、美しいもの、大事なものは、奥ゆかしく覆い
隠し、目立たなくする。女性の色香を、着る物の中に包み込む…。

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 139】
「ホールインワンの確率」

8月25日、プロゴルファー宮里三兄弟の次男"宮里優作"が、米男子PGA
ツアーで、何とワンラウンドに二回もホールインワンするという、米ツアー
初めての快挙をなしとげ、話題になった。

ゴルファーなら、誰もがあこがれるホールインワン。保険会社の調べでは、
約1000ラウンドに一回の確率だという。1ラウンドにショートホールが4つ
あるので、入る確率は4000回に1回ということになる。

私のように、平均月二回のプレーヤーは、ゴルフが出来ない冬場を除いて、
1年間のラウンド数は約20回。すると50年に一回、一生かけて一度あるか
ないかの確率になる。数字だけ見れば、宝くじに当たるようなもの…。

ホールインワンで記憶に残っているのは、滋賀県の竜王カントリーで、メーカー
主催のコンペがあったときのこと…。参加者は60人くらい。
その中に、180くらいのスコアを出して、ブービー賞を取った若い女性がいた。
その女性、ショートホールで、右に大きくはずれたボールが土手に当たって、
グリーンにこぼれ落ち、コロコロ転がってカップインして、ホールインワン! 
\(^O^)/
一生に一度あるかないかの確率といっても、このように、ゴルフを始めて間もなく、
運良くやってしまう人もいれば、ゴルフ漬の毎日でも、ゼロという人もいっぱいいる。
やろうと思って出来るものではない。拍手を打って、神様にお願いするか、
あるいは、一所懸命練習して、ニヤピン率を高めるしかない。

万一に備えて、ホールインワン保険に加入する人は、東京海上一社だけで約
200万人。同社で、昨年ホールインワンして、保険請求した人は約3600人、
わずかに0.18%。この数字からも、たやすく達成できないことが分る。

ホールインワン2回達成となると、更に確率は下がる。週1ゴルフアーなら
年間50回・20年間プレーした人で、250人に一人という極めて少ない確率。
ところがプロはすごい。米女子ツアー若手のホープ"ミッシェル・ウイー"は、
12歳のときに最初のホールインワンを出し、既に6回、一年に一回の驚異
的ペースで、将来、過去の最多記録を更新するのではと、期待されている。

世界最年少達成は、英国の5歳の坊やで、ギネスブックに載っている。
タイガー・ウッズは、6歳の時が最初というから、やはり只者ではない。
ものすごいのは、2002年、米国コロラド州の高地(空気が薄く、よく飛ぶ)、
「517ヤード・パー5」のロングホールで、ホールインワンが出たという記録がある。

ちなみに、今の私のレベルでは「イーグル」は難しい。でも、ワンラウンドで
14回チャンスがある。ホールインワンのチャンスは4回だから、確率で見れば
3.5倍になる。これは、プロの大会では実証済み。ホールインワンはたまにしか
出ないが、イーグルの出ない大会はない…。

聞いた話では、ホールインワンで記念品を配る慣習は、日本だけだそうで、
他国では余り例がないという。一緒にラウンドした仲間に、酒を一杯振舞う
のがせいぜいだという。

これは、個人より集団に重きを置き、人間関係と和を大切にする、農耕民族
日本人ならではの気配りでしょう…

2006年09月05日

大学を出ることの意味

週2回のメルマガを配信して4年、今日で400回になる。
課題を文章にまとめる過程で、過去の出来事・記憶がよみがえってくる。
そのとき、過去の出来事が整理されないまま、記憶として、
頭の中の引き出しに、たくさん仕舞い込まれていることに気づき、驚く。

この8月、何と50年ぶり、卒業後初めて、中学の学年同窓会に出席した。
昔話しに花が咲き、50年も昔のことがよみがえってくる。
話題が野球の話になった。現在長野県在住の秀才Y君、野球部員でもないのに、
当時のピッチャー、サード、選手のポジション・名前、ライバル中学との試合の
勝ち負けあれこれ、すごい記憶力。

学校近くの兼六園球場での巨人・中日戦、午後の授業をサボって見にいった。
その時のリリーフピッチャーまで、昨日のことのように記憶している。
そんなY君に、皆、感心することしきり…。

聞くと、当時の野球のことなら何でも、マニアックに覚えているという。
秘訣は、折に触れ話題にして、当時の記憶を呼び覚ますこと…。
ほおっておくと、引き出しの奥に仕舞い込まれ、取り出せなくなってしまう。

【心と体の健康情報  - 259】
~子育て心理学~
「大学を出ることの意味」

イギリスのブレア政権は、高等教育を受けられる子供の数を、五割に引き上
げようという数値目標を掲げた。多くの大学では、この方針に従い定員を増
やした。結果は、学生の質を悪くしただけだった。

日本はどうか? 政府の統計によると、18歳になった青年は、1992年は
205万人、97年は168万人(20%減)、2010年は120万人(40%減)に
なり、以後減ることはあっても、増えることはないという。

今年の就職戦線。内定通知を出しても、更に優良な企業を求めて企業訪問を
繰り返し、断ってくる学生が後を絶たず、予定した新卒者が確保出来なくて
困っているという。
2005年を境にして日本の人口減が鮮明となり、現在の人余りから、人手不足
の時代へと、日本の雇用構造がガラリと変わっていくことが予測される。

そうした少子化の中、4~5年後には大学の生徒不足から、現在の"高校全入"
から、誰でも大学に進学できる"大学全入"が当たり前になるだろう。その結果
大学を出ても、高卒並みの仕事しか与えられなくなり、良い会社に就職し、良い
仕事にありつくには、「大学院」を出なければ、ということになってくる。

そのような現象は、大学出という「学歴」に価値を求める、社会構造に責任があ
るのであって、大卒者が優秀な人材であることを、証明しているわけではない。
世の中、大卒や大学院卒だけで動いているわけではないだけに、「一人ひとり
が持つ能力や特性を伸ばしていく」、そんな教育環境づくりが急がれる…。

日本の大手企業のほとんどは、能力評価システムによる年俸制を導入している。
過去、日本の社会の職場環境と組織は、年功序列によって守り、維持されてきた。
それが、アメリカ式経営手法、能力優先の導入によって、社風を全く違ったものに
変えてしまい、それが、モラールの低下を招く原因になっている。

会社で「自分は一体どのような能力を生かして、お役に立てるのか?」。
一人ひとりの能力が求められ、比較される時代になった。ところが今の教育界、
大同小異、同じ顔をした同質の人間しか送り出せなくなっている…?

例えは、学生に何かテーマーを与えると、全員が ホームページを開き、写し
出されたデーターを答えにしてくる。全員がほぼ同じ答えになってしまい、
自分を際立たせることにまで、思考が及ばない。友人の大学教授から伝え
聞いた話しです。

2006年09月08日

「護国神社参拝に思う…」

中国が恐れていることの一つに、日本が核保有国になることがある。
それをけん制する意味で、中国は「靖国」を問題にしていると、知識人は言う。
日本の外交戦略は正直過ぎる。

小泉首相の靖国参拝と、北朝鮮の軍事ミサイル発射と、どちらが相手国には脅威
だろう? 中国の内政干渉に、賛成だ反対だと騒いでいる日本。何とも情けない。
中国の仮想敵国であり、核保有国のインドは、しぶとい。この機に乗じてミサイル
実験をやった。国際社会からの非難はない…。

国際法上、明らかに日本の領土である竹島。つい最近、領海を定めようと、ソウル
で話し合いが持たれた。が、双方相譲らす。それどころか、「韓国が竹島周辺を調
査をする時は、日本に通知する義務はない!、日本が調査する時は、韓国政府の
了承なしにやってはならない」と…。
不法に占拠しておきながら、この言いぐさ。これが外交というものだろう。

「北朝鮮が核を保有するというなら、日本も防衛上、核を保有するしかない!」
「北朝鮮のミサイル発射を、中国やロシアが目をつむるというなら、日本もミサ
イル実験をやる!」と…。
そんなつもりはまったくなくても、世界に向って"ハッタリ"をかませ、"タンカを切る"
くらいのしたたかさがないと、中国やアメリカ、韓国は日本を軽視し続け、拉致問題
に目を向けることもないだろう…。


【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 140】
「護国神社参拝に思う…」

先週の日曜日、厚生年金会館の催し事に参加した折、隣接の護国神社に参拝し
た。石川護国神社は、戊辰の役で戦死した人たちを祀るため、明治3年に創建。
その後、明治・大正・昭和と、国のために戦った石川県ゆかりの戦没者、約四万五千柱が祀られている。

境内には、太平洋戦争戦没者の慰霊碑が、大小所狭しと並んでいる。中国に進
駐して戦死した、金沢陸軍第九連隊の慰霊碑には、沢山の若者の名前が刻まれ
ている。陸軍航空隊で散っていった、七十数柱を祀った慰霊碑もあった。
それらの慰霊碑の前に立ち、建立の趣旨を読み、黙祷した…。

戦後教育の中に育った私。学校でも、社会人になって後も、お国のために亡く
なった先人たちの霊を慰め、敬い感謝することを、教えられたことはなかった。
だから、命を賭して戦った先人たちによって、今の平和があることに…気づか
ず、感謝することがない…。
境内は人影もなく、シンと静まり返っている。忘れ去られてしまったかのよう…。

過去敵国であっても、国賓として招かれたら、まずその国の戦没者慰霊碑に
頭を垂れるのが、国際社会の慣わし。
広島や長崎の原爆慰霊碑の前は、参拝する人で溢れかえっている。
修学旅行生はもとより、日本人であれば一度は訪れ、瞑目したであろう。
ところが明治以降、お国のため、家族のため、身を挺して死んでいった先祖の
御霊に、敬虔な心で参拝する人は、まれである。

靖国神社は、戦犯合祀問題で揺れている。しかし、石川護国神社には、戦犯は
祀られていない。戦犯が合祀されているから、お参りしないという人…、護国神
社なら参拝するのでしょうか?
元からその気のない人が、「日本のためにならない!」と、参拝の是非を語ると
したら、どうなんでしょうか…?

私達は、国の為に戦い、死んでいった先祖を敬おうとしない。そのような恥ずか
しい民族は、もしかしたら日本人だけかもしれない…。
過去二千年、異民族に国を蹂躙されたことが一度もなく、婦女子が辱めを受け
たことも無い。それが、国を大切に思う心の希薄さに、繋がるのでしょうか…。

江戸から明治にかけて、西欧諸国から敬意をもって見られた、倫理観に溢れた誇り高き日本人は、 どこへ行ってしまったのでしょう…。

2006年09月12日

大学を出ることの意味(2)

■ことば遊び 「どっこいしょ」 の語源
夏山シーズンが終わった。富士山に登る時「六根清浄 (しょうじょう) 」を唱える。
ところで「どっこいしょ」の語源は? たどると「六根清浄」に到る。
その言葉の意味は… 

「六根」とは、以下の六つの生命の識別器官のことを言う。
「眼(視覚)・耳(聴覚)・鼻 (嗅覚)・舌(味覚)・身(触覚)・意(心)」
「六根清浄」は、 六根に具わる煩悩の汚れが、清浄となる功徳をいいます。
その罪障とは…
『眼は不浄のものを見、耳は不浄の音を聞き、鼻は不浄の匂いをかぎ、
舌は不浄のものを食い、身は不浄のことを思うことである』 

今の日本に生きていれば、いや応なしにそうならざるを得ない。
そこで、それらのものを見ず、聞かず、かがず、食わず、さわらず、思わず、
身も心も清浄無垢になることを、「六根清浄」という。

神聖な神が宿る山に登るとき、そうなりたいと願う祈りの言葉が、自然と口から
湧いて出る。仏教語では、この六根清浄を略して「六根浄」という。
そこで六根浄、六根浄、六根浄と、何度も繰り返していると、「どっこいしょ」に なる…。

【心と体の健康情報  - 260】
~子育て心理学~ 
「大学を出ることの意味(2)」

中国は、日本や韓国より受験戦争が激しい。人口が多い上、一人っ子政策が
後押しする。親は、たった一人の我が子を、良い学校へ入れようと必死になる。
今や、一般家庭の支出の中で、教育費は住宅費に次ぐ…。

日本や韓国も、親は自分の資産を我が子に投資する。足りないとローンを組み、
自分の親にも援助を仰ぐ。子供の大半は塾に通っている。日韓の親は、教育熱
心なわけを、「いい大学に進学できれば、いい会社に就職できるから」と、口を
そろえて言う。
ただ、それで社会人として成功するかは別の話し…。"その確率が高くなる"と
いうだけである。

以下、英国デーリー・テレグラフ紙の特派員C・ジョイス氏の、大学受験に対する
英国人の考え方です。
「英国では、何がなんでも我が子をいい大学へ行かせようと思っている親は少ない。子供に強いプレッシャーをかけるのは、 精神的に良くないし、無理に有名大学に入れようとして失敗したら、子供には大きな障害になると考える。

日本では、いい大学に入って、いい会社に就職できないと、人生の敗残者のように世間は見る。英国や米国では、 そんな考え方をしない。自分なりのいい生活を見つけて、人生を楽しむことの方が、よほど大事である。

子供に能力があれば、大学に進学させればいい。ものごとを沢山学ぶことは、人生を面白くするからだ。
本来、勉強は楽しいもの。ところが日本の学生は、勉強を「義務」と考えている。目的もなしに大学へ行く。 大学に行くことが義務になっている。受験制度と、学歴社会がなせる問題だろう…。

日本の学生は、沢山の情報を詰め込むけれども、そうすることの意味を考える学生は少ない。 こんなことを言うと失礼になるが、日本の大学生と話しをしていると、質の低さを感じる。
頭はいい。でも、「私はこう思う」と主張するところがない。
議論ができない。自分でものを考える習慣が出来ていないからだろう…。」

2006年09月15日

「知られていない 本当の中国(4)」

少し前の号で、中国や韓国には、庶民の暮らしに密着した"お祭り"がないという
話をした。日本にお祭りがなかったとしたら、どんなにつまらないだろう。

昭和39年、19歳の時、津幡の河合谷の夏祭りに招かれ、ご馳走になったことが
ある。普段は質素な山村。お祭り当日、数日前から準備したご馳走が、テーブル
いっぱい並べられた。会社の同僚に招かれた私、大いに飲み、お腹いっぱい
ご馳走になった。
河合谷の三ッの村が、三年に一度持ち回りで、隣村の人達をご馳走するのが
習わし。知らない人であれ誰であれ、座敷に上った人は、飲み食いすべて無礼講
…。
正月、尾山(金沢)へ出かけ、初売りと映画を見るのが楽しみな、娯楽の少なかっ
た時代…。河合谷の夏祭りは、正月以上に心待ちの行事だったのです。

私の家にも、少し似た風習があった。春と秋のお祭りには、母親が腕に依りをか
けた赤飯やご馳走を、お重に詰めて親戚に配った。普段の食事は質素なだけに、
親戚のお祭りで、わが家に届けられるご馳走。家族みんなの楽しみだった。

今は、食べたいものを、食べたい時に、好きなだけ食べられる、飽食の時代。
いつの頃からか、こうした親戚づきあいをやらなくなった。


【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 141】 
「知られていない 本当の中国(4)」

今年3月から4月にかけて、金沢に黄砂が降り、車が薄汚く汚れることが、
何度もあった。例年よりひどかったように思う。
以下、PHP研究所 拓殖久慶著「中国の本当の危なさを知らない日本人」
からの抜粋です。

毎年3月になると、北京を中心とする河南省や山東省などは、
ゴビ砂漠やタクマラカン砂漠から飛んでくる黄砂に悩まされる。
ここ数年は飛んでくる砂の量が多くなって、航空機の発着にも
影響が出るほど…。

中国は砂漠化が進んでいる。既に国土の20%近くが砂漠。
黄河流域のかなり太いベルト地帯で水不足が続き、農地が荒廃して
いる。毎年、日本の小さな県一つくらい、砂漠化しているのです。
北京の東北200キロの所にあった砂漠が、今では北京郊外70キ
ロ、万里の長城のすく外側まで、押し寄せてきているのです。

総人口14億の70%が農民の中国。干ばつ…砂漠化で7%、日本
の人口に匹敵する1億人が耕地を失い、土地を捨て、大量の遊民
となって都会へ流れ込んできたなら、中国政府はたちどころに崩壊
してしまうだろう。

中国の温家宝首相が六月中旬、アフリカ七カ国を歴訪した。一月には外相が、
四月末には国家主席が、この半年の間に三度も中国首脳がアフリカを訪問し、
アフリカとの関係強化に躍起となっている。
石油輸出で中国向けがトップのアンゴラ、鉱物が豊富な南アフリカ、タンザニ
アなど、エネルギー資源確保に、中国は必死なのです。

ブラジルの農家に中国のブローカーが大挙入り込み、好条件の長期契約で、
穀物の買い付けをしていると、NHKが特集していた。日本の商社の縄張りであ
ろうとおかまいなし。食料確保のため、農家の囲い込みに必死なのです。

上海の「エース鞄」の工場を見学した時聞いた工場長の悩みは、突然の停電。
電力不足が解消されず、自家発電で補っているという。
中国の急速な経済成長が、エネルギー不足を更に深刻なものにする。石油や
天然ガスなどのエネルギー資源の確保に、それこそ狂ったように邁進。
その結果、国際的な原油不足を招き、ガソリン価格が遂に140円を突破。
私たちのふところまで脅かすようになった。

石油を売ってくれるなら、核開発で国際社会から孤立している
イランだろうが、内戦虐殺のスーダンだろうが、アメリカと関係が
よくない産油国に照準を当て、石油採掘権獲得を目指す中国。
ミサイル技術や武器供与を交換条件に、相手構わず…。資源国と
友好を深めるためなら、核兵器の技術すら譲りかねないありさま…。

ついには、アメリカの石油資本大手、ユノカル買収に名乗りを上げ
た。驚いた米国政府、かろうじて阻止したという一件まで起きてい
る。この先中国、このまま工業化が進めば、地球上の資源をがぶ
飲みする怪獣と化すだろう。

2006年09月19日

自分らしく生きるとは?

「神様からのメッセージ」  大野勝彦(詩絵集/やっぱいっしょがええなあ)

な…体が欠けたんじゃ、それでも生きるんじゃ、それだから生きるんじゃ…
何だ偉そうに、「格好悪い、ああ人生おしまいだ」なんて、一人前の口を叩くな

あのな、お前が手を失って、悲劇の主人公みたいな顔して、ベッドでうなって
いた時な… 家族みんな、誰も一言も声が出なかったんだぞ
ご飯な、食卓に並べるのは並べるけど、
箸をつけるものは、だぁれもいなかったんだぞ
これまで一度も、神様に手なんか合わせたことがない、三人の子どもらナ
毎晩、じいさんと一緒に正座して、神棚に手を合わせたんだぞ…

バカが、そんな気持ちも分らんと、「なんも生きる夢がのうなった」だと…
そんなこと言うとるんだったら、早よ、死ね! こちらがおことわりじゃ
(途中略)
両手を切って、手は宝物だった。持っているうちに気づけばよかった
それに気づかんと、おしいことをした。それが分かったんだったら…
(途中略)
あの三人は、いじらしいじゃないか。病室に入ってくる時、ニコニコしとったろが
お前は、「子達は、俺の痛みも分っとらん」とグチ、こぼしとった…
本当はな、病室の前で、涙拭いて「お父さんの前では、楽しか話ばっかするとよ」
と、確認して、三人で顔でうなずき合ってから、ドアを開けたんだぞ…
(途中略)
歯をくいしばって、度胸を決めて、ぶつかってこんかい!
死んだつもりでやらんかい!
もう一遍言うぞ、"大切な人"の喜ぶことをするのが人生ぞ! 時間がなかぞ…

【心と体の健康情報  - 261】 
~幸せな人生を歩むために~
自分らしく生きるとは?」

「仕事と人生」、どっちの方が大きく、大事だろう…? 
仕事が人生をつくり、人の一生に大きく関わっていく。が、"人生"という器は
一つだけ! 壊れてしまえばそれまでだ…。仕事という器は、いくらでも代わ
りがある。人生の器の方が、仕事の器より遥かに大きいことに気づく…。

そんなことに気づかず、小さな器の仕事に、大きな器の人生を無理やり押し
込んで、あがいてはいないだろうか…。一度しかない人生…仕事で人生を
犠牲にするようなことがあってはならない…。

二回に渡って、「大学を出ることの意味」を考えてみた。
大学進学は、自らが志す人生目標への、大切なステップ。ところが、なぜか
大学に合格することが目的になり、合格し、夢が叶ったら、気が抜けてしまい、
それから先の人生を深く考えようとしない。

目標がなければ、今に目が向く。我慢し続けた青春を、取り戻そうとするかの
ように、バイトに遊びに夢中になる。人間を磨かなければならない大切な時を、
無為に食いづぶす若者が目立つ…。

そんな若者が多くなったのは、社会人になった後の、幸せの掴み方・考え方に、
拒否反応を示す若者が増えてきたからではないでしょうか…?
幸せとはほど遠い人生を、大人たちが懸命に歩いている姿を見て…、
どうしたら「自分らしい人生」が歩めるか…、見つけられないでいる。

大学を出て、難関を突破して入った大企業。家族に祝福され、その時は未来が
約束されたかのように思う。入社してまず驚くのが、社内に溢れる優秀な人材。
頑張らなければ、取り残されてしまう。
勤めた会社で、人生の成功を掴むには、出世競争に打ち克たなければならない。
業績を上げ、高い評価を得ようと、懸命にならざるを得ないのです…。

ようやく学力競争から抜け出たと思ったら、今度は仕事漬けの人生…どこまで
いっても競争、競争…きりがない。家庭や家族を犠牲にしてまで、追い求める
ことには思えないのです。人生、どう生きればいいのか…、将来が見えてこな
いのです。
経営者を見る目、売上額と従業員の数で、経営者の器の大きさを推し量る。
故に?どの経営者も、会社を大きくしようと懸命になる。
たまたま運に恵まれ、時流に乗って会社を大きくしても、経営環境が変化して、
為すすべも無く会社を潰してしまう。そんな事例を数え切れず見てきた。

拡大路線をひた走り、器以上の会社にしてしまったがゆえに、支えきれなくな
って、仕事だけでなく、家族までも失ってしまう羽目に…。己の器に合った堅
実な経営を心がけていれば、幸せな人生になっただろうに…。

経営に失敗し、自殺まで考える社長さん。今の仕事に人生のすべてが凝縮され、
とても手放せないのは分ります。人生より仕事の方が大事なのでしょうね? 
でも、自分と家族の幸せのための仕事でしょう…。突き放して、客観的に見つ
めれば、今の仕事、幸せな人生を手にするための、手段にしか過ぎないのです。

だから、今の仕事で幸せになれないのなら、サッサと諦め、新しい人生を模索
すればいい…。今の仕事にこだわるばっかりに、人生を、未来を、見失なうこ
とになってしまう。

ある日、突然の事故で両手を失った"大野勝彦"氏。
昨日までの家業で、天職の農業。その農業を諦め、新しい人生を模索しなければならなくなった。

事故がきっかけで、それまで隠れていた才能が開花した。
絵手紙詩画の第一人者として、その名を日本中に知られるようになった。
今までの人生の何十倍も、世界が広がったのです。
   (9/14 石川TV・PM8時 アンビリバボーで放映)
これは例外かもしれない。
が…人の一生、 「吉凶禍福はあざなえる縄のごとし、人間万事塞翁が馬」
何が良くて、何が不幸か、 過ぎ去った後になってみなければ分らない…。

2006年09月22日

「落語・疝気(せんき)の虫」

■ことば遊び「変換ミス…その2」

パソコンや携帯メールの変漢ミス、本人は意外と気づかないものです。
2005年度・日本漢字能力検定協会が発表した「変換ミス年間賞」です。 

「今年から 海外に住み始めました」と、メールしたつもりが…。
『今年から 貝が胃に棲み始めました』と、間違って送られた。
メールを貰った人、さぞや驚いたことでしょう。

・最近エントリーされた作品
「八日以後」が、『要介護』    「耳下腺炎」が、『時価千円』
「リスト表を送ります」が、『リスとヒョウを送ります』
「運転席側に置きっぱなし…」が、『運転席がワニ置きっぱなし…』

・私の作品
役人が職場で「職権乱用」が、『食券乱用』

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 142】
~ことば遊び~ 
「落語・疝気(せんき)の虫」

落語の下ネタ、艶笑落語の面白さは、三遊亭歌奴(現在の円歌)が教えてくれた。
「山のあなあな…」で一躍有名になった、あの落語家です。
当時、歌奴はまだ真打。歌奴を含む芸人一座が、県内各地をどさ回りして歩いていた。私は、社命でその一座に加わり、一月余り、幔幕張りやゴザ敷きなどの、下働きをさせられた。
一日の出し物を終え、座員がくつろいでいる頃、歌奴はみんなを労おうと、艶笑小話を披露した。「お風呂の中でオナラをしたら、男のオナラ、元気よく飛び出してきたのはいいが、前にある邪魔なもの?に引っかかって……、女は…」、
みんな、お腹を抱えて笑いこけた。

寄席では、艶笑落語のたぐいのシモネタはやらない。年頃の娘さんがポッと頬を染める程度の噺に止める。ところが最近では、娘さんがケラケラ笑い、五十・六十のいい年をしたおじさんが頬をそめる…というのが一般的なようで…

♪江戸時代、冷えからくる腰や腹の痛みを、"疝気"と呼んだが、病気といえる病気ではないので、医者も手を焼き、効きもしない薬を与えたり、冷やさぬよう にと、注意するくらいであった。
昔から、蕎麦(そば)は、体を冷やす食べ物で、「蕎麦は疝気に大毒」と言われ ている。
見たこともない虫が現れたので、医者は首を傾けていたが、刺されたりしては かなわないから、潰してしまおうとした。
すると、虫が命乞いをした…「なに、助けてくれ? お前はなんの虫だ?」
『へへへ、疝気の虫なんでこざんすよ…』

疝気の患者を治そうとしても、うまくいかず悩んでいた医者、いい機会だと、
「お前はどうして人の体に入って、人を苦しめるんだい?」
虫が言うには、人を苦しめる気はないが、蕎麦が好物なので、 人が食べたのを頂く。すると、威勢がよくなって運動せずにはいられなくなり、 筋を引っ張ったりするので、人が苦しむのだと言う。

いいことを聞いたと思った医者。さり気なく、嫌いな物を尋ねると、 "唐辛子"だという。『体ィついたら、そこが腐っちゃうんです』
「唐辛子と蕎麦が同時に入ってきたらどうするのだ? 」
と、さらに突っ込むと、恐いから、みんな別荘に逃げ込んでしまうらしい。

別荘とは"睾丸(ふぐり)の袋"だが、そこに非難するのである。
安全だと判断したら出てきて蕎麦を食べ、運動のため筋を引っ張るとのこと。
「人の体は、お前にとっては大家さんみたいなもんじゃないか…。   なぜ苦しめるのだ…」

意見していて、気がついたら夢であった。
そこへ往診の依頼があって、疝気で苦しんでいる患者がいるという。
患者の妻に問うと、お昼に蕎麦を少し食したとのこと。
「蕎麦!蕎麦はいけませんよ!」

治療の方法を教えるからと、奥さんに「盛りそばを注文するように」言うと、
けげんな顔になった。「それから、唐辛子水を丼に一杯こしらえて…」
蕎麦が届いた。食べるのは奥さんで、亭主は匂いをかぐだけ…。

別荘に潜んでいた疝気の虫が、匂いに気づき、次第に上がってきた。
口まで上ってみると、蕎麦は前の口に入っているので、 疝気の虫は、奥さんの口に飛び込んだ。たちまち暴れ出したので、 奥さんに唐辛子水を飲ませると、疝気の虫はパニックになって、
『大変だ、別荘へ…別荘、アレッ!別荘がない!』

ここで高座の古今亭志ん生、きょろきょろ見回し、困惑顔で立ち上がると、 しきりに首をひねりながら退場…。会場大爆笑

2006年09月26日

勉強の出来ない我が子

十代のとき病気になり、10年近く長期療養。隔離病棟に入っていた時期もある。
病気を早く治したいと思うなら、おとなしく寝ているしかない。
退屈な日々、暇にあかせて読んだ経営書の中に、「蟹変(ぜいへん)の哲学」
というのがあった…。後に、それが私の"生き方信条"になった。

「蟹変の哲学」とは、蟹は自らの成長に合わせて脱皮を繰り返す。同じように、
「人は成長するにつれ、身の丈に合った脱皮をしなければならない」という教えで
す。
人生、脱皮をしなければならない時が必ず来る。いつまでも同じ甲羅に安んじて
いては、それ以上の成長は望めない。今の平穏に満足することなく、さらに大き
な飛躍を求め、自ら脱皮し、一歩足を踏み出す…。

更には、「必要以上に不釣合いな甲羅を求めたりせず、大きすぎず、小さすぎず、
己の身の丈に合った甲羅を身にまとうべし」、という戒めの意味も込められている
…。


【心と体の健康情報  - 262】
~子育て心理学~
「勉強のできない我が子、両親はどう導く?」

森永ヒ素ミルク事件、豊田商事事件等に関わったことで有名な、元日弁連の会
長で、弁護士の憧れの的"中坊公平"氏。幼少の頃、さぞや頭のいい神童と思
いきや、成績は"丙"ばかりの、勉強のできない落第生だったのです。

公平少年、小学校三年生の頃、あまり成績が悪いので、担任の先生、父親を
教員室に呼んで、言った。
「ご両親共、過去に十数年も小学校の教員をしておられたのですから、ご家庭
でお子さんを教えたらどうですか? そうすれば、学校の成績も良くなると思う
のですが…」
『先生、どうか気にしないでうちの子に"丙"を付けてください。私たち夫婦は、
小学校の教師の経験があり、子どもを教育することは、何でもありません。
しかし、私が思うに、息子に補習を施せば、おっしゃる通り少しはマシになる
でしょう。しかし、それは何を意味するのでしょうか?

所詮は"鉄に金メッキ"を施しているに過ぎないと思うのです。 残念ながら先生
のおっしゃる通り、息子は金の才能を持ち合わせておりません。鉄の才能しか
持たない人間として、この世に生まれてきたのです。補習をすれば成績は上る
でしょう。
でも、鉄は鉄。鉄に金メッキを施したところで、社会人になって後、メッキと
いうものは必ずはがれてくる。その時こそ、この子にとって、問題なのです。

それよりも息子が、自分は"鉄"の才能しかない人間であることを自覚した上で、
鉄としての人生をどう生きていくのか、 それを息子に教えることの方が、
学校の成績を良くすることよりも、大事だと思うのです』

自分が鉄の人間であることを自覚した公平少年。その後、自分の頭の悪さを
補うためと、素晴らしい処世術を見つけ出した…。         
                                  この続きは次号10/3

2006年09月29日

「外交の本音」

■ことば遊び 「ロシアのジョーク」
無人島に漂着した三人の男に、神様が二つずつ、願いをかなえてくれることになった。

アメリカ人は、「国に帰りたい。それと、1億ドルの現金が欲しい」
フランス人は、「国に帰りたい。それと、とびっきり美しい女性を妻にしたい」
最後に残ったロシア人、「ウオッカを1ダース。それと飲み仲間が欲しいな…。
                そうだ、一緒にいた二人を、無人島に呼び戻してくれ」

ところで日本人だったら、どんな願いを二つするでしょうか? 
即、日本人と分る面白いジョーク、どんなものがあると思いますか?

<吉村の作品>
日本人は、「日本と無人島を自由に往復できる、大型ヘリが欲しいな。
                     それと神様、無人島に温泉付別荘を…」

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 143】
~歴史から学ぶ~
「外交の本音」

外交の場で、本音が語られることはまれであろう。建前論に終始し、建前を
応酬し合っているうちに、それがいつしか「べき論」になって、そうあることが
あたかも正論であるかのごとく、一人歩きしてしまう。

イランからの石油依存度の高い日本。イランの核開発や、イスラエルのレバ
ノン侵攻は、よそ事では済まされない問題。

「パレスチナとイスラエルは平和裏に共存すべき」は、国際社会の「べき論」で
ある。イスラエルに本音を言わせれば、平和共存によってパレスチナが繁栄し
、国力をつけたなら、それはイスラエルには「脅威」。
だから、「パレスチナは分裂したまま、自国に挑戦できないほど弱々しい国家
であって欲しい」となる。

アメリカが北朝鮮と和解するのは建前。韓国の「できるだけ早く統一したい」も
建前。韓国人の本音は、「今統一することには反対だ。せっかく1万5千ドルに
なった国民一人当たりのGDPが、大きく落ち込むことになる。今より生活水準
が低下することは、誰も望まない」
                    7/1 読売新聞 伊藤洋一「外交の本音」より

中国政府の小泉首相の靖国参拝に対する、しつようなまでの抗議姿勢もそう。
反日的国民感情の裏に、日本の国連安保理常任理事国入りの反対があったと、
在日中国人作家が、新潮社「憤青」の中で語っている。

トウ小平時代に始まった市場経済への転換は、抑圧されてきた大衆の欲望を解放
した。が、公平な競争社会のルールづくりが間に合わず、貧富の地域差を生み
出した。
靖国参拝は、そうした中国国民の不満の目を国外に向わせるために、政府が
意図的に仕組んだもの…。現に、日本の常任理事国入りが、中国だけでなく、
アメリカの反対で見送られてからは、靖国に対する国民の加熱を抑制するよう
になった。
日本の親中派の財界人や、国会議員の一部は、表面上の"靖国問題"に囚われ、
その問題を解決することが、日本の平和につながると信じて疑わない? 
中国の巧妙な外交策略に乗せられてはならない…。 

日本人の欠点は、集団の多数が賛成すると、それに異議を唱えたり、自らの
意見をはっきり述べることをしない。「和」の精神が先に立って、口をつぐんで
しまうのです。怖いのは、過去に犯した過ちを繰り返すこと。

NHK朝の連続ドラマ「純情きらり」。舞台は戦時中の昭和18年。主人公の
油絵画家やジャズ奏者が、西洋カブレと隣組だけでなく、近所の子どもたち
からも、非国民呼ばわりされた。
歴史は繰り返すというが、世論が建前に引っ張られ、物事の本質を見極める
ことができなくなり、国の行く末を誤らせるようなことには、絶対したくない。

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