2326 「吉村外喜雄のなんだかんだ
心と体の健康 「粘り強くあきらめない姿勢」
失敗を繰り返すと気力が失せていく。
新しいことを試そうとするエネルギーも、
失われていく。
心理学者マーティンは、犬を3つのグループ
に分け、電気刺激を与える実験を行った
1のグループの犬は「電気刺激を与えない」
2のグループの犬は「電気刺激を与えるが
眼の前のボタンを押せば、刺激を止めること
ができる」
最初は驚くが、しばらくするとボタンを押し
て、その電気刺激をコントロールできること
を学ぶ。
3のグループの犬たちは、「電気刺激を与え
るが眼の前のボタンを押しても、電気刺激を
止めることができない仕掛けになっている」
結果、3のグループの犬たちは、自分の力で
は辛い環境を変えることができない無力感に
陥る。
こうした学習体験をした犬たちに電気刺激を
与えると、1と2のグループの犬は逃げよう
とするが、無力感に囚われた3のグループは
あきらめて動こうとしない。
当初3のグループが注目されたが、その後、
2のグループの、あきらめない姿勢が注目
されるようになった。
2の犬たちは、あきらめないで、あれこれ
やっているうちに、対応できるようになった。
すると、次に困ったことが起きても、対応策
を考え、粘り強くあきらめずに行動をするよ
うになった。
認知療法研究開発センター・大野裕