2297 体内環境を整える「時間制限食」

2297 [吉村外喜雄のなんだかんだ]
食と健康 「体内環境を整える時間制限食」

筋肉脂肪から、延命に関わる酵素が血液中
に分泌され、脳内の特定神経細胞に届けられ

届けられた酵素が働いて、特定神経細胞の
サーチュインと呼ばれる遺伝子を活性化させ
、老化を抑え健康寿命を伸ばす重要な働きを
する。
そのサーチュインを更に活性化させるには、
カロリーバランスより、食事の摂り方が大事
になってくるのです。
健康寿命を伸ばす鍵は食事です。 ポイント
は何を食べるかではなく、「いつ食べるか
なのです。

下の写真はワシントン大学教授・今井眞一郎
さんの朝食です。今井さんの朝食は、一般に
私たちが食べる夕食に当たります。

昼は私たちと同じような昼食を摂り、夜は
食事抜きでワイン1~2杯、ナッツ・フルー
ツを口にする程度に済ませ、夕食を摂りませ
ん。
食事をすると血糖値が上がります。
その数値が元に戻るのに3~4時間要します。
血糖値が高い状態で就寝するのは良くないの
です。
上記の食事パターンは、血糖値が高い状態で
就寝しないようにするためです。

いつ食べるかで、人間が約24時間周期で
体内環境を整える・・体温や血圧、睡眠、
ホルモンの分泌などに重要に関わってくる。

この食事の摂り方を、一定の時間内に食事を
終える「時間制限食」と名付け習慣化する。
体の様々な代謝障害とか、臓器の機能障害が
改善することが明らかになった。

以下は時間制限食のモデルケースです。
朝食は7時、夕食並の高カロリーメニューに
12時の昼食は日頃の私たちと同様の食事。
夕食は軽く5時までに済ませる。

 

     ワシントン大学教授・今井眞一郎

2296 21世紀美術館に加賀藩ゆかりの茶室が

2296 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
歴史から学ぶ
「21世紀美術館に加賀藩ゆかりの茶室が」

金沢21世紀美術館の片隅に、約700年の
歴史ある茶室がある。
鎌倉時代に建てられ、その後茶室に整備され
た。加賀藩の歴代藩主は茶の湯を好み、12
代藩主の江戸の隠居所の居室になっていた。

前田家は皇室とも関わりが深く、本郷の前田
邸には明治天皇が行幸している。
鎌倉に別荘として移築してからも、天皇の
ご家族や、大正天皇が皇太子のとき、
この別荘に滞在している。

戦後、元総理の佐藤栄作が夫人と共に数年間
別荘として使用した、由緒ある茶室です。
故に、柱や天井、室内造作、建具など、
隅々に至るまでさりげなく手が加えられ、
職人冥利につきる建物になっている。

建物は、石を並べた上に柱を立て、釘は一切
使われていない。昨年の能登地震の時は、
建物が堅牢なのに驚いたという。

加賀藩のお膝元金沢は茶道が盛んで、
庶民に親しまれてきた。
戦後、金沢の料亭「ごり屋」に移築。
平成13年金沢市が取得して、16年現在の
場所に移された。
           
母屋の名は「松涛庵」。座敷で行う茶会席
と、椅子に腰掛けて茶会を行う「立札席」の
二ケ所がある。

ここで催される茶会、句会、歌会、聞香会、
読書会には、気軽に誰でも参加できる。
                            
入口右手には数寄屋造りの茶室「山宇亭」が
ある。その奥に雪隠処「腰掛待合」があるの
で、覗いてみるといい。
       
「山宇亭」は、加賀藩の重臣長家から直山邸
に移築され使用していたが、平成14年直山
氏から金沢市に寄贈された。
16年、松寿庵とともに現在地に移された。

2295 老化予防に密接に関わる”脳と筋肉”の関係

2295 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康
「老化予防に密接に関わる”脳と筋肉”の関係」
 

延命研究の過程で、筋肉脂肪が老化
防に密接に関わっていることが分かってき
た。
前号では脳と脂肪の関係について・・
今回は
脳と筋肉の関係について考えます。
 

筋肉は自己犠牲の上に立つ忠実な下僕です。
老化を予防する脂肪と脳の関係の他、
もう一つ筋肉と脳の関係も、同様に延命に
重要な役割を果たしているのです。 

筋肉も、交感神経を通して脳内の特定神経
細胞に働きかける・・筋肉も脂肪と同じ役割
を共有しているのです。
 

人類500万年は飢餓の時代・・食べ物が常に
不足し、脳を動かす”糖”が不足する状態が
続いた。その脳に糖を供給し、脳を支えるの
が脂肪です。
ところが飢餓が深刻になると、この脂肪が枯渇
してしまい、脳に糖が供給できなくなる。 

その時バックアップしてくれるのが筋肉です
。自らの筋肉を分解してアミノ酸に替え、
脳に糖を供給して脳を守ります。 

筋肉と脂肪は互いに協力し合って、血糖値が
下がらないように、脳を守っているのです。
健康寿命を伸ばし、老化を遅らせるには、
体内に適量の脂肪を蓄えて、毎日30分程度
の有酸素運動や筋肉トレーニング
を行って、
筋肉が減っていかないようにします。
 

     国立長寿医療研究センター
プロジェクトリーダー伊藤尚基