2295 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康
「老化予防に密接に関わる”脳と筋肉”の関係」
食と健康
「老化予防に密接に関わる”脳と筋肉”の関係」
延命研究の過程で、脳と筋肉と脂肪が老化
予防に密接に関わっていることが分かってき
た。
前号では脳と脂肪の関係について・・
今回は脳と筋肉の関係について考えます。
筋肉は自己犠牲の上に立つ忠実な下僕です。
老化を予防する脂肪と脳の関係の他、
もう一つ筋肉と脳の関係も、同様に延命に
重要な役割を果たしているのです。
筋肉も、交感神経を通して脳内の特定神経
細胞に働きかける・・筋肉も脂肪と同じ役割
を共有しているのです。
人類500万年は飢餓の時代・・食べ物が常に
不足し、脳を動かす”糖”が不足する状態が
続いた。その脳に糖を供給し、脳を支えるの
が脂肪です。
ところが飢餓が深刻になると、この脂肪が枯渇
してしまい、脳に糖が供給できなくなる。
その時バックアップしてくれるのが筋肉です
。自らの筋肉を分解してアミノ酸に替え、
脳に糖を供給して脳を守ります。
筋肉と脂肪は互いに協力し合って、血糖値が
下がらないように、脳を守っているのです。
健康寿命を伸ばし、老化を遅らせるには、
体内に適量の脂肪を蓄えて、毎日30分程度
の有酸素運動や筋肉トレーニングを行って、
筋肉が減っていかないようにします。
国立長寿医療研究センター
プロジェクトリーダー伊藤尚基