2297 体内環境を整える「時間制限食」

2297 [吉村外喜雄のなんだかんだ]
食と健康 「体内環境を整える時間制限食」

筋肉脂肪から、延命に関わる酵素が血液中
に分泌され、脳内の特定神経細胞に届けられ

届けられた酵素が働いて、特定神経細胞の
サーチュインと呼ばれる遺伝子を活性化させ
、老化を抑え健康寿命を伸ばす重要な働きを
する。
そのサーチュインを更に活性化させるには、
カロリーバランスより、食事の摂り方が大事
になってくるのです。
健康寿命を伸ばす鍵は食事です。 ポイント
は何を食べるかではなく、「いつ食べるか
なのです。

下の写真はワシントン大学教授・今井眞一郎
さんの朝食です。今井さんの朝食は、一般に
私たちが食べる夕食に当たります。

昼は私たちと同じような昼食を摂り、夜は
食事抜きでワイン1~2杯、ナッツ・フルー
ツを口にする程度に済ませ、夕食を摂りませ
ん。
食事をすると血糖値が上がります。
その数値が元に戻るのに3~4時間要します。
血糖値が高い状態で就寝するのは良くないの
です。
上記の食事パターンは、血糖値が高い状態で
就寝しないようにするためです。

いつ食べるかで、人間が約24時間周期で
体内環境を整える・・体温や血圧、睡眠、
ホルモンの分泌などに重要に関わってくる。

この食事の摂り方を、一定の時間内に食事を
終える「時間制限食」と名付け習慣化する。
体の様々な代謝障害とか、臓器の機能障害が
改善することが明らかになった。

以下は時間制限食のモデルケースです。
朝食は7時、夕食並の高カロリーメニューに
12時の昼食は日頃の私たちと同様の食事。
夕食は軽く5時までに済ませる。

 

     ワシントン大学教授・今井眞一郎

2295 老化予防に密接に関わる”脳と筋肉”の関係

2295 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康
「老化予防に密接に関わる”脳と筋肉”の関係」
 

延命研究の過程で、筋肉脂肪が老化
防に密接に関わっていることが分かってき
た。
前号では脳と脂肪の関係について・・
今回は
脳と筋肉の関係について考えます。
 

筋肉は自己犠牲の上に立つ忠実な下僕です。
老化を予防する脂肪と脳の関係の他、
もう一つ筋肉と脳の関係も、同様に延命に
重要な役割を果たしているのです。 

筋肉も、交感神経を通して脳内の特定神経
細胞に働きかける・・筋肉も脂肪と同じ役割
を共有しているのです。
 

人類500万年は飢餓の時代・・食べ物が常に
不足し、脳を動かす”糖”が不足する状態が
続いた。その脳に糖を供給し、脳を支えるの
が脂肪です。
ところが飢餓が深刻になると、この脂肪が枯渇
してしまい、脳に糖が供給できなくなる。 

その時バックアップしてくれるのが筋肉です
。自らの筋肉を分解してアミノ酸に替え、
脳に糖を供給して脳を守ります。 

筋肉と脂肪は互いに協力し合って、血糖値が
下がらないように、脳を守っているのです。
健康寿命を伸ばし、老化を遅らせるには、
体内に適量の脂肪を蓄えて、毎日30分程度
の有酸素運動や筋肉トレーニング
を行って、
筋肉が減っていかないようにします。
 

     国立長寿医療研究センター
プロジェクトリーダー伊藤尚基

2294 老化予防に密接に関わる脳と脂肪の関係

2294 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康
「老化予防に密接に関わる脳と脂肪の関係」

私たちの生存に大きく関わる体内機能を高め
ることで、老化が抑えられ寿命が延びる。

研究が進むにつれ、脳と筋肉と脂肪が老化予
防に密接に関わっていることが分かってきた。
まず脳と脂肪の関係について考えます。

研究の結果、ややぽっちゃり肥満体の方が
長生きするという。以下は日本人18万人の
肥満度と死亡との関連を、グラフにしたもの
です。縦軸は死亡リスク。
横軸は肥満度指数(体重➗️身長✕身長)
 
肥満度22~25で、縦線の死亡リスクは
最低のになる。
グラフの横線・肥満度を見ると、20~21
以下と30以上は、死亡のリスクが急に高く
なる。
グラフを見ると、ややぽっちゃりの方が長生
きする。なぜ肥満の方が長生きするのか
最近になって、今まで嫌われていた脂肪
老化に大きく関わっていることが分かってき
た。
脳内の特定神経細胞から発せられる細胞が、
体内の脂肪組織の交感神経と連絡し合い、
脂肪から延命に関わる酵素を血液中に分泌
して、脳内の特定神経細胞に届ける

届けられた酵素が働いて、特定神経細胞の
サーチュインと呼ばれる遺伝子を活性化させ
老化を抑え、健康寿命を伸ばす重要な働きを
するのです。
脂肪は、臓器と同じような役割と働きをして
いるのです。
・延命酵素を血中から脳に送り込む
・ホルモン物質を分泌して摂食を抑制し、
    抗糖尿病作用をする
・過剰な脂肪を分解して脂肪酸にする

中年太りは、年と共に落ちてくる脳の神経
細胞の働きを活性化するために、
脂肪を増やそうとする身体の変化なのです。

             ワシントン大学教授・今井眞一郎