2293 腹八分の食事で健康寿命が伸びる

「老化を感じるとき」
・睡眠が浅くなり、早起きに
・筋肉が落ち、脂肪がつきやすくなる
・味覚が変化し、脂っこいものが苦手に
・皮膚が乾燥してくる

 

2293 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康「腹八分の食事で健康寿命が伸びる」

誰もが逃れることのできない老い。
それを少しでも遅らせることができないか?
最先端の研究に取り組むワシントン大学の
今井眞一郎教授。
教授は酵母を使った研究でサーチュイン
呼ばれる遺伝子が、老化を抑える上で重要な
役割を果たすことを公表した。

この遺伝子サーチュインは、毎日の食事の量
を減らすなどの「カロリー制限」で、生存の
危機を感じたときに働く。

高齢の猿に通常の餌を与えるグループと、
30%カットしたグループで追跡調査を行っ
た。
通常の量の餌を与えた猿は、毛が抜け落ち、
皮膚の老化が進んで、しわしわなのに対して
30%カロリーカットした猿の毛は艷やか
でシワも少なく、若々しい。

まさにこれがサーチュインの威力なのです。
食事制限された猿は、生存のために脳内で
サーチュインの働きを強化しようとする。
結果、老化の進行が遅くなり、寿命が伸びる
のです。

2292 老いていく原因

●日本人の死因上位3
1 位  が ん 
2位  心疾患 (高血圧を除く)
3位  老 衰 (死亡原因がない自然死)

     全死亡の10%、85歳以上では1位

2292 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康「老いていく原因」

近年、死の情報を捉える重要なデーターが
次々と明らかになってきた。
そこから見えてくる「穏やかな死」とは?
死の直前の「心の変化」も明らかになって
る。
老化の最も大きな原因は「活性酸素による
細胞の酸化」です。身体の細胞がサビること
で細胞を傷つけ、老化が加速するのです。

更に老化の原因の一つに、幹細胞の老化
ある。新しい細胞を作り出す幹細胞・・
その能力が低下すると、細胞の数が減ってき
て新陳代謝が衰え、臓器の活動が低下し、
加速していく・・最後には死に至る。

そこで注目されるのが「リボソーム遺伝子
細胞を維持するのに欠かせない、タンパク質
を合成する大切な役割を担う遺伝子です。
         
ところがこの遺伝子、紫外線や活性酸素に弱く、
壊れやすい。壊れるとタンパク質の合成
ができなくなり、細胞が老化していく。

老化を予防するには、筋力トレーニング
一番。また運動後の回復に入浴をすると、
リボソームが増加し、細胞が活性化する。
  

2291 老化は見えないところで進んでいく

2291 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康「老化は見えないところで進んでいく」

目の老化には眼鏡、耳の老化には補聴器、
髪が抜け始めたら育毛剤と、老化の対応策が
用意されている。
これらの老化は、日常生活の中で気づくよう
になり、放置すると不便なので、早期の対応
が取りやすい。

ところが体内の臓器は、老化がどれほど進ん
でいるか?確認できず、老化を気づかずに
歳を重ねていく。
日頃から、体内のわずかな変化に意識を向け
もしかしたら?のわずかの変化も見過ごさ
ないことです。
膵臓がんなど多くの重大疾患には、早期の
症状が出にくいものが少なくない。

心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の疾患は、

症状が出た数分後に命を落とすこともある。
長年使い続けている臓器の老化は避けられ
ないが、「自覚症状」だけを頼りにするのも
危険です。
定期検診での数値の変化に目を通し、定期的
な胃カメラも欠かさないようにする。
健康で体力に自信があっても、体の中の臓器
の老化を正確に知ることは不可能です・・

 

              愛媛大学医学部教授・伊賀瀬道也