2294 老化予防に密接に関わる脳と脂肪の関係

2294 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康
「老化予防に密接に関わる脳と脂肪の関係」

私たちの生存に大きく関わる体内機能を高め
ることで、老化が抑えられ寿命が延びる。

研究が進むにつれ、脳と筋肉と脂肪が老化予
防に密接に関わっていることが分かってきた。
まず脳と脂肪の関係について考えます。

研究の結果、ややぽっちゃり肥満体の方が
長生きするという。以下は日本人18万人の
肥満度と死亡との関連を、グラフにしたもの
です。縦軸は死亡リスク。
横軸は肥満度指数(体重➗️身長✕身長)
 
肥満度22~25で、縦線の死亡リスクは
最低のになる。
グラフの横線・肥満度を見ると、20~21
以下と30以上は、死亡のリスクが急に高く
なる。
グラフを見ると、ややぽっちゃりの方が長生
きする。なぜ肥満の方が長生きするのか
最近になって、今まで嫌われていた脂肪
老化に大きく関わっていることが分かってき
た。
脳内の特定神経細胞から発せられる細胞が、
体内の脂肪組織の交感神経と連絡し合い、
脂肪から延命に関わる酵素を血液中に分泌
して、脳内の特定神経細胞に届ける

届けられた酵素が働いて、特定神経細胞の
サーチュインと呼ばれる遺伝子を活性化させ
老化を抑え、健康寿命を伸ばす重要な働きを
するのです。
脂肪は、臓器と同じような役割と働きをして
いるのです。
・延命酵素を血中から脳に送り込む
・ホルモン物質を分泌して摂食を抑制し、
    抗糖尿病作用をする
・過剰な脂肪を分解して脂肪酸にする

中年太りは、年と共に落ちてくる脳の神経
細胞の働きを活性化するために、
脂肪を増やそうとする身体の変化なのです。

             ワシントン大学教授・今井眞一郎

 

2293 腹八分の食事で健康寿命が伸びる

「老化を感じるとき」
・睡眠が浅くなり、早起きに
・筋肉が落ち、脂肪がつきやすくなる
・味覚が変化し、脂っこいものが苦手に
・皮膚が乾燥してくる

 

2293 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康「腹八分の食事で健康寿命が伸びる」

誰もが逃れることのできない老い。
それを少しでも遅らせることができないか?
最先端の研究に取り組むワシントン大学の
今井眞一郎教授。
教授は酵母を使った研究でサーチュイン
呼ばれる遺伝子が、老化を抑える上で重要な
役割を果たすことを公表した。

この遺伝子サーチュインは、毎日の食事の量
を減らすなどの「カロリー制限」で、生存の
危機を感じたときに働く。

高齢の猿に通常の餌を与えるグループと、
30%カットしたグループで追跡調査を行っ
た。
通常の量の餌を与えた猿は、毛が抜け落ち、
皮膚の老化が進んで、しわしわなのに対して
30%カロリーカットした猿の毛は艷やか
でシワも少なく、若々しい。

まさにこれがサーチュインの威力なのです。
食事制限された猿は、生存のために脳内で
サーチュインの働きを強化しようとする。
結果、老化の進行が遅くなり、寿命が伸びる
のです。

2292 老いていく原因

●日本人の死因上位3
1 位  が ん 
2位  心疾患 (高血圧を除く)
3位  老 衰 (死亡原因がない自然死)

     全死亡の10%、85歳以上では1位

2292 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康「老いていく原因」

近年、死の情報を捉える重要なデーターが
次々と明らかになってきた。
そこから見えてくる「穏やかな死」とは?
死の直前の「心の変化」も明らかになって
る。
老化の最も大きな原因は「活性酸素による
細胞の酸化」です。身体の細胞がサビること
で細胞を傷つけ、老化が加速するのです。

更に老化の原因の一つに、幹細胞の老化
ある。新しい細胞を作り出す幹細胞・・
その能力が低下すると、細胞の数が減ってき
て新陳代謝が衰え、臓器の活動が低下し、
加速していく・・最後には死に至る。

そこで注目されるのが「リボソーム遺伝子
細胞を維持するのに欠かせない、タンパク質
を合成する大切な役割を担う遺伝子です。
         
ところがこの遺伝子、紫外線や活性酸素に弱く、
壊れやすい。壊れるとタンパク質の合成
ができなくなり、細胞が老化していく。

老化を予防するには、筋力トレーニング
一番。また運動後の回復に入浴をすると、
リボソームが増加し、細胞が活性化する。