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家庭から和食が消えていく

■「能楽」

金沢の伝統文化で忘れてはならないものの一つに「能楽」があります。能楽には幾つかの流派があります。東京や群馬県には「観世流」 があり、金沢には「加賀宝生流」。
前田利家は大変な能好きで、稽古は三日に一度という熱の入れようだったといいます。当然、次男利政、四男利常にも受け継がれ、 加賀藩に能が栄える源となりました。
徳川五代将軍”綱吉”が「宝生流」をひいきにしたことから、加賀藩でも盛んになり、その後の藩主が宝生流を手厚く保護したことから、 主流となって栄えたといわれています。

私は二十五歳の頃、宝生流の佐野先生から直接謡いの手ほどきを受けましたが、謡い本二十冊くらいまで進んだところで止めてしまった。 今にして思えば、悔やまれます。
身近に能・狂言が鑑賞できる加賀宝生流のお膝元金沢に住んでいますので、折があれば鑑賞するようにしたいものです。

【吉村外喜雄のなんだかんだ 第14号】
~日本人のアイデンティティ~
「家庭から和食が消えていく」

日本ほどバラエティ豊かに、いろんな国の食事を楽しめる国はない。朝はパンに牛乳、 昼はマクドナルドやピザをほおばり、夜は中華、イタリアン、韓国料理、なんでもござれである。金沢市内には、インド料理、 ベトナム料理、タイ料理、メキシコ料理など、国際色豊かにいろんな国の店がある。

中国人の家庭は、朝・昼・晩中国料理である。タイ人の家庭も、家ではタイ料理が食卓に乗る。 韓国人は韓国料理を食べている。ところが、日本の家庭の食卓は、カレーライスにハンバーグ、スパケッティに野菜サラダ。 もちろん、刺身や味噌汁も食卓に乗るが、問題なのは、 日本人なのに古くから伝わる日本料理の作り方を知らない奥様が多いことです。

私の妻の手料理十八番は春巻き。カレーライスもハンバーグもプロ並みの腕前で美味い。ところが、 いつも出てくる味噌汁はメッタ汁のよう。季節の旬を引き出す味づくりが苦手のようです。

昔は、味噌や沢庵は自分の家で漬けるのが当たり前。春祭りや秋祭りには、お重にご馳走を詰めて、 親戚に配ったものです。今は、お正月のおせち料理も、デパートの出きあいで間に合わせる時代。

今の若いお母さんのほとんどが、和食料理が苦手なようです。核家族化が災い
して、お婆ちゃんや母親から、日本料理を教わっていないからでしょう。
日本料理は、時間と手間をかけないと作れないものが多い。あわただしく台所に立って、 食事の支度をしなければならない共働き主婦にとって、日本料理が敬遠されるのは、仕方のないことです。
日本料理を食べようと思ったら、寿司屋や温泉旅館、近所の割烹へ出かけていかなければならないのです。

食事の例にもあるように、近年、日本人が国際社会の中に入ったとき、「日本人にはアイデンティティーがない」と、 よく言われるそうです。
日本人が日本料理を苦手にするだけでなく、代々親から子へと受け継がれてきた日本古来の庶民文化が軽んじられ、 忘れ去られようとしている。

金沢には、伝統文化「加賀宝生流」がある。そのため謡曲が盛んで、つい最近まで結婚式で「謡い」 が唄われることが普通だった。近頃、謡曲に関心がある人がどれだけいるだろうか。
日本人にしかない文化、”わび・さび”など、古くから受け継がれてきたアイデンティティーを、 もっと大切にしなければならないと思うのです…。

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