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節分の風習?恵方巻き

吉村外喜雄のなんだかんだ 第67号  
「節分の風習?恵方巻き」

二月三日節分の日、仕事を終えて自宅に入ったら、妻がパックされた太巻きのお寿司を差し出し、「西南西の方を向いて黙って食べて! 食べてる間しゃべっちゃ駄目! 黙って食べたら願い事が叶うから…」。

まともに聞く気になれず、「何やそれ…?」って反発したら、「いらんのやったら食べんといて…」と言う。「わかった、わかった」 と受け取り、黙って一本丸かじりした。こんなことして何が御利益なんや…? なんともバカバカしい。
そこで、インターネットを検索したら、あるある…。古くは江戸時代、大阪の花柳界で行われていた縁起かつぎの風習。 商魂たくましい大阪商人が目をつけた。
巻き寿司の重要な脇役は”海苔”。 昭和四十年後半に、大阪の海苔業界が、何とか販売量を増やそうと、この”丸かぶり”に目をつけて、 イベントにした。
この模様がテレビに大々的に放映され、広まるきっかけとなった。
それが近年になって、コンビニが全国展開を始めた。昨年ローソンは70万本売った。阪神デパートは、二月三日、一日で4万本売ったという。

大阪では、この太巻きのことを「恵方巻き」といい、節分の日に食べると福が来るという。 何で太巻きかというと、「福を巻き込む」ためで、包丁を入れないのは「縁を切らない」ためだという。
更に”恵方”に向かって食べなければ、ごりやくがないと、妻も娘も、その方角に向ってモクモク食べていた。

それを見て、「バカバカしい」などと言おうものなら大変! 一般に、女性はこのたぐいのことが大好きなようで、すぐ真に受けてしまう。
”恵方”とは、陰陽道を元に決められる最も良いとされる方角で、毎年、方角が変わる。2005年は西南西だという。

金沢には「氷室の饅頭」がある。七月一日に饅頭を食べると、無病息災になるという古くからの風習です。縁起をかつぐこういった風習、 つい先日のバレンタイン同様、売り手にとって美味しい話である。商魂たくましく、来年は更に加熱するだろう。消費者を”巻き込んで” 広がっていきそうです。

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