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みんな同じ

【吉村外喜雄のなんだかんだ 第61号 】
~日本人のアイデンティティ~ 
「みんな同じ」

今日は、子供たちには楽しいクリスマス。
日本の家庭は、どの家にも神棚があり、仏壇がある。クリスマスにはケーキでお祝いし、大晦日には、除夜の鐘を聞いて煩悩を取り去り、 元旦には神社へ初詣に行き、柏手を打って幸せな一年を祈る。かっこいいからと結婚式はキリスト教会で挙げ、お葬式はお寺でする。 京都へ行けば、宗派に関わりなくお参りして歩く。
こんなことを日常平気でやっているのは、日本人だけ。何でも受け入れてしまう寛容さは、キリスト教や回教徒の国の人たちには、 理解できないことかもしれません。
四方を海に囲まれ、異民族にじゅうりんされたことが全くない、単一民族国家日本。戦争などで他民族の地が混じらず、 純血を保ってきた数少ない民族である。
そんな何千年の歴史から、アウンの呼吸といおうか、わずかの表情・仕草の変化を読みとり、 相手の思っていることを理解する能力を備えるようになった。

同じような生き方、考え方をする民族。変わった行動、変わった発言をする物がいると、直ぐ異端のようにみられ、 仲間はずれにされてしまう。
五人のうち四人までが口をそろえて「右がいい」と、グループの意見がまとまろうとしているとき、「私は左がいい!」と、 自らの考え方を通すことが出来るでしょうか?
日本人の価値観の根底にあるのは、「和」「人を思いやる心」 。異なる考え方の集団をうまく取りまとめていくには、 自らの考え方や主張を一歩譲って、 程良い中間のところで収めようとする。集団の中で生活する術を身につけてきた、 農耕民族故の特徴だろうか。「長いものに巻かれろ」 的行動心理が顕著に働く。

街を歩く女子高生は、一見個性的に見えるが、よく見ればみんな同じような格好、同じようなメーク、おんなじ喋り方をする。 みんな同じだと安心なのかも…。

全国高校野球の開会式、選抜チームが行進する。外国の軍隊じゃあるまいし、何でみんなあんなに手や足を高く上げ、 足並みをそろえて歩くのだろう。滑稽にさえ思えてくる。もっと伸び伸びと、オリンピックの入場行進のように、 代表選手になった喜びを自由に表現したらいいと思うのだが…。

誰かが笛を吹くとすぐ踊り出す。みんな同じ方向を向きたがる。人と同じ方向を向いていれば安心だし、 話題も気持ちも共有できて楽しい。
この国の人たちを思想統一して、同じ方向に向かわせようとするのは、案外簡単なのかも知れない。戦前の日本がそうだったように…。 そう思うと怖い気がする。

そんな国民性か、日本ほどナントカブームが次々と作られていく国は、世界のどこにも見当たらないと、新聞の評論に載っていた。
毎年いろんな流行が作られていく。漫才ブームからクイズ、トレンディードラマ一色といった風に…。今は吉本一色、ジャニーズ一色、 手品ブーム。

今年は「冬ソナ・韓流ブーム」に湧いている。日本中の中年女性のハートは、ヨン様のあの笑顔に奪われてしまった。 民放各社もNHKに遅れてはならじと、韓国のドラマをお茶の間に流し、ブームをあおっている。

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