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社会に役立つ”志”を持て

企業犯罪が世間を騒がせ、混迷を深める今日こそ、不易の倫理観、時代に即した新たな規範や改革が、強く求められる。

  自由には 責任が伴わなければならない
  地位には 義務がある
  繁栄には 共存と共栄が伴い
  安全には それ相応の対価がいる
  貧富には 自愛の心がなければならない
                         稲盛和夫

【心と体の健康情報 - 232】
~子育て心理学~
「社会に役立つ"志"を持て」

以下、1/28読売新聞 太平洋セメント相談役 諸井虔(もろいけん)氏
「ライブドア事件を語る」からの抜粋です。硬い文章ですが、教育のあり方に
言及しています。

近頃の、手っ取り早く金儲けをしようとする新興企業の姿勢に、実に危険な
ものを感じる。企業倫理などどこえやら、「金儲けなんて簡単なものだ」と、
平気でうそぶく。
そもそも会社とは、社会のためにある。社会のニーズがどこにあるかをくみ取
り、自社の技術や特徴などを生かしながら、社会のニーズを満たしていくべき
ものだ。
ビジョンをうち立て、事業プランを組み立て、様々に知恵を絞り、人材を集め、
教育していかなければならない。ライバル企業との競争もある。それに打ち勝
っていく中で、時間をかけて、営々とに築き上げていくのが会社だ。

ライブドアは、証券市場を活性化し、企業の資本調達を容易にする為に、新た
につくられた法律を巧みに組み合わせ、悪用することで、短期間に事業規模を
拡大していった。
本来「性善説」でつくられた、こうした新法。その抜け穴を巧みに突き、ずる賢し
こく悪用し、自社を利するために、幹部は知恵を絞った。
時間のかかることは飛ばして、短期間で株式の時価総額を増やすことに、会社
の総力をあげた。そんなやり方は、日本の経済全体を危うくしてしまう。

常に、自分の会社が「社会の役に立っているか、社会に害を与えていないか」
自省することだ。自分たちの行為に明確な「志」と「理念」がなければならない。

ライブドアを生み出した原因は、やはり戦後の教育にあると思う。
今の若い人たちは、努力を重ねることをせず、「どうすればうまく金を儲けら
れるか」の一点に目を向けがち…。
教育の出発点は「家庭教育」だが、今の家庭は、自分の子どもさえよければ
いいという母親や、家庭教育に参加しようとしない父親が目立つ。今更ながら、
家庭教育のあり方が問われるのです。

学校教育の場でも、なるべく負担がかからないように、保護者から文句を言わ
れないように、責任が問われないようと、腐心する教師が多い。
子どもは、大人の姿を見ながら、自らを鍛えていく。今の親や教師の姿を見て、
子ども達がいい大人に育つと思うだろうか? 思うとしたら、それは奇跡だ!

働きもせず、株取引に夢中になっている大人。これとて「自分さえよければ」と
いう、教育によるところが大きい。社会の、沢山の人たちに支えられている
自分に、気づいていない。
「額に汗して働き、世の中のお役に立つ人間になるんだよ」
「何かを他人にして貰ったら、必ずお返しするんだよ」

という、きちんとした家庭教育に支えられて育った人は、やはりきちんと働いて
いる。
昔は、寺子屋で子ども達はみな"論語"を読んだ。四書五経には、 社会生活を
営むに必要な真理が多く含まれている。昔の子どもは、それらを一所懸命理解
しようとした。
若者は、何か夢を持って勉強し、努力するものだ。それで立派になっていく。
ところが、今の若い人はかわいそうだ。閉そくした今の世の中では、若い人が、
自分の生きる道を見つけられないでいる。

堀江氏をもてはやすのは、夢を持てなくなった若者のストレスからくるものだ
ろう…。そうした不満を解消するため、若い人に夢を持たせ、夢をかなえる
社会の在り方が問われるのです。

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