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尺貫法

先週の木曜日、金沢音楽堂で、チャイコフスキー未完成交響曲「ジーズニ」を
鑑賞した。チャイコフスキーが亡くなる一年前(1892)、交響曲5番と6番「悲愴」
の間に作曲されたが、未完成のまま埋もれていた作品です。

ロシアのチャイコフスキー記念財団が補筆して、日の目をみた。
"日本ではまだ誰も聴いたことのない作品"と聞けば、是非にとも思う… 
ロシア交響楽団と共に来日した"西本智実"指揮による、日本初公演ツアー。
何と、ラッキーなことに、東京公演に先がけて、金沢で聴くことができたのです。

「ジニーズ」とは"人生・生涯"のこと。運命・夢・混沌・苦悩など、あやなす人生を
重奏な交響曲の楽章にのせて、ロシアの一流オーケストラが、聴衆を魅了する。
期待にたがわず、あっという間の1時間でした。

*西本智実 (宝塚の男役にぴったりの、美しく魅力的な女性指揮者)
  チャイコフスキー記念財団・ロシア交響楽団の芸術監督及び、主席指揮者。
  ロシアを代表する指揮者で、日本にも多くのフアンがいる。

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 127】
「尺貫法」

一昨日6月7日は「計量記念日」でした。そこで今日は、ほとんど忘れ去られた
[尺貫法]なんだかんだ…

私の身長"五尺七寸"と言うと、今の若い人は「?」でしょう。
昭和41年、私が25歳の頃までは、物差しの単位は「尺貫法」でした。
中国から伝来し、長さの単位は「」、重さの単位は「」として使われてきた。

■子どもの頃、肥満の子がいたら「わ~い、わ~い、百貫デブ」と、囃し立てた
  ものです。体重を量るときの度量は「貫」でした。
  1貫 = 1000匁 = 3.75キログラム(5円玉1000枚分の重さ)
  私の体重は75キロなので「20貫」ということになる。
 
  「そんなことをしても、一文の徳にもならぬ…」と言いますが、今で言う「1円」
  のことでしょう…。江戸時代より更に以前、"1文銭"の重さを1匁と定めた。
  1文銭1000枚が"1貫目"になる。
  5円玉1枚は3.75グラム。1匁の重さと5円玉、同じ重さになります。

■子どもの頃、初めてフナ釣をした時、最初に釣れたのが"尺鮒"だった。
  見ていた周りの釣り人から拍手が…、あの時のことは今も忘れません。
  釣り竿の長さを言うときは「尺」。8尺~21尺くらいのものを揃えます。

 私たちの日常生活で、「尺貫法」は今も生きている。
  釣り竿以外にも、陶芸、着物、建築、不動産、酒造などの世界では、今も
  尺貫法が度量の基準。しかし、「五寸くぎ」や「一寸法師」がどれくらいか、
  分からない人が増えてきている…。
<長さ・距離> 1里=36町=約4キロ、     1町=60間=109メートル
          1間=6尺=約1.8メートル、  1丈=10尺=約3メートル
          1尺=10寸=約30センチ    1寸=約3センチ

大工が家を建てるとき、今も昔ながらの「曲尺(カネジャク)」が使われる。
メートル法が制定され、40年を経た今でも、建築の世界の寸法の基準は
尺貫法。建築物は一間・一尺を単位にして、家が建てられる。

そうした建設業界の慣習に逆らったのが、以前私が勤めていた積水ハウス。
創業の時から、「メートル」を間取りの基準にした。住宅業界に新風を吹き込も
うとする意気込みが、伝わってくる。
畳一枚の大きさは1×2メートル。柱間隔も1.8メートルではなく、2メートル。

床に敷くコンパネや、壁に貼るベニヤは「3×6(サブロク)版 91×182セン
チ」。だから、積水ハウスの内装大工、床や壁にボードを貼るとき、建材の寸
法が合わず、継ぎ足さなければならなかった。余分な作業を強いられたのです。
畳屋さんも、1×2メートル寸法の"畳表"、品質の良いものが少なく、困って
いた。
畳や建具のみならず、玄関ドアー、流し台から洗面器、ガラス・鏡に至るまで、
メーカー品すべて、尺貫法に合わせた製品が市場では主流…。
同じ建築面積だと、ライバルメーカーの間取りは、「八畳の洋間に六畳の和室」
となる。ところが、セキスイで図面を引くと、「六畳の洋間に六畳の和室」に
なってしまう。お客さまには、ライバル会社の間取りの方が良くなって見える。
そんな、営業面での苦労が付いてまわった。

「尺」には幾つか種類があって、それぞれ長さが違う。中でも、着物を仕立てる
ときの「鯨尺」は、「曲尺」より1.25倍も長い。

■子供の頃、冬になると、大人も子どもも皆、"足袋"を履いた。
  当時、足や靴の大きさを言うときは、「」という単位を用いた。
  「1文=2.5センチ」、25センチの足の人は、"10文"の足袋を履いた。
  この「文」、その昔"1文銭の直径"が2.5センチであったことから、付けられ
  た寸法だという。

■面 積
  1町=10反=9917平方メートル   1反=10畝  1畝=30坪  
  1坪=10合=約3.3平方メートル   1合=10勺
■体 積(量)
  1石=10斗  1斗=10升  1升=10合=約1.8リットル  1合=10勺
  上記の面積と体積の度量は、今も広く使われている。

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