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学校に行きたくない-3

■ノーベル物理学賞の朝永振一郎博士

朝永博士は小学二年のころ、習字の先生に「下手な字だな…」と言われたのが原因で、朝になるとお腹が痛くなり、登校を嫌がったという。
やがて登校するようになったが、後年になって、家の中から当時の習字が出てきて、ハッとしたという。
ある時を境に、丸が沢山ついていたのです。

親が先生に不登校の原因を伝え、それで、先生は点をあげてくれたのでしょう。
お陰で、登校が苦痛でなくなった…。
後に京大へ進学。同じくノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士とは同級だった。
朝永博士の習字苦手意識は生涯取れず、色紙は勘弁してもらっていたという。

○以下朝永博士のことば…
   「ふしぎだと思うこと これが科学の芽です
   よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の芽です
   そうして 最後になぞがとける これが科学の芽です」

「鏡に映る世界は、なぜ上下が逆にならないのか」と、研究室仲間と議論をぶつけ合ったこともあるという。


【心と体の健康情報 - 293】
~子育て心理学~「学校に行きたくない-3」

全国に不登校の子供が13万9千人もいます。十年前の2倍、中学生39人に1人が不登校児童なのです。

私たちは、不登校の子供たちへの理解が出来ていると、確信できるでしょうか?
不登校問題の解決は、子供の将来を考えると、「子供をできるだけ早く学校へ復帰させるようにすべきだ」というのが、 大方の考え方でしょうか…。

もう少し、子供の立場になって考えれば、要は、一人前の社会人として自立してくれればいいのです。 学校に復帰させることにこだわらなくてもいいのです。
フリースペースや、塾や予備校、それで駄目ならインターネットなど、人間形成の場はいくらてもあるのです。

不登校の子供を無理やり学校へ行かせようとするのは、骨折れした子供を走らせるようなものです。又、子供が手首を切るのは、 大人への「脅迫」と取る人が多いのですが、そうではなく、「ふがいない自分に対する怒り」ではないでしょうか…。
不登校児童に対する周りの大人たちの誤解が、子供たちを更に追い込んでしまう。
戦後、民主主義が叫ばれ、教育の場でも「個性のある子を育てよう」と言ってきた。
ところが実際は、人とは違った個性を持っている子が、いじめの対象になる。日本人社会は、人と違った言動をすると「おかしな人」 と見られてしまう。

NHK・BSで、朝の連続ドラマ「さくら」が再放されている。アメリカ三世の"さくら"が、高山の学校で繰り広げる、 日本人とアメリカ人のモノの見方、考え方の違い。それが毎朝のドラマで騒動を繰り広げる…見ていて大変面白い。

人はみな違って当たり前。相手をわかろうとし、自分のことをわかってもらう努力がいる。 お互いの違いを認め合える社会にしていきたいものです。
前号468号で紹介した、福井県越前市の小学校教論・岩堀美雪先生は、それを学校で試み、成功した。

この世にたった一人しかいない"自分"。自分の中の、自分にしかない良いところを探し出し、それに関わる様々なモノを、 自分だけの手作りファイルに入れて残していく。
未来への贈り物」という手作りの「パーソナル・ポートフォーリオ」。
生徒・先生・ご家族が一緒になって、作りあげていくのです。

お相撲さんは、マラソンランナーにはなれない。マラソンランナーはお相撲さんにはなれません。 ペーパーテストで高い点数を取った子が優れた子という、偏った価値観で優劣をつけ、人間を評価してしまう今の教育には疑問を感じます。
一人ひとりの持つ個性や持ち味を伸ばしていく…そんな教育が待たれます。

 

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