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坂の上の雲

■司馬遼太郎の遺言

「坂の上の雲」を大河ドラマにしたいと、30年以上も前から交渉し続けてきたNHK…OKが出たのは5年前。
司馬遼太郎は生前、映像化することを好しとしなかった。NHKの熱心な説得に遺族側が折れ、大河ドラマが実現することになったのです。

その内容はあまりにも壮大。零下15度の中国内モンゴルでの撮影に始まり、当時のロシア王朝の面影を残す、 サンクトペテルブルク宮殿での舞踏会シーン、ヨーロッパでの撮影など、今秋放映開始に向け、大掛かりな撮影が行われている。
3年にまたがる放映は初の試みです…壮大なスケールで繰り広げられるスペシャルドラマ…11月29日スタート…今から楽しみです。

3人の主役…秋山真之を本木雅弘さんが、秋山好古は阿部寛さんが、正岡子規を香川照之さんが演ずる。秋吉兄弟の両親は、伊東四朗さん、 竹下景子さん、伊藤博文を加藤剛さん、高橋是清を西田敏行さん、東郷平八郎を渡哲也さん、子規の妹・律を菅野美穂さん、 そして児玉源太郎を高橋英樹さん…と、ワクワクする布陣です。

NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」より


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 657】
~歴史から学ぶ~「坂の上の雲」

毎朝8時BS2で、「私が選ぶ一冊の本」を見ている…私はちゅうちょなく、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を選ぶだろう。 内容を解説できるほど、繰り返し読んだ。
自ら志す道を懸命に歩み、歴史に残る偉業をなしとげた、3人の若者の物語です。その「坂の上の雲」が、この秋、 NHKの大河ドラマになるのです。

物語の舞台は明治の日本。小国日本が清国との戦いに勝ち、大国ロシアに戦いを挑む…そんな明治とはいったい、 どんな時代だったのか?
原作者・司馬遼太郎は、明治を以下のように表現している。

「維新によって、日本人ははじめて近代的な"国家"というものをもった。
社会のどういう階層の、どういう家の子でも、ある一定の資格をとるために必要な記憶力と根気さえあれば、 博士にも官吏にも、軍人にも教師にもなりえた。
そういう資格の取得者は、常時少数であるにしても、他の大多数は、自分、もしくは自分の子が、その気にさえなれば、 いつでもなりうるという点で、権利を保留している豊かさがあった」

当時の若者の多くは、ほんの少し前の時代まで、立身出世を夢見るなど、考えもしなかった…それが明治になって、 何でも叶えられるようになったのです。
「坂の上の雲」は、そんな時代に生きた、3人の若者の物語です。

1人は「秋山真之(さねゆき)」。1986年四国の松山に生まれる。
日本海軍の作戦参謀として、瀬戸内海・村上水軍の戦術からヒントを得た「T字戦法」で、バルチック艦隊と国家の命運を掛けた海戦に臨み、 勝利を収めるという、大きな役割を担うのです。
1人は真之の兄「秋山好古(よしふる)」。真之とは九つ違い…陸軍に入り、広大なシベリアの最前線で、ロシアとの戦いに勝利するため、 日本で初めての騎兵隊を創設して、獅子奮迅の活躍をするのです。
もう1人は、真之の幼なじみ「正岡子規(まさおか しき)」…身体が弱く、病と闘いながら"俳句"を革新した人物として… 歴史にその名を残すことになる。

秋山兄弟も子規も、幼い頃から、自らの進路を決めていたわけではない。
子規は、学問をして、太政大臣になる夢のために、東京に出たいと思うようになる。
真之は子規に刺激され、偉くなりたいとの思いが募り、親の許しを得て東京に出る。

この先3人、明治という時代に何を目指し、どう生きていくのか…
「坂の上の雲」では、明治の若者が、国家のため、社会のため、悩みながらたくましく生き、人生を掛け、 国の運命を左右する熾烈な戦いの場へと突き進んでいく…。
秋山兄弟が描く壮大な人生ドラマ…読み重ねるほどに、ぐいぐい引きこまれていく。

「坂の上の雲」だけでなく、今、後編を上映中の三国志「レッド・クリフ」も、「天地人」も、原作小説を読んで、 時代や歴史背景を知ってから見ると…ドラマへの興味が深まり、面白さも倍加するというものです。

NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」 より

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