« かなざわなまり(7) | メイン | つれあいにモノ申す »

死生観を養う(4)

「妖怪・さとり」と千葉周作
 
古来から、日本に語り継がれてきた”妖怪”の一つに「さとり」という鳥がいる。
この「さとり」という妖怪、人の心を見透かす力を持っているのです。
 
ある時、「さとり」を見つけた木こりが、生け捕りにしようとした。
すると「さとり」は、「我を生け捕ろうと思っただろう…」と飛び去った。
次いで木こりは、斧で打ち殺そうとしたが、やはり見透かされてしまった。
 
木こりは、これではどうにもならぬとあきらめ、再び木を切り始めた。
突然、斧の頭が柄から抜けて、飛んでいった…直撃を受けた「さとり」は死んだ。
 
江戸時代の剣客”千葉周作”は、この寓話を例にあげて、言った。
流石のさとりも、無念の斧には打たれし
斧には心がなく…流石の妖怪、見透かす術が効かず…打たれてしまった。
続けて千葉周作…
剣術も、この無想の場に到れば、百戦百勝疑ひなし、
 千辛万苦の労を積み、無想の場に進むべし」          
 
                                             千葉榮一郎扁 「千葉周作遺稿」
 
 
847 【心と体の健康情報】 
「死生観を養う(4)」

人生には、善いこともあれば悪いこともある。 私は思わぬ不幸に遭遇したとき、 この程度で済んで…良かった」と、あるがまま肯定的に受け止め…感謝するのです。
起きてしまったことを、悔やんでみても仕方がない。 それが原因で失うものがても…それに囚われたり… 悔やんだり…くよくよしないことです。
 
以下「致知1月号」、平成13年に芥川賞を受賞した禅僧”玄侑宗久”氏と、 聖心女子大学教授”鈴木秀子”氏の対談から…
 
禅の世界に「知足」(足るを知る)という言葉がある。
「自分の身に起こることはすべて偶然ではなくて、 起きることすべてに…意味がある」 と考える。
私が日本人に生まれたのも、男子に生まれたのも、突然病気になったりするのも、すべて何か意味があることなのです… 意味があって起きたのであれば、起きたことに過不足を思うことはないのです。
 
「生まれたときはみな裸、死ぬ時もまた裸…棺桶は縦6尺、横2尺… 何一つあの世に持っては行けない…何を不足に思うことがあろうか」

禅の世界では…例えば、何かの角に頭をぶつけたとする。
「痛い!」と言わずに、「風流だね」って言う… 痛いからって自分に腹を立てたり、人に文句を言っても仕方がない…逆に人から 「ボヤッとしているからだ」なんて言われると、余計に腹が立ち、 痛みが増す。

ぶつかってしまった以上、 痛みをなるべく速やかになくす言葉を吐くようにする… それが「風流だね」になる。日常起きる様々な出来事、 バカバカしいこと、楽しいこと、悲しいこと… 「それが人生」と達観して、 何があっても 「今が最高!」と思うことです。

今日は今日でしかない…「今ここに」 なのです。今日が最高なんだと、今この瞬間喜び、生かされている命のありがたさを実感できれば、すべてに感謝すようになる…何があっても、 素直に受けとめることができるようになる。
  
故に「人生にはピークがあって、年とともに衰えていく」 という考え方をしない…「今を最高に生きるなら、明日はもっと高まっていく」 というふうに考える。
「生きている限り、 高め続ける 思いで、明日に向って生きていく。
  - * - * - *  - * - * - 
私は今年70歳…「今、 70年間待ちに待った最高のときがやってきた」 と考え
人生、何が起きるかわからない…目の前に立ちふさがる難問・ 悩みは、何れも、 解決できることばかり… 解決できない問題に悩まされることはない…と考える。
某セミナーで学んだことです。
 
平凡で、何の取り得もない私が、 「東京都知事に立候補してほしい」と懇願されて悩むことなど、 あり得ないことす。
 
目の前に表れる良いことも悪いことも、すべて自分にとって”必用なこと”であり、人生を生きるための” 必然”である…と考えるなら、悩んだり悔やんだりすることにも、意味あることになる。
 
癌の病を克服した人が、「ガンは素晴らしい贈り物だった」と言う。ガンになって、 「生きる喜びを知り…家族の有りがたさに感謝し…身体につい実に多くのことを学んだ… 悪しき食習慣も改善することが出来た…すべてに感謝きられるようになった」 と…

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.noevir-hk.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1464

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

ひとつ前の投稿は「かなざわなまり(7)」です。

次の投稿は「つれあいにモノ申す」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36