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日本人の倫理感

[ポピュリズム]
 
政治に絡んだ問題を、”理性的”に判断しようとする知的な市民よりも、
情緒やそのときの感情に左右され、態度を決めようとする大衆の動き
を重視し、支持し、そうした大衆と共に運動を推し進めようとする行為…
それをポピュリズムという。
 
例えば、今回の原発事故にからんで、一部の政治家が、大衆の欲求
不満や不安感をあおり、自らの政治活動に利用しようとする行為。
こうした手法が乱用されると、民主政治は衆愚政治に堕落し、大衆の
エネルギーは、民主主義を破壊する”集団熱狂”に向っていくだろう。  
                                          ECナビ 「知恵蔵2011」
 
事例…日露戦争終了時、ロシアとの講和条約に不満を持った国民が、
政府の軟弱外交を激しく非難。
東京では暴動になり、都内の交番の7割…新聞社…官邸などが焼打ち
に合い、死者17名、負傷者2千名を超える大騒擾になった。
 
日露戦争の勝利に浮かれた国民に、軍部と政治家の一部が”軍拡”を
唱えて、日本は破滅の道を歩み始めることになる。
 
 
851 「心と体の健康情報」
日本人のアイデンティティ- 
「日本人の倫理感」
 
3月14日、東京都石原知事は、今回の巨大地震に関連して…
「これはやっぱり”天罰”…”我欲” を洗い落とす必要がある」と述べた。
報道陣から、震災へのコメントを求られた時に出た言葉です。
 
都知事は更に付け加えて、親が亡くなったことを長年隠し、 年金を不正に受給していた事件に言及した…
「日本人のアイデンティティーは”我欲”になった。 政治もポピュリズムでやっている。津波を利用してだね、我慾を一回洗い落とす必要があるね…積年たまった日本人のアカをね…これはやっぱり”天罰”だと思う」  
その後の記者会見で「”天罰”は不謹慎ではないか?」 との質問が相次ぎ、謝罪した。              3/ 15 読売新聞
 
世界の国々で大災害が起きた時、必ず目にする略奪…
災害に乗じて商店に押し入り、 物を盗み出す光景が見られる… 「そういうバカな現象は、日本人に限って起こらない」 石原知事。
 
家族や家屋を失って、非難所に身を寄せる人たちが、 スーパの前に行列つくり、長時間忍耐強く順番待ちしている。
日本のそうした悲惨な情況を見た海外の人たち… 被災した人たちが、礼儀正し助け合う姿を目にして、 感嘆の声を上げた。
 
身勝手な私利私欲で社会秩序乱し、騒動を起こすような者は一人もいない日本 感や助け合いの精神が、日本人の心に根付いているのでしょう。
 
パブルがはじけて20年…社会の力はどんどん弱まってきている。世の中は強い弱い選別され、使える人間のみを残し、 使えない人間はモノのよう「いらない」 と切捨てられてしまう、閉塞した今の社会… (パネリスト・湯浅 誠/談)
 
石原都知事は、今の日本に、 そうした倫理感が薄らぎ始めていることを憂えての、 発言だったのでしよう。
 
震災後、一個人から…全国各地から…世界から…続々救援の手が差しのべらる。私たちは、 石原知事が思うほどに、悲観しなくてもいいようです。
日本人の潜在意識の中に、他の民族の何倍もの、人に対する”優しさや善” があることを、今回の災害で再認識するのです
 
震災で、家や財産すべてを失った人が、 「生きていることが何よりも尊いと語っているのを見て、 命の尊さを改めて痛感させられるのです
メルマガ849号で問われた、「幸福とは一体何か?」の答えのヒントが、 そこにありそうです。

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