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ことば遊び 「落語・抜け雀」

抜け雀を描いた屏風が知恩院に・・


京都・知恩院に、朝になると襖絵から雀が抜け

]出し、餌をついばむという、知恩院七不思議

の一つに数えられる襖絵が現存している。

描いたのは、京都狩野派・狩野信政。

紅白の菊の上に数羽の雀が描かれていたが、

あまり上手に描かれていたので飛び去ったと

言われている。

現存する襖絵は、雀が飛び去った跡しか

残っていない。



1304 【吉村外喜雄のなんだかんだ】

~ことば遊び~ 「落語・抜け雀」

宿代代わりに屏風に描いた雀が・・
名工をたたえた不思議な噺です。


♪夫婦二人だけの小さな旅籠の泊まり客
七日の間、一日中大酒くらって寝ている。


かみさん文句を言いだした・・
「ここらで内金を入れてもらっておいで」

と、気弱な亭主の尻をたたく。


ところが男『金はない』

男の商売は絵師・・『抵当(かた)に絵を描いてやろう』と
亭主をアゴで使って墨をすらせ、衝立に一気に描きあげ

た。
『とうだ!』 「へえ、何です?」
『雀が五羽描いてある・・1羽1両だ。
  これを抵当に置いておく・・
  帰りに寄って金を払うから、売ってはならない』
と言い置きして男は出立した。

とんだ客を泊めたと、夫婦がぼやいていると、

二階で雀の鳴き声がする。

はて?変だとヒョイと見ると、例の衝立が真っ白・・


夕刻に雀か戻って来て、何と衝立の中に飛び込んだ。

これが宿場の評判になり、見物人がひっきりなし・・
ある日、六十過ぎの品のいい老人が泊まり、
絵を見ると

『描いたのは二十五・六の小太りの男であろう・・

この雀は死ぬぞ!』

亭主驚いてわけを聞くと・・

「止まり木が描いてないから、そのうち疲れて落ちる」

と言う。

『書き足してやろう』と硯を持ってこさせ、さっと描いた。
「あれは何です?」 『これは鳥かごだ』
なるほど・・

雀が戻ってくると、鳥かごの止まり木にとまった。

『世話になった・・』と老人は行ってしまった。

それから益々絵の評判が高まり・・

とうとう藩主の大久保加賀守までやってきて感嘆し、

この絵を二千両で買うとの仰せ・・亭主は腰を抜かした

が、律儀に「絵師が戻ってくるまで待ってくれ」と売ら

なかった。

それからしばらくして、仙台平の袴に黒羽二重という、

立派な身なりの侍が、

『あ~許せ、一晩厄介になるぞ』

見ると・・あの時の絵師・・亭主は慌てて、

下にも置かずにごちそう攻め・・

老人が鳥かごを描いていった次第を話すと・・

絵師は、屏風の前にひれ伏すと・・

『いつもながらにご壮健で、不幸の段お許しください』

聞いてみると、あの老人は絵師の父親・・

「へええッ、親子二代で名人てえなあ・・めでたい」

『何がめでたい・・あ~俺は親不孝をした』

「どうして?」
『衝立を見ろ! 親をかごかきにした・・』

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