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父が残した商人の心得

■ 20年後
20代で汗をながさなけれ  
40代で涙を流す。

30代で知恵を出さなければ
50代で部下がいなくなる。

40代で人脈がなければ
60代で仕事がなくなる。

50代で人望がなければ
70代で孤独になる。

60代で希望がなければ
80代で後悔する。

70代で夢があれば
90代で歴史に残る。



1499 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「父が残した商人の心得」

私は三男。家業は長男が継ぐことになっていたため、
父から商いを教わることはなかった。
それでも父が折に触れ話していたことが、いつの間にか
私の潜在意識の中で、人生の指針になっていた。

■その一「一本の箸
商人の大敵は贅沢・・贅沢は慎まなければならない。
箸の一本くらいはいいだろうと、輪島塗にしたら、
お茶碗も箸にふさわしいものが欲しくなる。

お茶碗が良くなれば、食事も贅沢になる。
贅沢に慣れると、イザという時、質素な暮らしに戻れ
なくなり、店は潰れてしまう。

後にこの例えは、古代中国、殷(イン)の紂王
(チュウオウ)の逸話であることを知った。

紂王が象牙の箸をあつらえたとき、叔父の箕子(キシ)
は嘆息した。
次は、箸に似合う玉(美しい石)の器を欲しがるだろう。
更に、器に似合う山海の珍味、そして、食卓に似合う
豪華な衣装を・・
ついには、衣装に似合う宮殿を欲しがるだろう・・
箕子の憂いは現実となり、王の放逸と暴虐の末に、
殷は滅びた。

■二つ「箱根山、駕籠に乗る人、その駕籠かつぐ人、
                                     
その又草履をになう人
人には分相応というものがある。故に、分相応な暮らし
方をしなければならない。
駕籠に乗る人がいれば、その駕篭をかつぐ人がいる。
その駕篭かきも、草履をになう人がいなければ、かつぐ
ことができない。
職業に貴賎はない。その仕事が世の中に必要で役に立つ
のであれば、自らの仕事を天職と心得、励まなければ
ならない・・

■三つ「入りに見合う出
商人は、常に質素倹約に努めなければならない。
収入に見合ったお金の使い方をしていれば、
商いで失敗することはない。

■四つ「儲けは牛のよだれ

”儲け”は、牛のよだれのようなものだ。
商いで稼いだお金を粗末にしてはならない。

牛は食べたものを、出してはもぐもぐ噛み、また飲み込
んでは出して磨り潰し、ようやく胃の中に納める。
その時、牛の口からポタリと落ちる一滴のよだれ・・
それが、商いにおける儲けというものだ。

■五つ「いいとこ十年
過去を振り返ると、どんな商いも「良かった時は十年
くらい」のものだろう。
戦後、石炭、繊維、家電、鉄工、自動車、銀行・証券、
大型量販店、情報・通信と、その時代をリードする産業
は、目まぐるしく入れ替わった。

事業が時代の波に乗り、右肩上がりに成長している時で
も浮かれることなく、しっかり土台を固めなければな

ない。
この、父が残したこの5つの言葉から、父親の時代の
実直で堅実な商いを旨とする、商人の心構えが伝わって
くる
のです。

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