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寓話/お釈迦さまに救われた女

1834 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
大乗仏教の教え
「寓話/お釈迦さまに救われた女」

インドのコーサラ国にガウタミーという女性がいました。
彼女には男の子が一人いました。
結婚後子供に恵まれなかったが、ようやく授かった子ども
です。
彼女の可愛がりようは常軌を逸していた。
その、よちよち歩き始めたばかりの可愛い男の子が、
突然死んでしまった。

ガウタミーは、子どもの死体を抱えて町中を走り回ったた。
彼女は狂ったように叫んだ・・
「どなたか、この子が生き返る薬を持っていませんか?」

抱えた子どもは腐り始め、臭いがしだした。
それでも死体を離さなかった。
『女よ、私がその薬を作ってあげよう・・』

通りがかりの人が、そう声をかけた・・お釈迦さまです。
お釈迦さまはガウタミーに
『薬の原料となるカラシ種を貰ってきなさい』
とお命じになった。
但し『これまで死者を出したことのない家から貰ってきた
ものでないと効かない』と言われた・・

ガウタミーは家々を訪ねて回ります。
「お宅では死者を出しましたか・・?」

訪れるどの家もどの家も、すべて死者を出している・・
ある家では、昨年子どもが死んだと聞かされた。
夫が亡くなったと、涙ながらに語る妻もいた。

ガウタミーの狂気は、少しずつ鎮っていった。
悲しみに打ちひしがれているのは、自分だけでないことに
気づいた。
どの家も、じっと悲しみに耐えて生きている・・
ガウタミーは、お釈迦様のところに行った。

釈迦『女よ、カラシ種を持ってきたか?』
「いいえお釈迦さま、もう薬はいりません・・
この子をダビに付します」

ガウタミーは、力強くそう答えた。

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