« 折 句 | メイン | 故事から学ぶ 「干ばつをしのいだ男の知恵」 »

般若心経 「大乗仏教の教え(4)裸の王様」

■ 「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
 (しきふいくう くうふいしき しきそくぜくう くうそくぜしき)
 
「色は空(くう)に異ならず 空は色に異ならず 色は即ちこれ空なり 
  空は即ちこれ色なり」

「色」とは…壊れることを前提にこの世に存在し、起こるべきすべての
物質的現象いう。
「空」とは…見るもの、感じるもの、想うもの、 更には知ったり判断したり
するすべてのものには、実体がない…それを”空” という。
 
「実体」とは、永遠に変わらない本質的・根源的なもを言い、すべての
存在実体なく、実体がないのが、すべての存在の本質になる。
 
つまり、世の中に存在するすべてのものは変化していく。
変わらないものはないのだから、ものごとを”こだわり”をもって見て
ならない…般若心経の教え、基本理念です。
 
喜びも悲しみも苦しみもすべて、一人ひとり受け止め方も、感じ方も
違う…モノサシなどなく、実体がない。たえず変わっていくものだから、
そのことに捕らわれずに、生きていくことです。
 
 
885 【心と体の健康】
~般若心経~
「大乗仏教の教え(4)裸の王様」
 
般若心経第7節に、「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」がある。
アンデルセンの童話「裸の王様」は、般若心経の”空” を理解するのにピッタリの物語です
とりわけ「空不異色」の意味をうまく説明している。
 
王様の豪華な服が”見える”…とみんなが言えば、服が見えるような” 幻覚”陥ります。
この童話でアンデルセンは「誰も見えなかった」 と言っているが、仏教の教え般若心経では…その服を”空” ととらまえ…ありありと見えるのです
『おしゃれをすることが大好きな王様の元に、 二人の詐欺師が布織職人という触れ込みでやって来た。
詐欺師「王様…私共は馬鹿や身分の低い者には見えない、不思議な布地を織ることができます」… 王様は大喜びで注文した。
機を織っている出来栄えを見に行ったところ、目の前にあるはずの布地が、 王様には見えない…
王様はうろたえるが、家来たちの手前、本当のことは言えず、見えもしない布地を褒めちぎった。
 
家来もまた、自分には見えないものの、そうとは言い出せず…褒めちぎった。
王様は、見えない衣装を身にまとい、パレードに臨んで、国民に手を振った。 見物人もまた、馬鹿と言われたくないので、王様の衣装を誉めそやした。
 
と…見物していた子どもが、「王様は裸だよ!」と叫んだ。
すると、次々と「王様は裸だ」との声が聞こえてくる。
「馬鹿や身分の低い者には、見えるはずがない」 と信じきっている王様…パレードを続けた』
 
「あの人は、まるで”裸の王様”だ…」と言うことがある。
少し前になるが、過去の事例では、芸能界では暴言事件の”島田真助”、 著作権詐欺事件の”小室哲也”などが思い起こされる…
北海道・ミートホープ牛肉偽装事件…同社の常務が、社長の詐欺まがいの為に堪りかねて、かん言したが改めず、思い余って保健所役所に内部告発した… が、取り合ってもらえない。新聞社に持ち込んでようやくニュースになり、 世間に知られるようになった。
ミートホープ社を知る管轄の役所も、従業員も、みんな裸の王様になっていた
 
一代で成功した経営者にありがちな「ワンマン、傲慢」…
彼らにはそれなり自信と自負、思い込みがあって、 「自分は優れている」「自分が今やっていることはしい」信じて疑わない。
誰にも弱点はある…イエスマンに囲まれ、 弱点を指摘する部下がいないと…暴走して、世間を騒がせる事件に発展してしまう。苦労して手に入れた、地位や名誉、 財産ガラガラれていく…”裸の王様” である。
 
どうにもならなくなってから、涙を流し、反省しても手遅れ…
周りヨイショれ、”裸の王様” になっていることに、早く気づかなければならない。
                            ひろさちやの般若心経「第21講」
 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.noevir-hk.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1520

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

ひとつ前の投稿は「折 句」です。

次の投稿は「故事から学ぶ 「干ばつをしのいだ男の知恵」」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36