2040 【吉村外喜雄のなんだかんだ】        
「国会議員、世襲の是非」          
      
今週末、7月10日は第26回参議院議員選挙です。       
幕末、米国から帰った勝海舟が、民主政治について語って       
いる。       
「米国では、大統領は国民が選挙で選び、誰でもなれる。       
しかし、その子孫がどうなるかは誰も知らないし、       
   関心もない」       
世襲が当たり前の幕末当時の日本人には、理解できない。       
能力のある者が選ばれるのは分かっていても、       
「子孫」に関心がないなど、想像もできなないことでした。       
      
維新から150年。いまだに2世3世議員がまかり通る       
日本の政界・・       
このところ支持率が右肩上がりの自民党政権 だが、       
世襲議員は自民党が特出して多く、全議員の約 30%を       
占める。次いで多いのが立憲民主党の約10%。       
      
安部晋三、麻生太郎など、近年の総理大臣経験者の多くは       
世襲議員ですが、菅元総理は20年ぶりの”叩き上げ議員”       
で、現総理の岸田文雄氏も叩き上げ議員です。       
      
菅内閣の時、閣僚20人のうち、実に12人が世襲議員       
でした。問題なのは優秀な政治家の子息が、必ずしも      
優秀とは言えないことです。       
      
後援会と活動資金をそっくり引き継ぎ、選挙を気にする       
ことなく議員活動に集中できる。       
相続と違って、世襲しても税金は一切なし・・集票、資金       
不足に苦労し、苦しむこともない。       
      
苦労なく世襲し、地盤、看板、鞄を引き継ぐ政治家が増え       
ると、国会議員として能力に欠ける子息が選挙で選ばれ、      
議員に求められる能力・資質が劣化していく。      
      
自民党は世論の批判を受けて、2009年衆院選のマニフ       
ェストに「世襲の原則禁止」織り込んだが、選挙で大敗し      
て野党に転落すると、すかさず撤回した。       
      
「公募や予備選」の実施を条件に世襲を認め、世襲の制限       
を骨抜きに・・結果、身内を世襲させる議員 は後を絶た       
ない。
