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みよ! 明治の麗しき心

スマトラ沖地震に対する世界の救援活動が、マスコミで報道されている。
五十万人が負傷し、百万人以上が避難生活を送り、二百万人以上が食料援助を待っているという。
数え切れない被災住民が、「きれいな水、食べ物、薬、シェルター」などの援助物資が届くのを待っている。
援助活動が遅滞したら、更に死者が十五万人増えるだろうと、国連は訴える。

過去、日本で災害が起きるたびに、世界各国から援助の手がさしのべられてきた。
今回の被災地は同じアジアの同胞。その上、普段でも政情不安な国々。それゆえ、救済が急がれるのです。
資源を外国に頼り、貿易立国で成り立つ日本としては、この期を逃さず、できる限り援助の手を差し伸べたいものです。

■義援金の届け先は…・郵便振替
あて先「00110-2-5606 日本赤十字社 スマトラ沖地震」
・電話による寄付  一回掛けると100円寄付できる。直ぐに実行できます。

0990-53-5000

※携帯・ PHSはつながりません。 (わずか百円でも、被災国では二千~三千円の貨幣価値になります)
・全国のNHK
※義援金の受付は2006年8月で終了しました。

【吉村外喜雄のなんだかんだ 第65号】
~歴史から学ぶ~
「みよ!明治の日本人のこの麗しき心」

江戸から明治にかけての日本人は、教育によってか、知識人から一般市民に至るまで、「義」 の心を持ち合わせている人が多かったようです。
1890年(明治23年)9月の台風で、熊野灘沖にトルコ軍艦が沈没し、艦長以下581名の尊い生命が海に消えた。 生存者はわずか69名という、海運史に残る大惨事であった。

台風で自由を失ったトルコ軍艦が、灯台の方へ押し流されてきた。灯台のある
断崖の下で「グウグウワーン バリバリ…」。船は真二つに裂けた。その瞬間
エンジンに水が入り、大爆発。この爆発音を灯台守が聞いた。
乗組員全員が海に放り出され、波にさらわれた。
真っ暗な荒れ狂う海。どうすることもできない。大波にもまれ、岩に叩きつけられ、意識を失い、 岩場に打ち上げられる者もいた。

服がもぎ取られ、裸同然であった。顔から血が流れ、全身は傷だらけ。この乗組員たちを救うには人手がいる。 灯台守は、樫野の村人に知らせようと、村に向かって真っ暗な夜道を駆け出した。
この当時、樫野には50軒ばかりの民家があった。知らせを聞いた男たちは、総出で岩場の海岸に下りた。 だんだん空が白んでくると、海面におびただしい船の残骸と遺体が浮かんでいた。

目を背けたくなる光景。村人は泣いた。遠い外国から来て、異国で死んでいく男たち。 一人でも多く救ってあげたいと頑張ったが、ほとんどは息がない。村の男たちは、 自分たちも裸になって乗組員を抱き起こし、体温で暖めはじめた。
「死ぬな!元気を出せ!生きるんだ!」。村の男たちは我を忘れて暖めた。
次々に意識が戻った。69名が助かった。

助かった人々は、樫野のお寺と小学校に収容された。村には井戸もなく、雨水を飲み水にし、 漁で獲れた魚を売ってお米に換える貧しい生活。このような村落に69名も収容されたのだから、みるみる蓄えか尽きて、 食べさせるものがなくなった。最後に残った貴重なニワトリまで、トルコの人に食べさせた。
このことが日本中に衝撃となって伝わり、日本全国から弔慰金が寄せられた。

時は移って95年後の1985年3月17日、イラン・イラク戦争の真っ只中。イラクのサダム・フセインが、 「今から48時間後、イラン上空を飛ぶ飛行機はすべて打ち落とす」と警告した。
イラン在住の日本人家族は、あわててテヘラン空港へ向かったが、飛行機には乗れなかった。 西欧諸国は救援機を出して救出していたが、当時の日本政府には、反対する声があって、民間機を出せなかった。 自衛隊の派遣は無論ダメ。

空港の日本人はパニック状態に陥った。そこへ、トルコ航空の旅客機が二機到着した。 タイムリミット一時間前のきわどい時間に、日本人250名全員救出して、成田に向け飛び立つことができた。

なぜ、トルコ航空が危険を推してまで助けに来てくれたのか? そのわけを日本政府も、日本国民も知らなかった。 95年前の日本での海難事故に際し、日本人がなしてくれた献身的救助活動は、トルコ国民であれば知らない者はいない。
その恩返しにトルコ航空が飛んできたのです。

武沢信行著「志経営のすすめ」より

スマトラ沖地震で、何百万の人たちが苦しんでいる。今こそ日本は、 そういった国々に援助の手をさしのべなければならない。平和をこよなく愛し、生活に余裕がある日本人だからこそ、 出来ることではないでしょうか。

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