■食文化その一
日本食に欠かせない「生卵ぶっかけご飯」。その魅力を語り合う全国シンホジウ
ムが、10月30日、島根県雲南市で開かれた。この日を「卵かけごはんの日」に
決めたという。
シンポジウムのきっかけは、同市の第三セクターが開発した、卵ごはん専用醤
油「おたまん」のヒット。 10/31北国新聞
■食文化その二
町に銭湯が沢山あったその昔、来日した中国人が、町のあちこちに立つ銭湯の
煙突を見て言った。 「なぜ日本人は鶴と亀のスープがこうも好きなのか?」
中国では、「湯」はスープを意味する。当時多くあった「鶴亀湯」の名を見て、
"鶴亀スープ"と勘違いしたとか、しないとか…。中国には公衆浴場がない。
「湯の字」を見て、食堂と間違えて入って、びっくりしたかもしれない。
【吉村外喜雄のなんだかんだ - 103】
~食と健康~
「料理は文化」
私はイナゴが大好物である。戦後間もなく、佃煮にして食べた味を覚えていて、
長野へスキーに行った帰り、お土産に買ってくる。ビールのつまみには最高。
家族は気味悪がって、そばに来ない。どう見ても、羽の生えたゴキブリである。
もう一つ私の好物、ドジョウの粕汁に目がない。ドジョウが泳ぐ鍋を火に掛け
ると、ドジョウは鍋の中でバチャバチャと暴れる。その後粕を入れて、味噌汁
にするとたまらなく美味しい。これで夏は最高。妻は、ドジョウが可哀そうと、
滅多に作ろうとしない。
食べ物は文化。国によって、地域によって、家庭によって、方言のようにいろ
んな食べ方がある。その国を知るには食文化を理解することが大事。
調理の仕方で、文化の成熟度がわかるという。
ところで日本人は、外国から見ると結構変わったものを食べる。タコやイカ、
ウニやナマコなどの魚介類を"生食"する。ヨーロッパでは、タコは悪魔の使い、
口にするものはいない。
熱いご飯に生タマゴをかけ、かき混ぜて食べる日本人を見て、欧米人は気持
ち悪がる。食通で、何でも食べる中国人ですら、生卵は食べないし、生きたエ
ビを、目の前で皮をむいて食べたりはしない…。
日本人は、インド人がスプーンや箸を使わず、直接指先でまぜて食べるのを
見て「汚い」という。が、お寿司を見たインド人、「日本人も、他人が素手で握っ
たものを食ってるじゃないか…」と言い返す。
上海の高級飯店で蛇料理が出た。美味しかった。蛇がぶつ切りに調理され、
皿に盛られている。それを見た日本人、箸をつける者は少ない。
メキシコでは、トカゲ料理が最高のおもてなし料理。折角の高級料理なのに、
トカゲと聞いただけで日本人はダメ。
また、日本人におなじみの魚肉ソーセージ。西欧にはそんなソーセージは無い。
自分の国のマナーや食に対するイメージ・常識が、よその国でもそのまま通用
するわけではない。よその国では珍味で舌鼓を打つものであっても、日本人に
受け入れられないものが沢山ある。国によって様々、それが食文化なのです。
私は旅先で、その土地の家庭料理をご馳走になるのが、何よりの楽しみ。
グアムで、元酋長の家に招待されたことがある。ぶつ切りにした魚と野菜を
オリーブ油で炒めた料理が出された。豪華なおもてなし料理だったが、魚が生
臭く、香辛料が強すぎて、喉を通る代物ではなかった。
これは例外で、初めて口にする料理が美味しかったときは、たまらなく幸せ…。
![]() 宮古島水深20m、岩穴から浮上してきたところ。 写真左に、下に潜っている人の泡ブクが… |
七月、宮古島へ行ったとき、民宿の夕食に招かれ、家族と一緒に食卓を囲んだ。
食卓にならべられた、食べきれない料理。今まで味わったことのない食材と味つけ。 奥さんの心を込めた手料理に舌鼓を打った。
地のお酒と一緒にいただくときが、一番の幸せです。