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上がり性克服法(2) 沈黙の恐怖

■今日のことば
 ~ニューヨーク州立大学病院の壁に書き残された詩~

大きな事をなし遂げるために 力を与えてほしいと神に求めたのに、
謙虚を学ぶようにと 弱さを授かった。

より偉大なことができるようにと、健康を求めたのに、
より良きことができるようにと、病弱が与えられた。

幸せになろうとして、富を求めたのに、
賢明であるようにと、貧困を授かった。

世の人の称賛を得ようとして、成功を求めたのに、
得意にならないようにと、失敗を授かった。

求めた物は一つとして与えられなかったが、
願いはすべて聞き届けられた。

神の意に添わぬ者であるにもかかわらず、
心の中で言い表せないものは、全て叶えられた。
私はあらゆる人の中で、最も豊かに祝福されていたのだ。

神渡良平著「下座に生きる」から



【心と体の健康情報 - 569】
~幸せな人生を歩むために~ 
「上がり性克服法(2) 沈黙の恐怖」

結婚式に招かれ、来賓スピーチを依頼された日から、憂鬱な日々が始まる。
原稿を作り、何度も練習して暗記して臨んだ当日。披露宴はとどこおりなく進行し、自分の番が近づいてくる…食事は喉を通らず、 胸はドキドキ…。
いよいよ指名されマイクを取り、お祝いのスピーチ…が、途中で真っ白…
気は焦れども次の言葉が出てこない。こんな経験を何度したことか…

スピーチ馴れしていない人…マイクの前に立ったとたん、上ってしまい、頭の中が真っ白。
次に話す言葉が出てこない。
この沈黙の十数秒間が恐怖です。スピーチが上手になりたかったら、カラオケと同じ…場数を踏むことです。場数を踏めば、 誰でも上手になれるのです。

以下、理念と経営6月号「リーダーのための心理学」から…

講演の後の懇親会で講師の先生、それまで締めていたネクタイを外して、
「私が締めていたネクタイの色とガラを覚えている人…」と尋ねた。
覚えている人は、ほとんどいなかったという。

人間は、自分のことは気になるけれども、他人のことは、当の本人が気にするほどには、関心がない。ですから、 顔が赤くなると気に病んでも、周りは以外と気にしていない…そういうものなのです。

「感性論哲学」 の創始者、芳村思風先生の講義…途中で、突然沈黙してしまうことがある…1分くらいだろうか?  沈黙の間…聴講生は「どうしたんだろう」と、半分居眠りしている人まで目を覚まして、先生の方を見る。

哲学を講義する先生の話は難しい。1時間もすると、まぶたが重くなってくる。
頃合い好しと先生…沈黙の後、突然「なんちゅうか、かんちゅうか、ほんちゅうか…」と、素っ頓狂な声を発する… 会場はド~ッと笑いに包まれる。

先生は、聴講生の眠気をさます手段として、しばし"沈黙"の後、このようなダジャレを言う。何度か受講する中、数えたら、 5つのネタを使い分けていた。
受講中…突然の沈黙…"そら来た!"…会場は大きな笑いに包まれる。

沈黙は決して怖くないということを、私は学んだ。でも、実際の所、30秒間マイクを前に沈黙するのは、度胸のいることです。
私は、次の文句に詰まることがあっても、決して慌てたりせず、"余裕をもって"沈黙…これから話す内容が、 当初話す予定とは違っても慌てず、会場の雰囲気に合わせて、笑顔で話し出すようにしている。

ある時…壇上に上がり、300人ほどの聴衆の前で選手宣誓のように、私がスローガンを一節唱和した後、 続いて会場の皆さんが大きな声で復唱する。
そんな名誉な役を頂いたことがある。

登壇し、マイクの前に立った…スポットライトがまぶしく、私に向けられた瞬間、目の前が真っ白になった! 沈黙…会場も沈黙… 思い出せないまま沈黙…
やおらお尻のポケットから原稿を取り出し、マイクの前に広げ、高らかに唱和した。
そして、無事役目を果した。その沈黙の時間、どれくらいだったのだろうか?
席に戻って、親しい人から「あの沈黙…何か意味があるの?」と言われた。
私が、あがってしまい、頭が真っ白になったことには、気付いていないような振りだった。

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