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忠臣蔵・知らざれざる真相

■「忠臣蔵」、もう一つの知られざる真相

内匠頭が吉良への刃傷に及んだ背景は、従来「勅使饗応の作法を教えてくれなかったから」と言われてきたが、そんな作法は毎年のことで、 誰もが知っていること。
原因は他にあるのでは…?

当時、将軍綱吉の生母・桂昌院への「従一位授与」を強行しようとする、柳沢吉保による朝廷工作が、秘密裏のうちに着々と進んでいた。
親朝廷派の内匠頭が、朝廷と幕府の交渉に気づき、交渉役でもあった吉良をとがめて、口論になったのではないか…?

柳沢は刃傷沙汰の真の理由を、多くの情報から推測した。
大石内蔵助もまた、一年以上の雌伏の末、ようやく主君の真意に思い至る。

時の権力者である柳沢は、すべてを抱えたまま黙って切腹した内匠頭に同情した。
柳沢は同情心から、事前に「討ち入り」の情報を入手していながら、動かなかった。
「討ち入りで、浪士が1人も死ななかった」…謎が解けてくる。

新潮社/加藤廣著「謎手本忠臣蔵」より


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 625】
~歴史から学ぶ~「忠臣蔵・知られざる真相」

「風さそう 花よりもなほ我はまた 春の名残をいかにとやせん」
世に"忠臣蔵"で知られる、浅野内匠頭の辞世の句である。

この句で、桜のように散っていった赤穂四十七士の物語は、謎めいた事件として、巷説おびただしい。この刃傷(にんじょう) の顛末には、世間には知られていない事実が、隠されているのです。

この事件で幕府は、「浅野内匠頭は切腹」「吉良上野之介はお構いなし」の裁定を誤下し、これを不満とする赤穂浪士が、 1年9ヶ月後に、吉良邸に討ち入ることになる。
そもそも、内匠頭が刃傷(にんじょう)に及んだ理由を"不詳"として、幕府は動機不明の事件として処理したが、世評は 「吉良が求めた賄賂に、内匠頭が十分に応じなかったため…」と記録している。
裏を返してみれば、幕府にとって都合の悪い事実を伏せてしまったため、事件の原因を、世間はあれこれ詮索するようになったのです。

大石蔵之助以下、四十七士が命がけで仇討ちするには、もう一つ、世間には知られていない理由があった…
それは、幕府がひた隠しにしてきた大名同士の"仲たがい"です。
遡って、豊臣時代や関ヶ原合戦で、恨みを持つ大名同士、末代まで"仇同士の仲"として、江戸城ですれ違っても挨拶も交わさず、 広間で同席しても知らん顔…こうした大名家が多かったのです。

列挙すると、加賀の前田家は、熊本の細川家や二本松(福島県)丹羽家と絶交したまま…。飫肥(おび・宮崎県) 伊東家と薩摩の島津家…島津家は参勤交代で飫肥を避けて、船を使ったほどである。

福岡の黒田家と、熊本の細川家や阿波(徳島)の蜂須賀家。盛岡の南部家と仙台伊達家。池田家(岡山と鳥取)は、永井家(高槻市・ 岐阜)と…不仲は一族の支藩にまで及んでいた。
そして注目すべきは、芸州(広島)浅野家と、仙台伊達家も不仲で、ここに"忠臣蔵"の謎を解く"鍵"があるのです。

事件の原因は、不仲大名を仲直りさせることに熱心だった、老中稲葉丹後守と、
林大学頭の江戸城での会話にあった。
林大学頭が老中稲葉丹後守に尋ねた…
「伊達と浅野が不仲になったのは、いつの頃からであろうか…?」

この会話は、"松之廊下"の刃傷事件が起きる少し前の、正月のことである。
二人は、浅野と伊達を"和睦"させようとしたらしい。
それにはまず支藩からと、「来る3月14日の勅使と院使のご馳走役は、
伊達左京亮(伊予)と浅野内匠頭(播州赤穂)を相役とする…」と命じた。

これが2月のこと。この日から浅野内匠頭は「"ウツ症状"に悩まされるようになり、頭痛に襲われるようになった」と、記録にある。
先祖の遺言で、末代まで"仇"とされている家同士が、"相役"を勤めなければならない
とは…浅野内匠頭は、苦悩の毎日だったのです。

お互い口もきかず、饗応役を勤めた。軽んじられた浅野内匠頭、勅使饗応の準備を終えてから、堪忍袋の緒が切れ、 刃傷に至った。
その間、幕府の意を体した指南役の吉良上野介は、口を聞かず心を開こうとしない浅野内匠頭を、叱責したのだろう。

「このあいだの雑言、覚えたるか」と内匠頭が叫んで、切り付けたという記録が残っている。
浅野内匠頭が切腹させられた田村右京太夫邸も、伊達の支藩。
「和睦」を拒否し続けた内匠頭への、幕府の懲罰である。
この事件は、"不仲大名"を強権で和睦させようとした、幕府の失政にある。

"不仲"を貫いた内匠頭と、"喧嘩両成敗"を求めた赤穂四十七士の行動は、幕府への痛烈な批判だったのです。
こういったことを含んで、冒頭の辞世の句を読み直すと、味わい深いものになってくる。

法人「江戸異聞」より

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