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青息吐息

■「胆識」

東洋政治哲学・人間学の権威で、日本の政・財界の啓発・教化につとめた"安岡正篤"先生がよく語られた言葉に、 「知識・見識・ 胆識」があります。

「知 識」…本を読んだり、人の話を聞いたりして得られたもので、
       知識として身につけることで、人間としての深みが増してくる。
「見 識」…自身の経験によつて得られたもので、何か問題に直面した時、
       的確な判断材料になります。
「胆 識」…何かを決定し行動しようとすると、反対され、阻止されることがあります。
       自分が正しいと信ずるなら、そうした反対に流されることなく、
       やり遂げようとする力、その実践的判断力を"胆識"といいます。
       いくら多くの知識があっても、すばらしい見識を持っていても、
       胆識がなければ、何も始まらないのです。

山口勝朗著「安岡正篤に学ぶ人間学」より

発言を追及され、前言を簡単に撤回してしまう麻生総理…発言のブレに象徴される場当たり的な政権運営… 指導者に求められる"胆識"が備わっていないのでは?

2/11中日新聞「中日春秋」


【心と体の健康情報 - 642】
「青息吐息」

毎朝起きて直ぐ、"10分間ヨガ"で身体をほぐすことから、私の1日が始まります。
ヨガで大切なのは、吐く・吸う・止めるの「呼吸法」と、「瞑想」…。
体内にある邪気すべてを、体外に吐き出すかのように「息をゆっくり吐く…」。
緊張感がゆるみ、心がゆったり、気が楽になり、晴れ晴れとした気分になります。

次ぎに、朝の外気をたっぷり「吸い込む」…気息が内へ向かい、新鮮なエネルギーが体内に満ちてくる…気力が充足し、 体がシャキッとしてくる。
そして「息を止める」…心気は一点に止まり、気が集中し、全身に充実感がみなぎってくる。
呼吸法を習得すると、自らの精神の安定と、心身の健康に大きく寄与するようになる。
東洋医学、西洋医学を問わず、医学界では"呼吸"の研究が盛んに行われている。アメリカの医学雑誌に、 人が様々な精神状態で吐く息の色の一覧が発表された。
息には様々な"色の違い"があることが、分かってきたのです。
笑う、泣く、怒る、妬むなど…精神状態によって、吐く息の色が異なってくるのです。

液体空気が入った冷却装置に試験管を入れ、息を吹き込む。息が冷やされて、底にカスがたまる。平常心の息のカスは"無色"である。 憎悪憤怒の口から吐き出される息は、毒々しい"栗色"になる。それをモルモットになめさせると、ひどく興奮し、頓死することもある… それは、他のいかなる毒よりも猛毒である証拠です。

少し前になるが、ある大きな会社の社長に面会した。社長室に案内され、部屋の空気を吸った瞬間、言葉を交わしてもいないのに、 オーラを感じ、無意識に頭を垂れていた…部屋の空気を吸った途端、そうせずにはおられなかったのです。

夫婦喧嘩をした時もそう…何故か冷静でいられなくなり、感情が激してくる。
それは、喧嘩相手が吐く息が脳を刺激して、興奮してくるのです。

日頃、何かにつけ腹を立てる人は、自らを自殺に追い込んでいるようなものです。
先ず肝臓がやられる。胃潰瘍や肝臓ガンは、こうした心理状態に起因して、発症すると言われている。
穏やか平穏に暮らすことが、健康には一番いいのです。
良い精神の人は和気を吐く。が、悪い精神の人は毒気を吐き散らすのです。
前号で「益友」の話をしたが、益友の吐く息が、脳に良い影響を与えるのでしょう。

歌舞伎「菅原伝授手習鑑」の「寺子屋の段」では、主君の子の首を討たねばならぬ羽目に陥った主人公が、 思案の末に、その日弟子入りしたばかりの子供を身代わりに仕立てて首を打ち…差し出した。首実検にやってきた役人… 実は子供の父親だったのです。
我が子と知りながら、「主君の子の首に相違なし」と言って、引き上げます。
その時の主人公の心境を浄瑠璃は、「青息吐息 五色の息を一時に吐く思ひなり」と、 表現している。

伊藤節子・著「父 安岡正篤を語る」

江戸の昔の人も、悲しみや怒りなどで吐いた息を、赤とか青で表現しているのです。
100年に一度の大不況と言われる今…国も私たちも、青息吐息では困ります。
何事もプラス思考に、赤い気炎を挙げて、不況を乗りきりたいものです…。

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